原因不明不妊でも自然妊娠は可能どうしたらいい?

原因不明不妊でも自然妊娠は可能?どうしたらいい?

妊娠できない原因が病院で検査をしてみてもわからなかった。特にこれといった異常がない

原因不明不妊。そんな原因不明不妊はいったいなぜ起こってしまうのか、その更なる原因を

みつめ自然妊娠できるように改善していくためにどうしていったらいいのかを見ていきましょう。

 

原因不明不妊とは

妊娠しなくて婦人科や不妊外来などで検査を受けた結果、とくにこれといった

原因が見つからず、検査では原因がわからないけれど不妊という原因不明不妊があります。

原因不明不妊は、女性の不妊の原因の内49.3%近くを占め、およそ半数ちかくが、検査をしたからと言って

妊娠できずにいる原因が判明しないことも多々あるようです。

 

基本的な不妊の原因を調べるための検査では

女性側では、卵巣や卵管や子宮をはじめ、ホルモンの司令塔となる脳の下垂体についてや抗精子抗体など

について状態がどうなのか調べていきます。

そして、男性では、精子の状態が良好かどうかを検査で調べていきます。

そして、それぞれ問題がみつからず良好な状態にも関わらず不妊の場合を

原因不明不妊と呼ばれます。

 

ただ、原因不明不妊というのは検査で原因が見つからなかったというだけであり、

子供ができないのにはそれなりに原因があり、妊娠できるように改善・対処していく必要性があります。

また原因不明不妊=妊娠できないという意味でもありません。

原因不明不妊であってもその後、自然妊娠されるケースもあれば、

不妊治療など生殖医療の力を借りて妊娠していくケースもあります。

まずは、妊娠が不可能という意味ではないので、赤ちゃんを授かれるように

取り組んでいきましょう。

 

原因不明不妊はなぜおこる?その原因とは

原因不明不妊は不妊のおよそ半数を占め、原因が見つからない事も珍しくないわけですが、

なぜ、そんなことがおこるのか、原因不明不妊の原因についてみていきましょう。

不妊の主な原因

まず、不妊の原因となる主なものは、

卵管通過障害といった卵管が狭窄もしくは閉塞していて卵子が卵管の中を通り抜けれず

精子と出会えなくなる事による受精障害という原因です。

他には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が不十分な場合などでは、

卵子が育ちにくい、排卵しにくいといったトラブルが生じやすく排卵障害を起こします。

排卵障害がある場合も精子と出会いにくく不妊となります。

子宮内膜症や子宮筋腫がある場合は、エストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの分泌

に異常があり、子宮内膜が着床しにくい状態になってしまう事で着床しにくくなるという

子宮内膜の異常が不妊の原因にもなります。

 

原因不明不妊の原因

卵管采のキャッチアップ障害

原因不明不妊の場合は、卵管采がうまく動かないことによって卵巣から排卵され飛び出してきた

卵子を卵管采がキャッチアップできないキャッチアップ障害などもあります。

卵管采はイソギンチャクのような形をしていて排卵された卵子をつかまえて卵管の方へ送る役目が

ありますが、その卵管采が正常に機能しているのかどうかを調べることは難しいとされています。

そんな卵管采でのキャッチアップ障害の原因となるのは、

クラミジアなどの性感染症、骨盤腹膜炎、子宮内膜症や開腹手術後の炎症により癒着がおきる場合です。

炎症反応によって機関の機能低下や癒着などがおき炎症反応は不妊の素にもなっています。

 

卵巣機能低下による卵子の質低下

妊娠できない原因の1つとして大きく取り合得られるのが、卵子の老化です。

加齢によって卵巣機能の低下にともなう卵子の質の低下が招くことで、

妊娠しやすさと年齢との関係は指摘されています。

卵巣機能が低下することによってエストロゲンなど女性ホルモンの分泌量が減り

卵子も育ちにくくなっていきます。排卵までに時間がかかる、排卵しない、

排卵したとしても卵子の質が低下していて受精後の分割がスムーズにいかず

着床しにくくなります。

この卵巣機能の低下は加齢だけでなく、栄養やストレス、運動不足などによってもおこります。

 

