妊活女性は生理用ナプキン紙と布どっちを使うべき?

妊活女性は生理用ナプキン紙と布どっちを使うべき?

ナプキン生理月経

妊娠しないからと、今まで紙ナプキンを使ってきたけれど

布ナプキンに変えるべきなのか悩むかもしれません。

子宮に高分子ポリマーの経皮毒が蓄積されないようにとうい情報もあり。

生理用ナプキンの経皮毒は安全性からも気になりますよね。

布ナプキンを使うとホルモンバランスが整うとか、

経血が変わるとか、いろいろな情報もあるかもしれません。

妊娠しやすさや生理期間を心地よく過ごせるようにするために

布ナプキンがいいのか、それとも紙ナプキンがいいのか研究を参考に

生殖への影響、安全性などを含めてお伝えしていきます。

 

生理用の紙ナプキンで経皮毒?

経皮毒という情報についてです。

紙ナプキンを使用していると、皮膚をから浸透して、毒素が

子宮にたまっていくといった内容の情報です。

ただ、こういった毒素は、皮膚を間を浸透できるかなり小さい分子でなければ

体内に吸収され、子宮に蓄積されるという事はおこりません。

そのため、通常、紙ナプキンを使用することで、高分子ポリマーの

毒が子宮蓄積されるという感じではなく、揮発性の生殖に影響をもたらす

別の物質が影響してきているようですよ。

紙ナプキンの経皮毒についてはいろいろな言い回しやある事ない事まで

かかれているかもしれないですね。ただ、2017年安全性を揺るがした韓国の

生理用ナプキンの一件はみんなが注目した内容ではないでしょうか。

特定のブランドの生理用ナプキンで月経不順をおこしていました。(1

 

妊活中ナプキンに求めて欲しい事

ナプキンを変える事で、劇的にホルモンバランスが整うとか、

月経周期が改善されるという事は大幅な期待難しいかもしれません。

使用するナプキンに世界的なガイドラインを越えて、毒性が強いという事が

あるわけではないので、使用をやめたことで妊娠しやすさが

大きく変わるかはわかりません。でも長期に使用する事、蓄積していくことが

安全であることが証明されたわけでもないのです。

有害な化学物質に触れる機会は妊娠しやすさをまもるために長期的に

みると大事な事でしょう。女性が一生を通じて月経アイテムのお世話に

なるのは1800日あるとも言われています。(2)初潮を迎え、妊娠するまでの

期間をも考えていくと、安全面と便利面どちらにも気をつけていくことが

妊娠したい女性にとっては必要な事になりますね。

そして、製造するメーカーさんには本当に安心して使える製品、

より良い品質を提供してくださるのを願うばかりです。

 

紙ナプキンにはメリットデメリット

布ナプキンでも、紙ナプキンでもメリットデメリットあります。

ただ、ガイドラインよりは低いものの、あらゆる生理用ナプキンには

VOCはじめ生殖に影響があるとされるフタル酸エステルが微量でも

化学物質が含まれていて、使用頻度が高く女性のデリケートな皮膚からは

吸収されていってしまう。特に外陰部というデリケートゾーンは

他の皮膚とも違うてんを考慮もしておいた方がよさそうです。(3

そして、これらは生殖に影響が出るのはもちろん、さらに子供にも、

神経認知障害、喘息、先天性障害、およびがん

といった影響が出てしまう物質となっています。(4

その危険性を少しでも考慮すると、

ナプキンを使う側も考えてどちらを使用するのか判断していく必要性は

ありそうです。ただ、紙の生理用ナプキンは布ナプキンと違って、衛生面でも

すぐに捨てられるし、変えられる。お出かけの際もとても便利ですしね。

メリット、デメリットがあるのが悩ましいです。

 

紙ナプキンは子宮を冷やすは間違い

また、紙ナプキンは子宮を冷やすという情報が出ていることもありますが、

湿度が高まったり、雑菌の繁殖などはあっても、温度を下げるというよりは、

温度が高まる心配の方が出ています。(2)紙オムツの使用で陰嚢温度が

高まってしまい男児の生殖機能が低下するリスクの方が高まって

いるのです。

そのためナプキンが子宮を冷やすそれも全く根拠がないことでしょう。

紙ナプキンでも吸った経血をいつまでも放置せずに

交換すれはいいだけのことですし、

そうでなくても、子宮がある骨盤内には太い動脈も通っていて

簡単に子宮が冷えるわけがありません。

冷えるというイメージを持つことで間違った冷え対策や

子宮温活をしてしまう危険性もありますのでご注意ください。

 


タンポンを膣に入れても化学成分は入らないし、体内に蓄積もしません。

“子宮系の病気になる説”に対しても、何度も言いますが「デマ」です。

出典: 宋先生コメント


そんなの全部ウソですよ。

化学物質はコワイなどと、漠然とした恐怖心をあおる「経皮毒(けいひどく)」

という有名なデマが広まっているせい。化学物質が体内に溜まるなんてありえません。

出典: 宋先生コメント


 

