不妊の原因をさぐる検査はたくさん!でもホントに必要な検査はこれだけ

不妊の原因をさぐる検査はたくさん!でもホントに必要な検査はこれだけ

不妊治療を行っていく場合、不妊症の検査はまず初めに行います。

不妊症といっても、不妊の原因は本当に多岐にわたります。

不妊の原因が女性側にあるのか、男性側にあるのか、あるいは両方にあるのか、

さまざまなので、不妊症の検査は夫婦そろって検査されることが勧められます。


ただ、検査を受けても、医学的には原因がわからないケースもあります。

 

不妊の原因を探りために、たくさん検査をして原因を突き止めることが正しい治療とは

いえません。なによりも、悩んでいるご夫婦にとっては不安と負担はまずばかり。

本当に必要な検査って一体何かを知って、

治療に望んでいくことも大切です。

 

一般的な不妊症検査一覧

0kotoba

不妊症の検査内容

卵巣や子宮の状態、ホルモンの値などは月経周期によって大きく変化します。
そのため女性側の検査は月経周期にあわせて、月経期・低温期・排卵期・高温期と進めていくことになります。

 

基礎体温
基礎体温の測定は、卵巣の働きや機能、ホルモンバランスなどを知るための
最も重要な手段です。
朝起きて体を動かす前に婦人体温計で測定し、基礎体温表につけていきます。
また、排卵の有無や、排卵後の黄体機能などを判断します。

 

超音波検査
経腟プローブという細い棒状の機械を腟内に挿入する経腟超音波断層装置です。
子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などが診断できます。
また子宮内膜の厚さ、卵胞の発育程度を知ることができます。

 

子宮頚管粘液検査
頚管粘液とは子宮頚部から分泌される粘液で月経周期によって量や性状が変化します。
排卵数日前に特殊な注射器で、子宮口より粘液を採取します。
量、色調、粘性、シダ状結晶の有無を調べることによって、
排卵の時期を推測し、卵巣の機能を知ることが出来ます。

 

 

フーナーテスト(性交後試験)
3~4日禁欲して、排卵数日前~排卵日頃(医師の指定日など)の検査当日か前夜に
性交渉をもって来院し、子宮口入口や子宮頸管内の粘液を採取します。
頸管内の精子が、あまり動いてなかったり、精子が見つからない場合には、
頸管粘液が精子の通過を阻んでいる可能性が予測されます。
検査時のタイミングもとても重要で、不良の場合には何回か検査を繰り返えさなくては
ならなくなります。

 

 

抗精子抗体(血液検査)
複数回のフーナーテストで結果が不良の場合に検査を行います。
抗精子抗体は精子を外部からの異物とみなしてしまい、
攻撃し排除してしまう抗体で、
女性側にこの抗体があると精子を拒絶してしまう原因となります。
抗体価の高さによっては、早めのステップアップが考慮されていきます。

 

 

 

子宮卵管造影検査
子宮の入り口からカテーテルを用いて造影剤を静かに注入し、レントゲンを撮ります。
この検査で、子宮腔の形、大きさ、卵管の通過性、狭窄の有無などがわかります。
また子宮や卵管に造影剤を入れることで、
卵管の軽度な癒着があった場合には、広げる効果もあり、
この検査をきっかけに妊娠しやすい状態になる場合もあります。

 

通気検査
炭酸ガスを子宮から卵管内に通し、
その時の圧力の変化で卵管の通過性を予想します。
子宮卵管造影検査と同じように、
ガスによって卵管の軽度な癒着を広げる効果もあり妊娠しやすい状態への改善も。

 

 

各種ホルモン検査
<血液>
血液中のホルモンを測定することで、卵巣の働きや、排卵障害の原因がどのホルモンの乱れによるものかを調べます。
<尿>
尿中のLHの量を測定することで、排卵時期を予測します

 

子宮鏡検査
腟から細いカメラを挿入し、子宮の中を直接見る検査です。
子宮卵管造影ではわからない小さなポリープなど子宮の内側の異常の有無を調べることが出来ます。
クラミジア検査
血中の抗体を調べる検査と子宮頚部を麺棒で拭いその中にクラミジア菌がいるかを調べる検査です。
クラミジアは卵管のまわりに癒着を起こしたり卵管を閉塞させたりする原因となる感染症です。
精液検査
射精された精液中の精子の状態を見る検査です。
2~5日間禁欲後、採精容器に用手的に採取します。
精液の量、1ml中の精子の数、運動率、奇形率、正常形態率を調べていきます。

 

など

 

ホントに必要な検査はコレ

4

 

不妊治療のための検査はあれこれ必要と考える医師もいらっしゃいますが、

治療を進めるうえで本当に大事な点が抑えられればよいはずです。

 

人工授精がについてはこちら

衝撃!人工授精は妊娠率が下がる-間違った治療で妊娠のチャンスを逃さないコツ

 

体外受精が適応になるのかどうかを見極める大切な検査のポイント

1.排卵がきちんと起こり、黄体期特有のホルモンバランスになるか

2.子宮卵管造影検査・卵管通水検査で卵管に通過性があるか

3.フーナー(ヒューナー)テストの結果が良好か不良なのか

 

そのためには、

女性側では

ホルモン検査、フーナーテスト、クラミジア検査、子宮卵管通水・造影検査

 

男性側では

フーナーテスト、精液検査

 

 

検査をたくさんして原因追及していくことが大切なわけではありません。

0hijyoushiki

 

ご夫婦にとって一番良い治療法を提案してくれる病院を選んでいくことがとても大切です。

 

不妊の原因がはっきりしない、また検査をたくさんして原因が分かったとしても

自然妊娠される方はたくさんいらっしゃいます。

医学的な治療がすべてではありません。治療を行っても絶対に補えない部分があります。

二人で家族を作り上げていく過程を大切に、

卵子の質を高める、ホルモンバランスが整い、受精卵が安定して定着できる

体つくりをしていくことが妊娠への近道になります。

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

プロフィールを詳しく見る

みなさんに読まれています

妊娠された方々も読んだ
「妊娠するための教科書」を無料プレゼント。
みなさんにお役立ていただき、
喜ばれたLINEメッセージです。

LINE登録はこちらから

トップに戻る

もっと知りたい