50代で妊娠は可能?妊娠確率・高齢妊娠について

50代で妊娠は可能?妊娠確率・高齢妊娠について

こどもが欲しい!この望みだけは叶えたい。そう思うとき、

何歳になっても妊娠したいとおもうでしょう。そんな子供が欲しいと思う女性は必見です。

50代で妊娠は可能なのか、妊娠確率、50代で妊娠出産していくリスク

などについてご紹介していきます。

 

50歳代で妊娠はできるの?

50歳でも妊娠は可能でしょうか?

もちろん、閉経前でしたら妊娠の可能性はゼロではありません。

実際に50歳前後の人工妊娠中絶の報告件数は横ばいであり、妊娠されています。

 

妊娠を希望されていた場合で、自然妊娠した日本の最高齢は46歳といわれています。

ただ、50歳を過ぎても体外受精で赤ちゃんを授かっている方もいます。

ただ、その場合、卵子提供を受けられる海外での体外受精が考えられます。

 

芸能界でも高齢出産されている方がたくさんいらっさいます。

戸川昌子は46歳で、兵藤ゆきは44歳、山下久美子は41歳、

財前直見は40歳、松嶋尚美43歳、永作博美41歳、での出産だったようです。

野田聖子議員がアメリカで卵子提供を受けて50歳で出産しています。

坂上みきは53歳で6年間の不妊治療の末、体外受精で出産しています。

 

自然妊娠にしても、体外受精にしても、

50歳で妊娠することは可能であり、ゼロではないという点があります。

ただ、可能性があるといっても、決して高い確率ではありません。

50歳での妊娠確率についてみていきましょう。

 

50代の妊娠できる確率とは?

妊婦

日本の国内でも体外受精をうける方の数は増加傾向にあります。

しかし、年齢によって妊娠率は全く違い、

さらに妊娠して出産までたどり着ける確率は、さらに低いものとなります。

体外受精で妊娠まで至る年齢の壁は、38歳にひとつのピークがあります。

その後、42歳を超えると急激に下がり、確率でいうと2%程度の人しか妊娠することができません。

出生率になると、もっと低く0に近いことがうかがえます。

 

50代でのデータから見る1年間での妊娠確率

The Fertility Sourcebook by M.Sara Rosenthalでの報告では

1年間の妊娠率を年齢別にみていくと以下のようになり、1年間では

50歳以上は妊娠できていないことがうかがえます。

20〜24歳    88%
25〜29歳    78%
30〜34歳    63%
35〜39歳    52%
40〜44歳    36%
45〜49歳     5%
50歳〜      0%

 

特に問題がなかったとしても、50代では妊娠までに1年以上はかかる事、

また妊娠しにくいことがうかがえはします。

 

50代ではどれくらい妊娠までに期間がかかるの?

女性の年齢によって妊娠までにかかる期間がどれくらいだったのかを調査しています。

生殖医療のすべて 堤 治著によると、妊活を始めて妊娠するまでに要した期間を

以下のように示しています。年齢別妊娠までに要した周期数では、

子作りを意識してから妊娠までにどれくらいの周期数がかかったのかを年齢別にみると

妊娠までに要した周期

〜24歳     3.3周期
25歳〜     5.3周期
30歳〜     7.3周期
35歳〜    12.5周期
40歳〜    15.4周期

 

となり、50代では16周期以上もっともっと長い期間を要することが容易に予測できます。

また、男性の年齢だけでも高齢化すれば女性の年齢に関わらず妊娠までにかかる期間は

遅延することが報告されており、

 

不妊治療体外受精 50代の妊娠確率は?

つまり,日本で50代での体外受精による妊娠確率はほぼゼロに近くなります。

しかし、海外で卵子提供を受けた場合はまた違います。

ただ、42歳以上を過ぎた場合、卵子提供をうけたとしても、

妊娠まで至るのは9%に過ぎず、流産率が高まります。

40代の妊娠でも流産率は40%~50%ほどです。

さらに妊娠しても流産や先天異常、

その他の合併症など高いリスクに超高齢妊婦は直面し、ハッピーな出産にたどり着けるケースは少ないといえます。

 

ただ、それでも確率としてはもちろんゼロではありません。

可能性や確率だけにとらわれず、ご自身が、パートナーとどうしていきたいのか、

よく話会いながら、不妊治療や妊活を進めていくことが本当に大切だといえます。

 

50代体外受精で授かるには卵子提供を視野に?

