赤ちゃん欲しい!妊活ではストレスで妊娠率が変わる

赤ちゃん欲しい!でも妊活ではストレスで妊娠率が変わってしまう

ストレスと不妊については以前からたくさんの研究結果がでています。

ストレスが妊娠に与えるメカニズムや、ストレスと妊娠率についてご紹介します。

ただ、ストレスは誰でも避けては通れないもの。

ストレス源をまったくなくすことは難しいため、

ストレス対処法をうまくりようして、ストレスをマネジメントすることが

赤ちゃんが欲しい場合必要でしょう。

 

ストレスケアのプログラムによって妊娠率が高まる

実際にストレス対処のプログラムを取り入れたアメリカの不妊専門クリニックでは

そのプログラムを受けた場合妊娠率が89%も高まっています。

赤ちゃんが欲しい!妊娠したい!そう思うのでしたら、

適切なストレス対処と心のケアが最優先となっていきます。

こころのマネジメントについてもご紹介していきます。

 

ストレスが妊娠に与える影響

ストレスを感じたり、それに反応を起こすとき、その主な作業を行う部分は脳です。

イヤなことや辛いことなどがあったと認知して、それにともなう反応を起こし、

脳はカラダに「ストレスと闘ったり、逃げたりするための体勢をとって!」と指令を送ります。

そしてコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンも分泌されます。

強いストレス状態に長時間さらされてしまうと、

常に脳の視床下部はその状態からカラダを守るための対応に追われます。

この視床下部は、排卵や妊娠にかかわる生殖ホルモンの司令塔でもあり、

正常な指令を出せなくなっていきます。

そのため、妊娠とは切っても切れないホルモンバランスが乱れるようになります。

脳がストレス対応に追われすぎると、生殖ホルモン分泌の司令まで手が回らなくなります。

すると、ホルモン分泌のバランスが崩れて、

月経が遅れるといった排卵障害を引き起こしたり、細胞間の伝達がうまくいかず、

病気を引き起こすようになります。

不妊の原因となる子宮内膜症などもストレスが大きく影響しています。

慢性的なストレスをしめす毛髪中のコルチゾールレベルは妊娠率は有意に関連し、

毛髪中のコルチゾールレベルが高いほど妊娠率が低いのです。

年齢やBMI、採卵数、受精卵数など妊娠率に影響を及ぼす他の因子を調整後の

毛髪中のコルチゾールが影響すると考えられる妊娠率の差は27%もありました。(1)

 

ストレスと妊娠率

ストレスによって妊娠率は下がる!!

アメリカの研究よりこんな結果が出ています。

NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究者は、妊娠を望む18〜40歳の274人の女性に対し、

月経周期6日目に唾液中のストレスマーカー物質を測定し、その後、妊娠の有無を6周期にわたり調査しています。

ストレスの目安とされる物質「アルファミラーゼ」の濃度が高いほど、

妊娠率が低くなることが判明しています。

アルファミラーゼの濃度が高いグルーブは低いグループと比べ、12%妊娠しにくいという結果でした。

また、体外受精を受ける夫婦にストレス対処のプログラムを

取り入れたアメリカの不妊専門クリニックでは、

そのプログラムを受けなかった夫婦は30%程度の妊娠率だったのに対し、

プログラムを受けた夫婦は89%も妊娠していました。

ストレスへの正しい対処や、心のケアの必要性がうかがえます。(2

 

ストレスと不妊期間との関係

アメリカの、不妊症ではない妊娠を望む夫婦のストレスと妊娠までにかかる期間との

関係について調べた研究があります。

唾液中のアルファアミラーゼ濃度別に3つのグループに分けたところ、

最も濃度の高いグループの女性は最も濃度の低いグループの女性に比べて妊娠するまでに1.29倍、

濃度が中間だったグループの女性に比べて1.07倍、

それぞれ、妊娠するまでに長い期間かかったようです。

唾液中のストレスマーカーが最も高いグループの女性にとって、

不妊症リスク2倍になることに相当するとのことです。

ストレスは妊娠するまでに要する期間や不妊症リスクに関連することがわかっています。

 

ストレスと精子の質

ストレスは、男性の精子の質にも大きく影響します。

男性本人が自覚しているストレスレベルが高いほど、

精子濃度や運動率、正常精子形態率が低い傾向が見らるようです。

また過去1年間に2回以上のストレスフルな出来事があった男性は、

なかった男性に比べて精子運動率や正常精子形態率が低い傾向が見られることがわかっています。

一方で、仕事でのストレスは精液検査での精子の質には影響がでていないという

興味深い結果も出ています。(3

 

こちらの研究対象だったのは一般男性であり、

不妊治療中の男性に限ったわけではないため、

必ず同じ結果になるとは限りませんが、

精子の質には、仕事以外の、不規則な生活やストレスが影響を与えているといえそうです。

妊活中は男性もストレスやプレッシャーを感じないわけでは

ありません。女性以上に繊細だといわれる男性ですので、

ストレスへの対処は必要になってくるでしょう。

 

赤ちゃんが欲しいなら心のケアも

妊活中はなかなか相談できる人がいなかったです。

病院では相談しにくいです。

本当に孤独で不安です。

年齢的にもあせります。今まで何やってたんだろうって思います。

生理が来るたびに泣いていました。

表面ではおめでとうをいえても、家で一人友達の妊娠報告に泣いていました。

本当にこれでいいのか、セックスのやり方すら自信がもてませんでした。

心が妊娠に影響するのかもって体外受精を4回やってまったくだめで気づきました。

いろいろしたけれど、全くダメで、若い子にまた先を越されるのかと思うとつらかったです。

 

カウンセリングをしていると、みなさんこのような事をおっしゃいます。

 

酷く不安で、悲しい思いでいらっしゃいます。

頑張っている一方で、夫婦感の温度差や不妊治療の行き詰まりに

ストレスがいっぱいになっています。

早くに赤ちゃんが欲しいと思うほど、不安と焦りでさらにストレス度が

高まってしまいます。

よくないとわかっていても、なかなかコントロールが難しいのがストレスや

気持ちの切り替えではないでしょうか。

 

ストレスは発散させても正しい解消法には一切ならないことが研究でもわかっています。

まずは、安心して妊活できるメンタリティに整えていきましょう。

 

ストレスは流産や不育症にも影響するから、チェックしておいてね

不妊・流産・不育症に効果的!妊娠しやすいストレスケア方法

 

参考文献

不妊ストレスにさようなら 幸せな妊娠力を高めるマインドボディ・テクニック バーバラ・ブリッツアー

2011; 342: d223https://www.bmj.com/content/342/bmj.d223Fertil Steril 2000; 73: 805、Gen Hosp Psychiatry 2002; 24: 353

(1)Relationship between hair and salivary cortisol and pregnancy in women undergoing IVF Psychoneuroendocrinology Volume 74, December 2016, Pages 397-405

(2)June 2011Volume 95, Issue 7, Pages 2184–2189 Switch to Standard ViewSwitch to Enhanced View Stress reduces conception probabilities across the fertile window: evidence in support of relaxation

(3)August 2014Volume 102, Issue 2, Pages 530–538Switch to Standard ViewSwitch to Enhanced View Effects of work and life stress on semen quality

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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