妊活の不安や焦りは悪くない!心をかえて妊娠率高めて

妊活の不安や焦りは悪くない!心をかえて妊娠率高めて

不妊で不安です。悩んでばかり。もう、疲れちゃう。周りは妊娠していって焦る。

若い方が妊娠しやすいっていうから、年齢を気にしないようにしたいんだけど

どうしても気にせずにはいられない。

なんとか、できることは頑張ってきたんだけどなぁ・・・。そんな不安や、

何だか疲れてやる気がおこらない不妊ストレスは確かに不妊期間を延ばし、

さらには不妊治療などでの妊娠率も下げてしまっています。

でもこの不安や焦りとどうお付き合いしていくのがより良いのでしょうか見ていきましょう。

 

妊活をはじめていくとどんどんストレス蓄積

確かに、不妊によってつらさを感じる事はとても増えます。

不安にもなるし、うつうつした気分にもなってしまいますよね。

自分自身の事を大事と思えなくなったり、尊重できず、自分はダメだと

否定してしまう気持ちも増えてしまいます。また恐怖心も感じるので

妊活中の女性は精神的に高ストレス状態です(1

そして、このストレスは全体的に高いほど、年齢や不妊歴を調整したとしても

ストレス度が高いほど不妊期間を延ばし、妊娠率を低下させ、さらには

1年後の不妊治療成績をも影響してしまうと言います。ストレス度

特に個人的に感じる(不安や抑うつ)や夫婦関係におけるストレスによって

1年後の妊娠しやすさが予測可能なレベルなのです。(2

確かに、妊娠を望む女性の心の健康はとても大事だと言われています。

 

不妊ストレスはよくないと思うほどデメリット

こう聞くと、不妊で悩むことでさらに妊娠しにくくなる悪循環なので

とても不安になる事や悩むこと、そして焦ることがいけない事、

悪い事だと思いますよね。でも、妊娠したい気持ちがどうしても

強くなり、先が見えない妊活に不安になってしまうのは

誰でもおこりうることです。なので、ケアをしていくことで

軽減できるのでトレーニングをしていきましょう。

逆に、不安はいけない、ストレスはよくないとネガティブに

とらえすぎると、かえって悪化してしまいます。(3

例えば、カリフォルニア大学の調査で、1,003人を対象にアンケート調査し、

「自分の感情に対して『そんなふうに考えてはいけない』と言い聞かせることがある」

といった質問に答えてもらった結果、

「ネガティブな感情をネガティブに思う人」ほど、

人生の満足度や幸福感は低い傾向があったのです。(4

 

とりあえず自分を受け入れてみる

ネガティブを受け入れたくない、受け入れないようにしようとするほど

かえって心は不健康になってしまいます。でも、

マインドフルネスのように、とりあえず、自分の考えや感情を

受け止めてみる事で、不妊ストレスも軽減していきます。

不妊症の女性にマインドフルネスベースプログラム(MBPI)法を

使用した場合、有意に不妊ストレスが軽減し、妊活のサポートになっています。(5

MBPIは、ストレス軽減のためのマインドフルネスベースのプログラム、に

不妊症のためのマインド/ボディプログラム、

および受け入れとコミットメント療法(ACT)の基本原則に基づいて構成されています。

マインドフルネスプログラムの目標の一つとして、

心理的な柔軟性/受容を高めることなのです。この心の柔軟性や受容性が

しなやかで強い心つくりにとても役に立ちます。

そして、そこから得た気づきをカウンセラーと共有すつことが一連の流れになります。

 

完璧を求めやすいほど妊活ストレスに

さらに、わりと頑張ればなんとかできる、もっともっとと

頑張るほどに力が入って完璧を追い求める傾向が強いほど、

どうしても不足感を感じやすいので、結果に対してつい、

ネガティブなジャッジしてしまうのです。

心の中におこる色々なジャッジを変えて、捉えなおしをしていくこと

は不妊ストレスの軽減にはとても役に立ちます。

ジャッジを止めて選択を変えると、心はもっと軽くなっていきますよ。

ものごとの考え方、認知の部分への介入による認知的対処と

心と体のリラクゼーション介入のグループは体外受精(IVF)を受ける

女性の感情、生活の質を有意に改善しています。(6

この研究では短い介入であったため、妊娠率には有意差がでません

でしたが、長期的な関りでは違う結果が出た可能性が高くなります。

他研究では、妊娠率が2倍に高まっている報告もあります。

 

心は意識してジャッジしてしまう

不安やストレス良くないよね。(善悪のジャッジ)

焦ってばかりいる自分嫌だな。(好き嫌いのジャッジ)

焦っても良くないのは分かるけれど、やめられない自分って駄目だな(自己否定のジャッジ)

結局、結果がでていない。(0か100のジャッジ)

今までやってきたことって間違っていたのかな。(正しい・間違っているのジャッジ)

 

私たちは、つい、気づかないうちに物事をすぐ極端に判断してしまいます。

いいのか、わるいのか、好きか嫌いか、正しいのか、間違っているのか

結果がでたのか、でないのか、損なのか、得なのか、

こんな感じで、心は、いつもこういった物差しで判断していきます。

ジャッジをする前に、気づいてあげよう。

 

妊活中に感じること、考える事、とりあえず受け止めてあげながら

心を元気にしていきましょう。

認知行動療法(CBT)は、不妊で悩む女性の不安を

解消または軽減する効果にエビデンスがあり、よく使用されています()。

そして、不妊カウンセリングで認知行動療法を使用しています。

 

関連記事

潜在意識で妊娠する ダメって思う自分を受け入れる認知行動療法

 

参考文献

(1) 2013 Apr;167(2):185-9. doi: 10.1016/j.ejogrb.2012.12.014. Epub 2013 Jan 5.General psychopathology, anxiety, depression and self-esteem in couples undergoing infertility treatment: a comparative study between men and women.

(2). 2019 Apr; 14(2): 160–170.What Psychiatric Interventions Are Used for Anxiety Disorders in Infertile Couples? A Systematic Review Study

(3) 2018 Dec;115(6):1075-1092. doi: 10.1037/pspp0000157. Epub 2017 Jul 13.The psychological health benefits of accepting negative emotions and thoughts: Laboratory, diary, and longitudinal evidence.

(4) 2017 Oct;146(10):1448-1459. doi: 10.1037/xge0000303. Epub 2017 Aug 14.The secret to happiness: Feeling good or feeling right?

(5) 2006 Feb;85(2):339-46.Effectiveness of psychosocial group intervention for reducing anxiety in women undergoing in vitro fertilization: a randomized controlled study.

(6) 2015 Aug;104(2):440-51.e7. doi: 10.1016/j.fertnstert.2015.05.009. Epub 2015 Jun 13.Exploratory randomized trial on the effect of a brief psychological intervention on emotions, quality of life, discontinuation, and pregnancy rates in in vitro fertilization patients.

(7) 2008 Jun;101(3):248-52. doi: 10.1016/j.ijgo.2007.12.010. Epub 2008 Mar 5.Effects of a psychological intervention on depression in infertile couples.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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