卵子の質の低下させる原因とは

NG 女性

卵巣機能の低下に伴う卵子の質の劣化は不妊の見逃せない原因となっている部分です。

日本は不妊治療大国です。世界をみても他の外国よりも体外受精の実施件数が多く、

しかも妊娠率が低いという問題を持ち合わせています。

日本の体外受精による妊娠率の低さには治療を受ける女性の年齢も関係していきます。

海外では、40歳以降の体外受精の場合は卵子提供が勧められます。

卵子提供を受けた場合は40歳以上でもある程度妊娠率が高くなるからですね。

日本にはそういった制度が整ってはいませんから、自分の卵子を使って治療を受けていきます。

そのため、外国に比べ治療成績が低いように見えます。

ただ、それくらい卵子の質は妊娠に大きく影響してくるという事です。

 

卵子の質には、年齢ももちろん影響しますが、それだけではなく、20代の若い女性でも不妊で悩む方が

増えています。他にも重要な要因はいくつかありますので見ていきましょう。

 

栄養不足やダイエットによる卵巣機能低下

標準的な体型でない場合はエストロゲン分泌といった女性ホルモンの分泌が乱れやすく

卵巣機能も低下しがちです。ダイエット経験がある場合や、日頃の食事に栄養が偏っていて

不足しがちな栄養分があると健康的な体をいじできません。

まずは、基本的なバランスの取れた食事や規則正しい3度の食事は大切にしましょう。

特に女性の場合は、月経があるため鉄が不足しやすい傾向にあります。

鉄不足の場合、酸素の運搬の不十分さや冷えにつながります。

亜鉛が不足することで卵子細胞の受精後の分割が悪くなります。

栄養素通しもバランスよく摂取されていることで消化吸収が高まりますので、

色々な食品から栄養を摂取するようにしていきましょう。

 

ストレスなどによる活性酸素で卵子劣化

ストレスにさらされると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されたり、

細胞を変形させてしまう活性酸素が多量に生産されてしまいます。

活性酸素は細胞の膜から変形させていき、細胞の中に酸素や栄養、老廃物等の出入りの妨げを

起こさせてしまう事によって細胞質間の循環が悪くなってしまい劣化しやすくなります。

卵子の劣化にストレスは大敵です。

原因不明不妊の場合、治療を選択していくにしても、自然妊娠に進むにしても

不安や焦りも付きまといやすく、メンタルマネジメントも必要ですし、

カウンセリング等でメンタルケアを充分に行いながらすすめていくこともよいでしょう。

 

炎症反応にともなう不妊

妊娠反応というのは、免疫寛容を起こしながら自分以外の細胞を受け入れていく過程です。

そのため、妊娠には免疫というものも影響します。例えば過度に精子に対して攻撃してしまう場合

抗精子抗体を持ち合わせていたりもします。免疫バランスが整っていることも重要な要素になりますが

炎症反応を持ち合わせている場合、この免疫バランスが崩れやすく

着床しにくく不妊になりやすくなります。

免疫に異常を与えるような状況や常に慢性的に免疫活性がおきて炎症がおきるような

アレルギーや子宮内膜症などの慢性炎症がある場合は不妊になりやすくなりますね。

 

糖のとり過ぎ 糖化に伴う卵子の劣化

炭水化物をはじめ果物に含まれる果糖、お菓子やスイーツに含まれる砂糖など

糖質類が代謝の産物として作られるAGEという(Advanced Glycation End-products)

「終末糖化産物」は卵巣機能を低下させるといわれています。

糖にさらされた卵子は劣化しやすく老化もすすみます。

血糖値が高いほどAGEは作られてしまうため、血糖値が急激に高まらないよう、

野菜類をはじめとした食物繊維を多くとり、タンパク質や脂質など栄養素をバランスよくとるように

していきましょう。

 

