男性妊活のカギ 酸化と炎症に対抗しよう

男性妊活のカギ 酸化と炎症に対抗しよう

男性 悩む

男性不妊も世界的に増えていると言います。世界中でみても、

約1億6600万人の不妊患者がいて、そのその半分以上が男性不妊症の症例

だと言います。(1)妊娠できないのは女性側という事ではなく、

半分以上が男性も関与していて、妊活に男性も取り組む必要性が

ありますね。そんな中、男性不妊の原因となる部分について

病気とかではなく、酸化ストレスや炎症が精子の質を下げて

しまっているといわれるようになっています。

 

男性不妊の原因に酸化と炎症

不妊の原因としてあまり聞きなれないかもしれませんね。

病院などで検査して診断がつき、乏精子症とか、無精子症とかそういった

病気によって不妊にもなるのですが、そういった病気とは別に

検査ではわからない原因不明不妊もあります。ただ、妊娠しにくい精子の質に

は共通点があり、それが酸化ストレス(2)(3)と炎症反応(4)です。

それによって精子のDNA損傷ダメージ(5)が大きいと妊娠しにくくなってしまいます。

 

酸化と炎症を抑える妊活で改善

例えば、適度な運動をすることによって抗酸化作用と抗炎症作用が

を得られます。それによって男性の精子の質は改善し、運動は

男性の妊活に有効だといわれています。最近では、男性の酸化ストレスに

対して、新しいガイドライン運動などを含む食事など酸化ストレス

を防ぐエビデンスにもとづいたライフスタイルをおくる事の重要性が

示されるようになりました。(3)

 

酸化によって妊娠しにくくなる

酸化ストレスによって男性不妊の原因になるという証拠は多々あります。

ただ、活性酸素というのは、精子細胞ミトコンドリア内の

アデノシン三リン酸産生、活動するためのエネルギーを生み出すと

どうしても発生するものです。これ自体は通常の事ですし、逆に

無くてはいけないものでもあります。少量の活性酸素のお陰で

受精する時の先体反応などの精子形成および受精の前に様々な生殖に

必要な細胞の生理機能を果たすためにも必要とされています。(6

ただ、過剰だと問題という事になります。

酸化ストレスが抗酸化物質を上回り2つの相反する力の関係が崩れると、

いくつかの経路で不妊につながっていきます。(7

卵を受精して健康な胚をつくる生成するために、精子の電位に影響して

精子膜及びDNA損傷を引き起こすしてしまいます。また、子どもの

病気のリスクを高める可能性のある、精子における遺伝的な影響を及ぼしもします。

 

精子が酸化しているかを正確に調べられない

では、男性はご自分の精子が酸化してしまっているレベルがどうなのか

という事を調べたくもなりますよね。でも、ここにおいて、

正確に調べるという事が難しいとされています。精液の活性酸素の状態は

見落とせないにもかかわらず、現在のところ、臨床環境で精液活性酸素を

測定するための好ましい方法や、この状態を定義するための診断用語に

関するコンセンサスは存在していません。

だからこそ、今できる抗酸化対策をしていくことで効果的な妊活としていく

しかありません。いくつかの疫学研究にでは、不妊を訴える約5,600万人の

男性に存在する可能性があり、その3分の2はMOSI(酸化していることで不妊)

ではといわれています。(8

 

酸化に対して抗酸化サプリ連発はよくない

こうなってくると抗酸化に力を入れ込めばいいのでは?となりますが、

手っ取り早くというとサプリがありますよね。いくつかの抗酸化サプリは

抗酸化作用を発揮します。しかし、やはり妊娠においては適度な

酸化は必要で、バランスが崩れてしまうと、

かえって不妊リスクを高めてしまうと言います。(9)これは大変な事。

 

妊活では基本的なライフスタイルの改善を

今後、ガイドラインができて、不妊治療などで抗生物質や抗炎症剤の使用なども

でてくるでしょう。ただ、今できる事として、妊活ではライフスタイルの

改善に取り組みましょう。

エビデンスに基づいたガイドラインは、ライフスタイルを改善して変更

していきましょう。主に、食事の改善、禁煙、運動、ダイエット、

アルコール消費、放射線、化学物質、添加物などです。

臨床的に関連する精索静脈瘤の治療、男性副腺感染症(MAGI)の治療など、

精液活性酸素の他の原因を最適に管理する方法などアンテナを張って

妊活をしていきましょう。

また、MOSIに関連する他の炎症性の病気などにも対処していいきましょう。

 

不妊治療だけでなく、ライフスタイルの改善は妊活では重要です。

男性も女性も、抗酸化、抗炎症対策をしていきましょう。

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参考文献

(1) 2015 Jul-Aug;21(4):411-26. doi: 10.1093/humupd/dmv016. Epub 2015 Mar 22.Infertility around the globe: new thinking on gender, reproductive technologies and global movements in the 21st century.

(2) 2008 May-Jun;14(3):243-58. doi: 10.1093/humupd/dmn004. Epub 2008 Feb 14.Oxidative stress and male infertility–a clinical perspective.

(3) 2019 Sep;37(3):296-312. doi: 10.5534/wjmh.190055. Epub 2019 May 28.Male Oxidative Stress Infertility (MOSI): Proposed Terminology and Clinical Practice Guidelines for Management of Idiopathic Male Infertility.

(4) 2009 Nov;62(5):275-82. doi: 10.1111/j.1600-0897.2009.00736.x.The role of cytokine expression in different subgroups of subfertile men.

(5) 2013 Nov;100(1):76-85.In vitro reconstruction of inflammatory reaction in human semen: effect on sperm DNA fragmentation.

(6) 2015 Apr;32(4):509-20. doi: 10.1007/s10815-014-0425-7. Epub 2015 Feb 3.Contemporary evidence on the physiological role of reactive oxygen species in human sperm function.

(7) 2013 Nov;100(1):76-85.In vitro reconstruction of inflammatory reaction in human semen: effect on sperm DNA fragmentation.

(8)How common is male infertility, and what are its causes?

(9) 2017 Oct 5;18(10). pii: E2098. doi: 10.3390/ijms18102098.Reductive Stress in Inflammation-Associated Diseases and the Pro-Oxidant Effect of Antioxidant Agents.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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