不妊症はビタミンD不足のせい?妊娠したい人のための栄養素

不妊症はビタミンD不足のせい?妊娠したい人のための栄養素

食事女性

妊娠しやすさに関わる栄養素ビタミンDについてです

 

ビタミンDについて

ビタミンの一種です。ビタミンと言われていますが、脂溶性のホルモンです。

骨やカルシウムの調整にかかわる重要な栄養素です。

しかし、骨やカルシウムが妊娠に関係しそうもないと思って

スルーしてしまうことはとてももったいないことです。

そのビタミンDが不妊と関係があるので、見ていきましょう。

近年、ビタミンDと不妊との関係について注目されています。

 

ビタミンDと妊娠しやすさとの関係

ビタミンDと不妊との関係!! 例えば、

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性はビタミンD濃度が低い

PCOSによる排卵障害の女性はビタミンD補充によって排卵率が上がるということです。

PCOSでなく排卵障害がない女性であってもビタミンDが充分に足りていれば

妊娠しやすさに関係があるといえるでしょう。

PCOSまでに至らなくても、低温期が短い、中々排卵にいたらない、

排卵しても質が悪いなど、排卵障害で悩む方も少なくありません。

また、卵胞液中のビタミンD濃度が高い女性ほど体外受精の妊娠率が高い。

卵胞液中のビタミンD濃度は卵子の質に大きく影響を及ぼします。

そして、30歳以上ではビタミンD濃度が高い女性ほどAMHが高いというデータもあります。

ビタミンD濃度が高い女性は、子宮筋腫になりにくいなど、

妊娠に関係する卵子や卵巣・子宮にも関わってくることがわかります。

 

また、それは女性のみにとどまりません。

ビタミンD濃度が高い男性ほど精子の質が高くなります。

男性も女性も生殖能力を高めるためにはビタミンDの濃度が高いことは大切だといえます。

 

ビタミンD濃度と受精率との関係

ビタミンD濃度が高い郡は妊娠率が高いという研究は多々あります。

848人の患者を対象にした横断研究では、血清と採卵時に卵胞液中の25OH-vitaminD濃度を測定し、

その後のART成績を比較すると、卵胞液中の25OH-vitaminD濃度は血清中濃度より高く

どちらもよく相関した関係にありました。

そして、25OH-vitaminD濃度が最も高い群では受精率が最もよかったのです。 

さらに、この濃度は、中央値は15.25 ng/ml.であり、ビタミンD濃度は季節によって変動することも

わかりました。秋が最も高く、春が最も低いという傾向で、日照時間と卵子への影響が考えられます。

 

ビタミンD濃度と妊娠率との関係

173名を対象にした研究(1)では対象になった女性の54.9%が25(OH)Dレベルが不十分で、

45.1%が十分なレベルでした。ビタミンD濃度が十分なレベルな女性は、

IVFサイクルあたりの臨床妊娠率が有意に高かった(52.5%)でした。

不十分なレベルを持つ女性と比較して (34.7%)。

移植率も十分な25(OH)D群では高かったが、結果は統計的に有意ではなかったようです。

ビタミンD濃度が妊娠率の高さに関係があるという事です。

 

そんなビタミンDとは?

ビタミンD2 (エルゴカルシフェロール) とD3 (コレカルシフェロール) の総称です。

太陽からの紫外線にあたる事によって、

ビタミンD2は植物に存在するエルゴステロールから生成され、、

ビタミンD3は動物に存在する7-デヒドロコレステロール (7-DHC) から生成されます 。

ビタミンDは、カルシウムやリンなどのミネラルの代謝や恒常性の維持、

骨の代謝に関係しています。

また、筋肉量の低い人に不足している事が多く、

摂取量を増やすと、筋肉量が改善しやすいとされています。

ビタミンDをしっかり取って、さらに太陽の光に当たることで、

生成されるので、昼間、太陽光を浴びて妊娠体質を作る事が大切なのでしょう。

 

ビタミンDは不妊体質の改善に

不妊の原因にあまり取り上げられることはないのですが、

ビタミンDと脳はとても深くかかわっているのです。

その脳は、妊娠や体にも大きく関係してきます。

人体の総合司令塔である脳がうまく機能しなければ、細胞の再生・修復はもちろん、

免疫力も下がりますし、ホルモンバランスも整いません。

脳が元気でないと、大事な生殖機能も本来の働きができないのです。

そして、神経伝達物質の生成や神経の成長への刺激に関わる酵素の調整を助けるのに

ビタミンDが重要になってくるのです。

不妊にはストレスは大敵となる事はご存知でしょうが、

ストレス対処を高め、気分を向上させ、イキイキと活力があふれてくるには、

脳内ホルモンであるドーパミン、エピネフリン、ノルエピネフリンなどの生成が

必要になってきます。このホルモン生成に関わるのもビタミンDです。

ビタミンDは、骨の健康と結び付けられていますが、本当はもっと、もっと広義の役割があります。

そして、ビタミンDには、抗酸化作用も抗炎症作用もあるのです。

抗酸化作用は細胞がさびないようにする効果です。

質のいい卵子や精子が健康で元気な赤ちゃんを妊娠するには欠かせませんね。

 

ビタミンDの補給は?

ビタミンDは体内で作り出すことができます。

その際に、大切なのが、日光に当たるという事です。

ビタミンDは、1日に30分程度 日光に当たっていれば不足することはありません。

ただし、ポイントとして、UVケア紫外線防止しないことが条件につきます。

 

日本人女性の半数以上はビタミンDが不足しているとの調査報告があるくらいです。

それは、日焼け止めの使用などによって紫外線を避けるライフスタイルの影響が大きいのではないでしょうか。

 

お肌のためと思ってしていたことはかえって不妊体質を作ってしまうという事です。

お肌を気にしてUV対策しないなんて考えられないから、

その栄養を別のサプリから摂取しようと考える方もいらっしゃるかと思いますが、

太陽光に浴びておくメリットはこの栄養素だけにとどまらないという事です。

 

 

子だくさんだったちょっと前の時代、40代でも妊娠・出産率がいまよりも5倍も

高かった時代は、やはりお外での仕事生活も多かったわけです。

自然から受けている恩恵はビタミンDだけに限りませんので、

安心して、ぽっかぽかのお日さまの光を浴びて、ぽっかぽか妊活をしていってくださいね。

 

参考文献

Liu X, et al., Effect of vitamin D status on normal fertilization rate following in vitro fertilization.

Reprod Biol Endocrinol. 2019 Jul 18;17(1):59.

 

Effect of vitamin D status on clinical pregnancy rates following in vitro fertilization

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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