運動不足による卵巣機能低下

運動が不足すると、筋力が低下したり代謝が低下します。それによって血流障害がおこりやすく

女性ホルモンの分泌は卵巣や子宮と脳とが連携しながらやり取りをする過程で調整されるのですが、

ホルモンのバランスが乱れやすく卵巣も機能低下を起こしやすくなります。

定期的に適度な運動習慣がある女性は運動習慣がない女性に比べて妊娠率が高いといわれています。

運動をすると血液循環がよくなる、すっきりしてストレスの発散にもなります。

健康度を高めるためにも必要な習慣となります。

 

睡眠不足による卵子の修復不足

不妊で悩む女性は精神的にもストレスを抱えていることが多く感情のコントロールが効かない、

寝ても疲れが取れない、夜中に目が覚める、寝つきが悪いといったこともおきていて、

質のたかい睡眠がとれずにいるケースも多々あります。

寝ている間に分泌される成長ホルモンやメラトニンといったホルモンによって

卵子は修復されているため、卵子の劣化を招かないよう修復できるようにしていきましょう。

 

原因不明不妊では精子も酸化ストレスにさらされていた

妊娠できない原因は男性側にもあり、男女とも不妊検査では異常がなかった場合でも、

トルコの研究(1)では、原因不明不妊の男性と子供がいる男性の精液の中でも、

精子DNAフラグメント、精子内活性酸素、精液中のMDA、NT、PC カルボニル化蛋白を

調べて比較したところ、原因不明不妊の場合は優位の差があり酸化ストレスマーカーが高く、

活性酸素濃度が高い傾向がみられました。

検査では異常がないと言っても、酸化ストレスにさらされた状態ではDNAがダメージを受けて

妊娠しにくくなってしまっているという事です。

抗酸化作用に気をつけていきたいですね。

 

原因不明不妊の場合の不妊治療

診察をする医者と女性

原因が不明の場合は受精障害がある場合には不妊治療も1つの選択肢として

子供を授かっていくための道となります。

原因不明不妊 体外受精

卵管采がうまく動いていない、癒着していてキャッチアップ障害があるという場合です。

キャッチアップ障害がある場合は自然妊娠をのぞむように取り組み続けるよりは、

受精できずにいる受精障害に対し適した治療を受けていくことが望ましいといえます。

その場合は、適した治療法は、体外受精や顕微授精になります。

原因不明不妊 人工授精

人工授精では、女性側では卵子が育ち排卵していて卵管を通過している状態でなければ

どれだけ人工授精を何度トライしてもやはり意味がないような治療になってしまいかねません。

クラミジアの感染既往、腹膜炎、子宮内膜症や開腹手術を受けた方は

人工授精よりは体外受精といった不妊治療を選択肢にしていくとよいのかもしれません。

ただ、原因がわからないと原因を探りながら様子を見ていきます。

不妊治療は原因を探りながらステップアップしていく場合かなり長期化しやすく、

身体的にも精神的にも経済的にも負担が大きく、ストレスなどから酸化ストレスでさらに

卵子は劣化してしまうリスクも持ち合わせるのかもしれません。

 

原因不明不妊 自然妊娠した

また、原因不明不妊であっても、過去に例え流産であっても、自然妊娠しているという場合は

キャッチアップ障害を疑うよりも、妊娠できない原因を卵子の質の低下と考え、

治療をせずとも自然妊娠していく可能性も十分にあるため、

卵巣機能を高めていくための取り組みに力を入れていきましょう。

 

原因不明不妊でも、治療をせずその後自然妊娠されている方もインターネット上のブログなどでは

報告されている方もいます。

 

原因不明不妊でもその後の自然妊娠の妊娠率

原因不明不妊の場合、1周期あたりの自然妊娠率は5%と低くなりますが、

年齢によっても違いますが、この確率は人工授精と大してかわりませんし、

40代の体外受精であっても同じような確率です。

 

