精液濃度(精子濃度)少なくても妊娠しやすくなるための5つの習慣

精液濃度(精子濃度)少なくても妊娠しやすくなるための5つの習慣

精子の数、精液の濃度などは年齢とともに減ってしまい、

それが妊娠しにくさの原因にもなっていきます。ただ精子への影響は年齢だけでなく、

アルコールや喫煙、肥満、食事、活動性といった生活習慣から、

精神的な不安やプレッシャーなどの影響も受けるものです。

 

精子濃度が薄いことが不妊の原因に

精液は年齢とともに減る傾向はあるため、妊娠しにくくなってしまうという事もあります。

不妊で悩みだし、不妊治療を開始したり、タイミングを気にすることでも、

男性はプレッシャーも感じやすく、性生活への影響もでてくるので、

SEXそのもの負担感を感じやすくなってしまっているご夫婦はすくなくありません。

子作りのための夫婦のコミュニケーションとなってしまうことで、愛情を感じあったりというよりは

ストレスになってしまったり面白くないとなってしまうのもよくはないですね。

 

喫煙やアルコール、肥満など生活習慣が影響して精子の質を悪くさせている事は有名ですよね。

イタリアの研究からは、男性も精神状態や人間関係がきっかけで、精液所見の悪化と関連する事を示しています。(1

心理状態、活動性、アルコール、タバコ、精液所見(精液量、精子数、運動率、DNAフラグメント)

を調査していて、心理状態については、STAI(State-Trait Anxiety Inventory)質問票を用い、

仕事•家庭での活動性はWSAS(Work and Social Adjustment Scale)質問票を用いています。

生活因子として、アルコールは精子数と運動率の低下、タバコは奇形率の増加、年齢は精液量の減少と関連しました。

心理因子としては、体外受精群も対照群も、「状態不安」と「特性不安」のいずれも、

全ての項目で精液所見の悪化と関連していました。

精神的に不安がある場合は、精子の質が悪化してしまうという事です。

 

また、それと同様に、仕事の活動性低下、家庭での活動性低下、人間関係の悪化のいずれも、

全ての項目で精液所見の悪化と関連していたのです。

 

人間関係による影響や、心理的に抱える不安は精子の質の悪化と関連しているため、

夫婦間の関り方やプレッシャーをかける事は出来るだけ避けたいところになっていきますね。

ストレスがさらに精液・精子濃度を減らしてしまう原因となってしまいます。

病院で治療できる病気が潜んでいる可能性も

精液が少ないといった場合、病気が潜んでいる可能性もあります。

例えば、精巣静脈瘤があります。

精索静脈瘤とは、腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流することによって

陰嚢上部での蔓(つる)状静脈叢が怒張・うっ血している状態をいいます。

精索静脈瘤は 男性不妊症患者の約40%と言われています。

手術適応のケースもありますので、悩まれているようでしたら、

一度は泌尿器科などで検査をしてもらう事も大切です。

 

男性不妊の9割以上を占めるのが、精子をつくる機能に問題のある造精機能障害ですが、

その大半は医学的には、原因がわからないでいます

 

乏精子症とは

造精機能の障害によって、射出された精液中の精子濃度が低い状態です。

夫婦生活による自然妊娠が難しいと考えられています。

精子濃度1mLあたり1500万個以上とされていますが

精子については検査結果の変動が激しいので一喜一憂せずに、

精子の質を高めてる生活を心掛けていくことも大切ですね。

 

近年では世界的にも精子の数が減っているという事が言われていて特に先進国で顕著で、

ライフスタイルの影響の多さも関係しているようです。

数100万個/mLの精子濃度でも自然妊娠されるケースもあります。

また、逆にどれだけ不妊治療をしてもなかなか妊娠できないケースとして精子のDNA損傷レベルの

高さという事もいわれています。通常の精液検査の結果の精子の数だけでは、

妊娠しやすいのかどうかという判断はできないといわれ、細胞のDNA損傷レベルを

改善する取り組みの重要性も感じられます。(2)(3)

 

体調によっても大きく変化する精液量

その日の体調によっても大きく変化するのが精液量です。

量が多い、少ないばかりを気にすることはあまりなく、

精子の運動率・数などといった質にかかわる部分を高める習慣がとても大切です。

日々のライフスタイルを改善させたり、夫婦関係をよく、お互いにとって支え合いになるような

コミュニケーションを心がけていくことも大切でしょうし、

精神的にも良好な状態を保てるようにしていきたいですね。

 