妊娠には、卵子の質がポイントと言われ、体外受精を受ける際に海外では卵子提供を

受けて体外受精をおこなっています。

ただ、日本では、卵子提供を受けられない状況ではありますが、

不妊治療を続けるよりは、治療成績が高まるものです。

SART(生殖補助医療学会)のデータから、卵子提供を受けた女性の年齢が45歳以上になると
体外受精の治療成績が低下することが報告されています。

アメリカのSART(生殖補助医療学会)による全米の2008年から2010年の卵子提供による

新鮮胚移植27,959周期の体外受精の治療成績を、

卵子提供を受けた女性の年齢別(34歳以下、35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳、50歳以上)

で比較しています。その結果では、卵子提供を受けた女性の年齢が44歳までは

妊娠率や出産率にそれほど違いはないものの、45歳を超えると低下することがわかりました。

そのため、卵子提供を受けての体外受精であっても50歳以降は低下します。

50歳以上の場合は40歳から44歳までの女性を基準とした場合、出産率が25%低下したとのことです。

 

50代の妊娠確率、実際に出産数は昔と比べるとどうなの?

妊娠は望んではいなくても、避妊したり、排卵日を考慮しない場合にも関わらず

妊娠した人がいて、出産できないために、人工妊娠中絶が後を絶たないところを見ると、

50歳前後でも子供を授かる事は可能だといえます。

 

実際に今よりも90年前で医学も、不妊治療もないときでさえ、

もっと高齢の出産件数が多かった統計があります。

1925年、大正末期には、40歳から45歳の女性が約12万人、45歳以上で約2万人の

赤ちゃんを出産しています。その年の総出生児数は約200万人にも上ります。

100人に1人の赤ちゃんの母親が45歳以上なのですから驚きます。

卵子が老化するのは、昔も今も変わらない点です。

老化度合いを遅らせる生活をするのかどうかという点もありますが、

避妊しない性生活の回数の多さという点も見逃せないでしょう。

性生活の回数は、多ければ多いほど妊娠率が高まるという医学的な報告があります。

 

40代後半から50代でも本気で妊娠を考えるのでしたら、

不妊治療よりは、自然に授かるように、不妊に影響する心や体を整えたり、

夫婦の性生活を見直すという事こそが、妊娠に近づくといえますね。

 

50代での超高齢出産のリスク

超高齢出産の場合は、妊娠できたとしても

かなりのリスクが付きまとうという事がいえます。

50代での高齢出産に伴うリスクをみていきましょう。

 

【先天異常・ダウン症】

35歳以上になると、先天異常の発症率が高くなります。

ある調査では25~29歳で1.88%、35~39歳では2.02%、40歳以上では2.38%の確率です。

特に、加齢が影響しやすいのは、先天異常の中でも染色体異常(ダウン症など)です。

 

 

【妊娠高血圧症候群】

高齢出産には“妊娠高血圧症候群”というリスクもあります。

妊娠高血圧症候群は、むくみ、蛋白尿、高血圧などいずれか1つの症状が出現したものです。

中でも高血圧には特に注意が必要です。

高齢出産の場合、高血圧になる可能性は20代の1.8倍とされています。

加齢による内臓機能の低下、さらに妊娠という生体の変化・体重の変化などが起こるのですから、

妊娠高血圧症候群が増えてしまいます。

妊娠高血圧症候群を防ぐには、早期発見および食事・栄養指導や体重管理が大切です。

 

 

