妊娠しやすい体とは?基礎体温表グラフ11のチェックポイント

妊娠しやすい体とは?基礎体温表グラフ11のチェックポイント

基礎体温計と基礎体温表

基礎体温表からみる妊娠しやすいからだになっているか

表から見る10のチェックポイントをチェックしていきましょう。

 

女性の月経には個人差はありますが、一般的には、27~35日程度の周期で

「月経期」「卵胞機」「排卵期」「黄体期」の4つの時期を繰り返しています。

どういった基礎体温が理想的で、妊娠しやすいのか、

また、どういったグラフだとトラブルが潜んでいるのかそのポイントと

問題の改善方法をご紹介していきます。

 

基礎体温からわかること

基礎体温は女性の体調やリズムを映し出します。

そのため、正しく測定することができると、重要な情報を発見することができます。

基礎体温からは以下のことなどを知ることができます。

 

・月経周期(何日周期なのかその期間)

・次の生理予定日

・妊娠しやすい時期、排卵日近く

・妊娠などの確認

・体調がいい時期、悪くなる時期を予測できる

・肌の調子がいい時期・悪い時期

・ホルモンバランスの乱れ、病気の早期発見

 

妊娠しやすいかどうか3つのチェックポイント

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あなたが、妊娠しやすいからだかどうか簡単に基礎体温からチェックすることも

可能です。また、これらのチェックポイントを満たしていないから

妊娠できないという事ではありません。

改善することで、妊娠は十分可能です。あくまで目安ですので、

一度チェックしてみてください。

 

1、低温期と高温期に0.3度以上の差があり2層になる

2、低温期から高温期への移行がスムーズ

3、高温期が12~14日持続する

 

これらの3つのポイントを満たしていると理想的といえます。

他にも、低温期の時の体温が低すぎないか、

基礎体温のラインが安定しているか、

月経期に入るときの体温の下がり方もスムーズかといった

チェックポイントもありますが、

妊娠しやすい体つくりのためには、日頃からホルモンバランスを整える

生活を心がけていきたいですね。

 

基礎体温表グラフからよみとるもの

 

1 理想的な基礎体温表

個人差はありますが、生理周期はおよそ、28日~35日サイクルで訪れます。

生理初日の約14日後くらいに訪れる「排卵日」を境にして、

生理初日から排卵日までの体温が低い時期を「低温期」といいます。

また、排卵日から生理初日までの体温が高い時期を「高温期」といいます。

基礎体温が正常なグラフを描いていると、

黄体化ホルモンの影響で最も体温が下がるタイミングがきます。

その時期は排卵がもっともおこりやすく、妊娠しやすい状態を知ることができます。

正常な基礎体温では、以下の特徴もあります。

 

・高温期 :12~14日
・高温期と低温期の体温差 :0.3~0.5℃
・高温期の平均体温:36.7~37.0℃

 

 

2 きれいな低温期・高温期の2層にならない

ホルモンバランスが崩れているか、若しくは無排卵月経という可能性もあります。

生理が周期的に来ているからと言って、必ず排卵しているわけではないのです。

医学的には、高温期と低温期の差が0.3度あると排卵があると予測するためです。

脳下垂体の異常で、ホルモン分泌が悪くなっている可能があり、

性腺刺激ホルモン分泌異障害といった症状が出てきたりします。

高温期を保ちきれず、バラバラと不安定なグラフを描く場合は、高温期が保てないことから、

着床しづらい状態でもあります。

貧血や疲れやすいの方に多い症状で黄体の機能が弱いことが原因となります。

ホルモンのもととなるたんぱく質を補う事や、ホルモンを運ぶための血液も大事なポイントになります。

鉄分の豊富なメニューを心がけることもおすすめです。

 

 

 

3 高温期が短い

排卵後に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)には、

子宮内に妊娠しやすい環境を整える役割があります。

そのため、排卵後は体温が上昇し、高温期が訪れます。

高温期が短いということは、

黄体機能の低下や黄体ホルモンの分泌量減少が考えられます。

生殖器や子宮内膜の血流も悪い状態です。

子宮内膜が薄いと妊娠しづらい、流産しやすいといったリスクがあります。

また無排卵や黄体機能不全を患っている可能性もあります。

高温期は10日以上維持した方がいいとされているため、

血行を良くするために、定期的な全身運動を取り入れ、

筋肉量を維持することも大切ですし、

自律神経を整えてホルモン分泌がスムーズにいくように

メンタル面を安定させていきましょう。

 

 

 