男性ホルモンの減少でも精液減少に

男性の射精には脳もホルモンも大きくかかわります。

そのためには、男性らしさを司るテストステロンというホルモンバランスを整えて、

精子の質を高める習慣を取り入れていきましょう。

近年では、西洋男性の精子が毎年1.4%ずつ減少して過去38年ではおよそ半減してしまったという事です。(4)

しかし、アフリカや南アメリカではこういった現象が確認されておらず、

その原因もこれというものがはっきりと特定できているわけではありません。

肥満やタバコ、化学物質など様々な原因が考えられますが、精子の減少は不妊にも影響しますし、

テストステロンの減少にも関係があります。そのため、テストステロン値を正常に保てるよう

気をつけた生活をおくりましょう。

 

習慣1 ホルモンのもと、タンパク質を食べる

生殖に関わるホルモンはタンパク質から作られています。

なので、そのもととなるタンパク質が不足してしまっては質の高い精子は作られなくなってしまいます。

卵はとってもアミノ酸のバランスも良いのでお勧めですし、魚や豆類などもたっぷり取るようにしていきましょう。

タンパク質をしっかり補う事はもちろんですが、野菜や果物などからも

バランスよく栄養を取っていくことはとても大切です。

基本は地中海式の食事療法を心がけていきましょう。

 

習慣2 ストレスをためない

男性ホルモンであるテストステロンは非常にストレスに弱いホルモンです。

仕事上のストレスももちろんそうですが、妊活におけるプレッシャーも

義務感から強いストレスになっている可能性もあります。

ストレスに対してよい対処ができるように有効な対策から行っていきましょう。

 

習慣3 睡眠時間はしっかり保って、快眠習慣

寝る時間によってホルモンの分泌に影響が出ます。

ストレスや不摂生から睡眠不足によって、質の悪い睡眠、浅い眠りによって

睡眠の恩恵にあずかれずに、精子の質を劣化させてしまっている可能性があります。

夜の10時から夜中2時はのゴールデンタイムはしっかり眠って、成長ホルモンを出して、

細胞を修復させたり、自律神経のバランスも整えるように

して精子の質を高めていきましょう。

男性の場合は7時間~8時間は睡眠時間を確保したいところです。また、

スマホやタブレットなどの使用は睡眠の質を下げてしまうため、寝る前の使用は控えたりも

心がけてみましょう。

 

習慣4 禁煙

精子の量を増やすためには、身体にストレスをかけないことが大切です。

煙草は、人体にとって有害物質がたくさん含まれており、

その影響は孫にまで影響すると言われています。

活性酸素を生み出し、血の巡りを悪くするたばこは精子にもよくないといわれています。

煙草の成分により、精子の運動機能が低下していまうだけでなく

精子の形成にも異常を及ぼします。

 

習慣5 夫婦のコミュニケーションにロマンスを

妊娠のためには、排卵という事がとても大事だとされているかと思います。

卵子には寿命があって、とにかくタイミングこそ合わせないとと思って

基礎体温表と、排卵検査薬などを重要視してチェックしているかもしれません。

でも、そんなタイミング重視こそ、男性の生殖には悪影響が出てしまっています。

男性不妊の原因にもなる射精障害や勃起障害。これらは不妊治療を受ける男性の5人に1人が

抱えている問題でもあります。

男性不妊症外来において勃起障害や射精障害(無精液症/精液減少症・逆行性射精)を訴える症例はすくなくなく、

平成10年に行われた旧厚生省厚生科学研究白井将文班によって行われた

初の男性不妊症実態調査にによると、男性不妊症829例中勃起障害は172例(20.7%)を占め

5人に1人ということになりなり男性不妊の原因として重要な位置を占めると報告されています。

こういった射精障害や勃起障害にもストレスやプレッシャーが影響していて、

不妊ストレスがかなり良くないのです。

タイミング合わせよりは、性生活は回数の方が重要なので、あまり強くこだわり過ぎないでいきましょう。

 

男性不妊 精子の質が低下しやすい人の習慣と特徴

 

まとめ

妊活中は、今までのライフスタイルを変えていくことが主な取り組みになるため、

急激な目に見えるような進歩や成果が見えにくくなってしまうかもしれません。

習慣を変えるという事はとても難しく不快感を伴うため、そんななかなか変われない部分を

変えていくには目標達成のための、心理テクニックなどを有効活用してみてください。

きっと妊活の手助けになりますよ!

 

参考文献

(2)Fertil Steril 2019; 112: 483 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.04.029

(3)Fertil Steril 2019; 112: 466  doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.05.016

(4) 2017 Nov 1;23(6):646-659. doi: 10.1093/humupd/dmx022.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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