VOC・フタル酸エステルで生殖機能が低下

VOCは主に生理用ナプキンから検出され、月経異常の原因であると

疑われると報告されています。VOCは生理用ナプキンだけでなく、

洗浄製品、塗料、溶剤、パーソナルケア製品、タバコの煙などの

さまざまな人工的なものから出てしまっているものです。そして、

特に、その中でも塩化メチレン、トルエン、キシレンへの暴露は

生殖システムの発達と機能に悪影響がでてしまうものなのです。(5

そして、フタル酸エステル類は、医療機器をはじめ、女性用の衛生製品、

化粧品、こどもの玩具、育児用品などプラスチック製品など

一般的な製品に広く使用されている可塑剤も不妊に影響がでてきて

しまっています。(6)これらのVOCやフタル酸エステルは、生理用ナプキンを

とおして、女性が皮膚から吸収してしまい、月経異常や卵巣機能、

生殖機能に悪影響がでてしまっています。(7

 

生理用ナプキンのVOC・フタル酸エステルについての研究

生理用ナプキンにどれくらいのVOCやフタル酸エステルが含まれて

いるのかを調べてくれている研究(8)を参考に見ていきましょう。

生理用ナプキンとおむつパッケージの空気中の

VOC(塩化メチレン、トルエン、キシレン)のレベルや

フタル酸エステル(DBP、DEHP、DEP、およびBBP)の濃度を、

韓国、日本、フィンランド、フランス、ギリシャ、米国から集めた

11種類のブランドの生理用ナプキンで測定しています。

安全だといわれる日本も入っています。

この研究で調査した生理用パッドまたはおむつの大部分が、

VOCとフタル酸エステルの両方を含んでいました。

またブランドごと測定された量が異なることもわかりました。

しかも、これらから検出されたVOC・フタル酸エステルの濃度は、

一般的な生活用品(紙コップ・プラスチック包装・電子レンジ対応ボックス

・調味料・穀物など)に含まれる量より多くかったのです。

この研究で測定された生理用ナプキンとおむつに含まれる

フタル酸エステルの濃度は、ヨーロッパのガイドラインを下回ってはいましたが、

吸収率、長期使用していくことを考えると、本当に安全であるかは

今後の研究を見ていく必要性があるとしています。

また、トルエンについては、ガイドラインを越えて最大38.4%の量に

なってしまっているものもあったので、使用にあたっては、注意は

必要かもしれません。

 

月経期間を心地よく女性であることに喜びを

便利なアイテムもあります。心地よく月経期間を過ごし、

月経がある事へ感謝して、女性である喜びを感じながら、

日々過ごすことで、もっともっと心も体もいい状態に近づくことができます。

血液の流れがスムーズであることで、

ホルモンバランスが整った子宮内膜が厚くなっていくふかふか子宮に近づいていきます。

いろいろ気にして、ありもしない情報に振り回されて神経質になってしまうのは

もったいないです。

妊活中はとくに、生理が来たことに妊娠が失敗したというイメージと

あわさってくるため、生理に対するイメージも悪くなってしまいます。

不妊女性が最もつらいのは、妊娠できなかったという体験をしたことが

ストレスになっています。またそこから、不安に感じる妊活生活を

送っていくことが一番の苦痛になっているのです。

 

快適に過ごし、便利なアイテムを使いながら女性としてイキイキと

過ごせるナプキンを選択できるといいですね。

ただ、内分泌かく乱物質などは、世代を超えて子供の次の生殖にも影響が

出てしまう点があります。(9)そこにおいて、長年の少しづつの影響が

出るかどうかがわからないため、安全面を考えると、布ナプキンの方を

選択したいきもちにもなります。

布か紙かだけで妊娠できるかどうかが決まるわけではありません。

そのため、妊活中は妊娠しやすくするために取り組めることを

取り組みながらも、次の世代の生殖も考えていけば、今面倒でも

昔ながらの布ナプキンは安心して使えるものかもしれませんね。

 

↓↓↓動画から説明しています↓↓↓

 

参考文献

(1)Bae, J.; Kwon, H.; Kim, J. Safety Evaluation of Absorbent Hygiene Pads: A Review on Assessment Framework and Test Methods. Sustainability 201810, 4146.Safety Evaluation of Absorbent Hygiene Pads: A Review on Assessment Framework and Test Methods

(2) 2015 Dec;6(4):249-54. doi: 10.1016/j.srhc.2015.06.001. Epub 2015 Jun 25.Menstrual hygiene practices and its association with reproductive tract infections and abnormal vaginal discharge among women in India.

(3) 1989;27(2):37-47.Skin absorption of organic solvent vapors in nude mice in vivo.

(4)Kounang N, What’s in your pad or tampon?, CNN Health, CNN Center, Atlanta, GA, 2015.

(5) 2003 Jan;37(1):69-76.Oxidative DNA damage induced by toluene is involved in its male reproductive toxicity.

(6) 2015 Jun;53:23-32. doi: 10.1016/j.reprotox.2015.02.013. Epub 2015 Mar 9.Prenatal exposure to di-(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP) affects reproductive outcomes in female mice.

(7) 2015 Feb 2;6:8. doi: 10.3389/fendo.2015.00008. eCollection 2015.The effects of phthalates on the ovary.

(8). Author manuscript; available in PMC 2019 May 7.Published in final edited form as:

(9) 2019 Sep 1;101(3):635-644. doi: 10.1093/biolre/ioz081.The epigenetic impacts of endocrine disruptors on female reproduction across generations†.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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