4 高温期に低体温がまざる

高温期を保ちきれず、バラバラと不安定なグラフを描く場合は、

排卵が正常に行われていない可能性もあります。

また、高温期が保てないことから、着床しづらい状態です。

多少でしたら心配はないでしょうが、

むくみやすく、疲れやすいの方に多い症状です。

黄体の機能が弱いことが原因なので、

タンパク質や鉄分、カリウム、ビタミンE の豊富なメニューを

取り入れることで、卵巣の新陳代謝も活性化しやすいです。

また、自律神経が乱れていることも

基礎体温が乱れる原因になるので、ストレスを対処して、

しっかりと心をあたためいくことが大切です。

 

 

5 2層になるけれど、差が0.5度以上ひらく

高温期と低温期の差の幅が大きく、高温期の時の平均体温が37度を超える場合、

何かしらのトラブルが潜んでいる可能性があります。

排卵誘発剤を長期連用した場合にもこのような基礎体温になります。

黄体期である、体温が高ずぎるという事も熱がこもった状態になっており、

卵にとっては好ましくない状態となります。

そのため、受精したとしても着床しにくいといったことになりがちです。

また、排卵期のおりものが少ない、性交時の分泌物が少なく性交時痛

がある、手足がほてる、のぼせやすいといった症状が現れることもあります。

体に必要な水分を補い、潤いを与えることで対処することで改善します。

 

 

 

6 低温期から高温期へ移行に3日くらいかかる

卵胞が順調に発育し、排卵がおきるときにはきれいに低温期から高温期へ

スムーズに移行します。そして、その後に高温期が12~14日持続します。

体温が3日くらいかけダラダラと上がるタイプの基礎体温の時には

排卵障害が起きていることが予測されます。

排卵障害の原因は、主に脳の視床下部や下垂体や甲状腺、卵巣に

問題がある場合が多いと言われています。

しかし、排卵障害になるものは原因不明であったり、

原因が複雑に絡み合って起こる場合もあります。

排卵に関係がある脳から出る、FSH(卵胞刺激ホルモン)と

LH(黄体化ホルモン)のバランスが崩れてしまい、排卵できない状態になっています。

女性の不妊原因の中で最も頻度の高い排卵障害も様々な種類があります。

体の状態を知るために検査をして、治療が必要な場合は治療をしてはいきますが、

根本的には、ホルモンバランスを崩してしまう

生活習慣そのものが大きく影響しておこったものです。

排卵障害の中でも多いPCO(多嚢胞性卵巣)の方は生活習慣、

ストレスがきっかけになっていることが多いものです。

 

 

 

7 2層に分かれるけれど、ガタガタしたグラフ

2層に分かれている場合、排卵は起きていると考えられますが、

排卵日を予測しにくいという事や、

ホルモンバランスが乱れやすいといえます。

基礎体温のグラフが乱れる原因は

不規則な生活やストレスの影響を大きく受けます。

特にストレスがかかると自律神経の乱れに直結します。

女性ホルモンのバランスは自律神経の乱れから悪化しやすいため、

早めに生活習慣の見直しも必要です。

 

 

 

8 1回の生理周期が長い

低温期が長い場合は、以下の特徴があります。

通常はおおよそ、14日前後ある低温期ですが、

基礎体温における低温期が長いために、生理周期が長くなるという特徴があります。

それでも、多少長い程度なら問題はありませんが、生理周期が40日を越えるなど、長すぎると稀発月経となります。

さらに、低温期が長いということは、排卵の機会が少なくなるという特徴があり、

妊娠を望む方にとってはできるだけ低温期を通常へ戻し、生理の周期を28日前後へ戻したいところです。

冷えや自律神経のアンバランスなどによって、血行が悪くなると、

子宮や卵巣の血流も低下し、卵巣の機能が低下し、卵胞の発育が遅くなることが考えられます。

卵胞の発育が遅いと、低温期が長くなります。

なので、生理開始日から排卵するまでに時間がかかるようになっていってしまいます。

 

 

 

9  基礎体温が全体的に低い

低温期の体温には個人差がありますが、平均で36.2度前後が理想といわれています。

卵胞が育つ低温期に体温が低すぎると、卵胞の成長に影響が出ることもありますし、

血液循環の悪さが子宮にも影響すると受精卵が着床しにくくなってしまいます。

低温期から高温期の体温差も少なく(平均で0.3度未満)低温期から高温期への移行に

時間がかかったり、やっと上がっても体温が安定しないという事になりがちです。

手足の冷え、朝なかなか起きられない、やる気がしない、性欲がないいといった

症状がともなう場合もあります。

体の体温を高めるよう筋肉量を増やしたり、

血液の循環を良くするように運動を増やすこと、

鉄分を多く含んだ食事や、水分をしっかり接種する生活心がけることも大切です。

 