ただ、自然妊娠における妊娠率は1年ほどでみると15%、2年でみると35%が妊娠していっています。

不妊治療は長期化するほど妊娠率は下がり、ある程度実施回数に限度を設けて臨んだ方が

いいのに対し、自然妊娠は取り組み続けることで成果がでてくるといえまし、

不妊治療程気負わなくていい分、身体的にも精神的にも経済的負担が軽い部分もあります。

 

原因不明不妊でも自然妊娠のためにすべきこと

自然妊娠しやすい生活習慣

自然妊娠していくには、原因不明不妊で考えられる、着床しにくくなっている部分の改善や

女性ホルモンのバランスを整え卵巣機能を高めていきま、

卵子細胞を劣化させないようにしていく取り組みを行いましょう。

食事・程度な運動・睡眠時間の確保・ストレスのケアは重点的に取り組んでいきましょう。

また、卵子だけでなく妊娠には精子の質の良さも重要です。

受精後の分割のよさにはやはり細胞同士の質の良さによる影響を受けるため、

卵子も精子もいい状態を作っていくことための取り組むを続ける事です。

自然妊娠しやすくセックスフルに

そんな取り組みの一つで、妊娠しやすくなるためには夫婦で愛のあるセックス習慣があることに

つきます。特に原因はなんだろう、どうして妊娠しないのだろうと妊活のことで頭がいっぱいになると

性欲も低下してセックスも義務的であったり行為になりがちで、

夫婦で大事なものだというとらえ方をいつの間にかしにくくなり、

女性は射精してもらいたい、タイミングに合わせてさえくれればいいといった考え方にも

偏ってしまいがちです。そんな行為に対して男性も性機能障害まで併発しやすくなるので、

セックスフル夫婦になる事も目指したいところとなります。

自然妊娠しやすく子宮内膜表面をきれいに

着床障害の1つに、子宮内膜の癒着などもあります。原因不明不妊の女性に子宮内膜症がある事も多く、

子宮内膜に起きている癒着部分をはがしたり、ポリープなどがある場合はとっておくことで

自然妊娠しやすくなることもあり、原因不明不妊であっても自然妊娠していくケースも多く、

1年以内に50%が自然妊娠したという報告もあるようです。

できる限りの子宮の状態をいい状態にするために医療の力を借りておくのもよいでしょう。

 

原因不明不妊でパートナーへの不満を募らせない

原因がわからない場合、この相手だから妊娠しないのかもといったことが頭を

よぎってしまう事もあるかもしれません。こんなパートナーだったらよかったのにと

相手への不満も募りやすくもなってしまうかもしれません。

不妊治療を選択した場合はさらに非協力的と感じられる夫に対し、

離婚まで考えてしまうもしくは、本当にこの人の子が欲しいのだろうかなど、

もんもんと考えてしまう事もあるかもしれません。

赤ちゃんは愛の結晶です。相手に対し不満を感じれば感じるほどストレス度も

高まるばかりでセックスそのものもうどうでもいい、精子さえあればいいという事になりかねません。

 

二人で向き合い、協力し合えるようにいたいですね。

そのためには、相手に求めすぎない、妊活ばかりで頭をいっぱいにさせない、

不安や焦りでイライラしたり落ち込みすぎないといったことも心がけていきたいですね。

 

参考サイト

加藤レディースクリニック 不妊治療の基礎知識https://www.towako-kato.com/infertility/basic.html

なぜ妊娠できない?原因不明の不妊  不妊治療・婦人科 小塙医院 http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20170513/2441.html

原因不明不妊で妊活4年目人工授精→体外受精→自然妊娠https://ameblo.jp/yuki-moo/

不妊の最大要因、原因不明の「女性の機能性不妊」http://www.hopefor-baby.com/cause/functional-sterility.html

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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