【常位胎盤早期剥離の発生率が高まる】

常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんとママとをつなぐ胎盤が、

妊娠中に子宮からはがれてしまうことです。

発生率は、妊婦全体の1%程度と低いものの、母子の命にもかかわります。

判明した場合には緊急に帝王切開などの処置が行われます。

常位胎盤早期剥離は、

事故などで腹部へ強い衝撃が加わったときに起こることもありますが、

妊娠高血圧症候群や子宮筋腫なども一因となります。

 

 

【帝王切開】

妊娠の経過や分娩の経過に合わせて必要に応じて帝王切開になります。

正常分娩で出産できることは、母子ともにメリット大きいのですが、

高齢でかつ初産の場合、産道や子宮口が硬いために、

難産になりやすいといわれています。

年齢が高いと、お産に耐えられる体力も低下するので、

帝王切開になる確率が高くなります。

危険が伴う場合は、帝王切開に切り替わります。

 

 

【産後の回復が悪い】

年齢が上がるとともに、難産のリスクは高まります。

また、一般的には、年齢が上がると体力も落ちるので、

高齢出産では、産後の回復が遅い傾向にあります。

産後のホルモンバランスの変化や体調の戻りが子育てにも大きく影響してきます。

 

50代の妊娠の確率 産婦人科医師の見解とは?

更年期、閉経前5年くらいから閉経したかも?と思われるくらいの際の妊娠の確率は

低く、稀なケースという事がアンケートで8割の医師が答えていますが、

高くはないけれど子供ができるケースもあり絶対にありえないわけではないことがわかります。

また子供ができたケースの中には胞状奇胎のような異常な妊娠という場合もあり

全てが順調にいくばかりでもなさそうではあります。

しかし、閉経と妊娠とを間違えるというケースもあると答えた医師が4割にも上り、

高齢で子供をさずかるという事も起こっていることがうかがえます。

実際に私のクライアントさんでも、閉経してしまったかもと思われてみてもらったら

妊娠をしていたというケースもあるため、高齢だからとか、40代50代だからと言って

赤ちゃんができないわけでもありません。

ただ確率としては下がってしまうのはやはり男性も女性も

生殖には年齢が影響してくる部分がどうしてもあるからですね。

でもでも、本当に50代では妊娠しないのでしょうか?できないのでしょうか?

 

50代子供を授かる実際のケースは自然妊娠

多くの症例を見てくると、実際には40代でも50代でも妊娠し出産しているケースもあります。

しかも、40代50代での妊娠には自然妊娠というキーワードが浮かび上がってきます。

不妊で悩み、不妊治療をしていた頃は中々妊娠できずにいたけれど、治療を止め

妊娠を諦めた時にふっと授かるといったケースはあり、

子どもを授かるのには、精神的にストレスが減りプレッシャーや気負いがないこと、

夫婦で妊娠を望まないけれど避妊せず性生活を持つことの重要性がうかがえます。

50代の自然妊妊娠の事例として、2003年に現在リプロダクションクリニック大阪院長 松林秀彦医師が

論文にて発表した中には、採卵さえできなくなり、移植も不可能になり治療を諦めた後に

自然妊娠し無事出産しているケースがあります。そこにおいて示されていることは、

治療は万能でもなく、治療をやめることは妊娠を諦めることでもなく

夫婦で支え合い、協力し合う姿勢や、心穏やかに過ごせることの重要性があります。

 

50代は子供ができても出産しないケースも・・・

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引用 厚生労働省 人工妊娠中絶件数の年次推移

平成29年度 人工妊娠中絶数 厚労省統計「衛生行政報告例」

 

意外なことに、熟年カップルの妊娠中絶は少なくないようです。

2011年の厚生労働省の報告によれば、人工妊娠中絶件数は

10~30代では近年大幅な減少傾向にあるのに対し、40~50代はそれほど減少していない。

中絶を行う理由としては、様々にあるでしょう。

 

お医者様は、「皆さんご存知ないみたいですが、40代50代の妊娠中絶、すごく多いんですよ。

寂しいことですが・・。」と話をすることもあるようです。

 

ただ、一つ言えることは、高齢でも50代でも自然妊娠はしているという事実です。

 