 

 

10 高温期が長く継続

高温期が長く続き、12~15日を過ぎても終わらず、

生理も来ていないようでしたら、

妊娠の可能性があります。もし、妊娠していたとしたら、

高温期は14週ほど持続します。

 

11 妊反応陰性のち、基礎体温は低温から高温に移行の子宮外妊娠

妊娠すると高温期が継続されるのが通常ですが、体外受精の場合陰性判定を受けた後

本来では排卵になる時期に遅れて着床反応がおこるケースがごく稀にあるようです。

妊娠判定が陰性で、低温期をたどり、高温期に移行する際に遅れて着床反応。

その場合は子宮外妊娠の事が殆どだといいます。

 

 

基礎体温は、女性の体調やリズムを正直に反映するもの

正確に測ることができると、とても大切な情報になります。

しかし、女性ホルモンはストレスや不規則な生活で崩れやすく、

どんな人でもパターンもくずるときもあります。

そのちょっとした不調を見逃さず、そのままにすることなく、体をいたわることを心がけていくことが大切です。

また、基礎体温は絶対ではありません。

あくまで目安としてとらえて、神経質になりすぎるとかえって基礎体温は不規則になってしまいます。

自分の女性ホルモンのバランスはどうかな、妊娠しやすい体を作っていくために

どういったことに気を付けたらよいのか、その目安にするつもりで、

気楽に測定していくことも大切なポイントです。

 

タイミング合わせのための基礎体温測定は不要

妊娠しやすさを求めたタイミング合わせのための基礎体温測定は不要です。

基礎体温から妊娠しやすい時期を判断しても妊娠率が高まらないという研究(1)があります。

基礎体温や生理周期から妊娠しやすい時期を判断しても妊娠率は増加しないという衝撃の結果です。

一方、超音波検査による卵胞発育で妊娠しやすい時期を予測すると妊娠率が増加しています。

尿中のLHサージをみる排卵検査薬により排卵日の予測はできますが、これも妊娠率は増加しません。(2)

これは、タイミング法での妊娠しやすい時期が排卵日ではないからです。

月経周期がなんとなくわかれば、排卵前に性生活をコンスタントに持てることが妊娠率アップにつながります。

 

妊娠しやすい日は排卵日ではなく、排卵前2日が最も高く排卵日の4倍になります。(3)

そのため、排卵前からもに性生活がコンスタントにある事で妊娠率が高まります。

また人によって違う妊娠の窓といわれる妊娠可能期間が長いという事がポイントに

なっているため、タイミング合わせがそもそも不要で、それよりは、コンスタントに

2人にとって楽しめたり、心地よさを得られるコミュニケーションである性生活を大切にすることです。

 

妊活というと基礎体温は間違い

妊娠しやすくするには?というとどうしても排卵日近くを狙うタイミングがとっても

大事だと思っているかもしれませんが、男性にとってプレッシャーこそ不妊リスクが高まる

原因にもなっています。とにかく男性はデリケートで、さらに精子の質は

日常生活の食生活や運動、睡眠不足、アルコールや喫煙などの影響も受けますが、

他にも精神的なストレスや人間関係でのストレスでも精子所見に悪影響がでてしまいます。(4)

タイミング合わせのために、性生活が減ってしまったとか、不妊治療に合わせて

セックスレスになってしまったというケースが増えています。

また、勃起障害や膣内射精障害なども増えていて、妊活をして頑張れば頑張るほど

悪循環を招いてしまっているという点です。生殖特に男性はデリケートであるため、

タイミング合わせのために一生懸命基礎体温を測るのはやめた方がよさそうです。

女性も自分の基礎体温に一喜一憂してしまうようでしたら、基礎体温や基礎体温アプリからは

ちょっと距離を置いて、妊娠しやすくなるためにできる生活習慣の見直しから行っていきましょう。

 

参考文献 

女性ホルモンの教科書 著烏山ますみ

「特異な経過をたどった子宮外妊娠の2例」日本産科婦人科学会東京地方部会会誌 1993; 42: 5-8

(1)Obstet Gynecol 2002; 100: 1333

(2)Obstet Gynecol. 1994; 84: 307

(3)Wilcox AJ et.al. Human Reproduction 13: 394–397, 1998 

(4)Fertil Steril 2013; 99: 1565

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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