50代でも妊娠しやすく心がけておくべきポイント

女性お腹にハート

意識しすぎず心をリラックス

精神的にかかるプレッシャーやストレスが妊娠を遠ざけてしまいます。

また卵子の劣化や老化にも関係するのがストレスです。

心穏やかに過ごせることが重要なため、子どもができない、いない事に

落胆したり、1周期ごと一喜一憂しているのは望ましくありません。

また、40代50代は流産率が高く、妊娠できても流産に悩まされてもいます。

傷ついている心をそのままにせず50代での妊活は心のケアもしておいてあげましょう。

 

出産・子育てには体力も必要

年齢とともに性生活も体力的におっくう、とか疲れるから嫌という声も聞かれます。

しかし、妊娠、出産、子育てはもっともっと体力がいる事ばかりです。

産むためにも必要ですし、出産後は24時間365日、ずっと赤ちゃんのお世話をするという

ことがついてきます。協力しながらといってもやはり母親として体力がない事には

どうしようもない部分もあります。50代でも適度な運動は毎日取り組むようにしましょう。

適度な運動とは、1日15分から20分程の運動習慣です。

 

卵子の質は睡眠とも関係があり

睡眠時間を7~8時間ほどは確保し、規則正しい睡眠を心がけたいですね。

また考え事が多いのも寝つきが悪い、夜中に目が覚めるといった睡眠の質の低下にも

繋がります。睡眠ホルモンといわれるオキシトシン濃度が高い女性は卵巣に残される

卵子の数や質の良さが示唆されているため、50代では睡眠を大事にしていきましょう。

 

バランスの取れた食事で栄養を補給

ホルモンの分泌量も低下してくる50代は特にタンパク質をしっかり補い

体力も回復させておきましょう。女性ホルモンの素となるのはタンパク質で

特に魚や肉、大豆、卵などからレパートリーを豊富にし栄養のバランスの良さも

心がけていきましょう。細胞が活性化するには、まんべんなく栄養が補給できている事です。

質の良い油、オメガ3脂肪酸などを多く含むオリーブオイルを使用したり、野菜や果物も

旬のものをたっぷり心がけて50代では食事にも気をつけていきましょう。

 

まとめ

50代といった高齢妊娠は可能です。ただ、確率としては、どうしても30代40代と比べると低下

してしまう点はあります。ただ、自然妊娠の場合は、累積妊娠率が高くなるというのも、

特徴です。不妊治療は長ければ長いほど、妊娠率は下がってしまうのですが、

夫婦で支え合い、協力し合う姿勢と、夫婦で愛し合うことはやはり赤ちゃんにつながりやすい

ことがうかがえます。妊娠しやすいよう心身ともに健康的で健やかに過ごせるように

生活を見直して夫婦の性生活を大切に楽しんんでいましょう。

ただ、出産までを見通せばリスクは50代では高めとなるということです。

 

 

参考文献

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログhttps://ameblo.jp/matsubooon/entry-11831273247.html

高齢出産VOICE 話題の詳細 https://www.babycom.gr.jp/voices/kourei/detail_topic.php?topic_id=8018

【医療監修】子作りに適した年齢とタイミングは?妊娠しやすい回数と生活改善 /mamari  https://mamari.jp/4685

排卵日以外のSEXが妊娠の可能性を高める  https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/blog/treatment/1402/

排卵日付近で妊娠確率が高いタイミングはいつ?仲良しの回数は?夫と時間があわないときの解決法   https://mamanoko.jp/articles/28194

知っておいて!妊娠しやすいセックスの頻度 https://news.mynavi.jp/article/20180901-687410/ まいなびニュース

妊娠しやすいタイミングの回数(妊活性行為の回数)https://www.kusuri-ueda.jp/blog/cat0/entry-4041.html

中央クリニック「患者さんからのQ&A」https://www.centralclinic.or.jp/qa/

みやぎしレディースクリニック「当クリニックの不妊治療」http://miyagishi-lc.com/infertility.html

閉経後も妊娠の可能性はあるの??産婦人科医130名に聞いてみました /イシコメhttps://ishicome.medpeer.jp/entry/1051

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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