卵子劣化にAGE終末糖化産物!妊娠したいならNGの食べ物と栄養
AGEsと言われる物質をご存知でしょうか。
近年注目を集めている、生殖医療の現場でも取り入れて、
治療成績を伸ばすことにつながっている物質。
このAGEは、老化の原因となり、老化を促進するとされています。
細胞の劣化と並び糖化が問題
何も、意識せずに食べている糖分ですが、
私たちの暮らしにおいて、これだけ精製された糖質を摂取するようになったのはつい最近の事です。
長い歴史においては、異常なくらい精製された糖質を摂取して、
しかもその摂取量は増えている状態です。
このAGEsが、卵巣機能障害の原因となり、有害となっていることをご存知でしょうか?
AGEsの蓄積が卵巣のみならず、精巣もそうですが、全身のカラダの中の
臓器・器官・細胞に様々な機能障害や老化を引き起こしてきます。
細胞を老化させる原因 AGEsとは、
体内の「糖化」によってできる物質のことで、
Advanced Glycation End-productsの頭文字をとってAGEs、
日本語では「終末糖化産物」と言われています。
「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のことです。
強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています。
AGEsは糖やアミノ酸が酸化してできる物質で、取り込むと体の中でで暴れまわってしまい
細胞にダメージを与えてしまうる作用が大きく、
体内のAGEsが多い人ほど酸化ストレスが高いといわれています。(1)、
そして、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病のリスクが上がってしまいますし(2)
体内を最も老化させてしまうように働き、免疫系にまで影響が出るとされる
炎症反応が起きやすくなる(3)ことも判明。
タンパク質の糖化 変性が有毒
以前、騒がせた狂牛病、これもタンパク質の変性によるものです。
人間にはタンパク質は欠かせません。
しかし、肉は悪、こういった考えが蔓延してしまいがちですが、
本当に悪なのは変性させてしまう糖の方に問題があるのですね。
そうして、変性した糖化物質が体をむしばんでいきます。
卵巣や子宮、さらには卵子という細胞レベルにまで影響します。
このAGEsは、体内で合成されるのと、食事からとりこむことで体内に蓄積されていきます。
①AGEが体内で合成されるには
血液中の血糖値があがり、ブドウ糖が過剰になってあふれ出すと、
人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつきます。
体温で熱せられ「糖化」が起きます。
こうして「タンパク質と糖が加熱されてできた物質=AGEs」ができます。
こうしてできた糖化タンパクは血糖値がある濃度にまで下がれば
またすぐに正常なたんぱく質に戻る事ができます。
しかし、長時間血糖値が高い状態になってくると戻る事は出来ない毒性のあるAGEsになってしまいます。
②食べ物を食べる事で摂取しているAGEs
「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」はいろいろな食べ物・飲み物の中にも含まれ、
私たちは食事や間食として取り込んでいるのです。
例えば、焼き菓子です。
小麦粉(糖)と卵や牛乳(タンパク質)とバター(脂質)をまぜて加熱すると、
お菓子が焼けます。ここにAGEsが発生しています。
食べ物に含まれるAGEsの一部は消化の段階で分解されますが、
約7%は排泄されずに体内に溜まってしまいます。
細胞を劣化させるAGEを撃退
体の中から毒性の強いものをなくし、老化を促進するものを減らす習慣を
手に入れれば、あなたは想像以上に早くに妊娠いやすいよう変わりやすくなりますね。
血糖値を高める様な食べ物、炭水化物という栄養を多く含む食品は
糖分が多いためAGEsが体内で増えやすくなります。
そのため、糖質が多いような食事スタイルの方は要注意と言えるでしょう。
お酒・アルコールなども日本酒やビールなどは糖質も多いので気をつけたいところです。
2010年の研究によると(4)体内のAGEsが増える原因は2つ。
AGEsを多く含んでいる食品を食べるか
AGEsが増えやすい調理法を選択している(高温調理ほどAGEsは増える傾向です)
そのため、この2点に気をつけていくことが望ましいのですが、
特に調理方法に気をつけてもらうと効果が大きいといえます。
AGEsを減らす食事を1年続けたらどうなったか(5)というと、
食べるものにはこだわらないけれど低温調理グループと、食べるものは低AGEsだけど糖温調理グループとでは、
1年後のAGEs摂取量が3倍にも開いたという結果でした。
低温調理にしただけで自然と摂取するカロリーもおさえられ、体重も減ってBMIもスリムに。
血中インスリン値の低下も見られ、インスリン抵抗性も減っています。
さらに心疾患リスクが50%低下する可能性があるとのことで、
どれも不妊リスクを高めてしまうものを軽減した結果になっていまうす。
揚げ物でのフライ、から揚げ、てんぷらなどなどはもちろん避けたいところ。
高温でのグリル調理も避けたいところ。
できるだけ、煮る、焼く、蒸す、生で食べるなど低温調理を心がけましょう。
外食などでは、特に揚げ物は控えた方が良いという事になります。
手軽なもの、お惣菜などは高温調理されているものが多いので、ゆとりをもって簡単でいいから
低温調理できるといいですね。もしくは低温調理のものを選ぶという事を心がけてみてください。
卵胞液中のAGEs は妊娠しやすさに影響する
AGEsのが作られることによって臓器や組織をつくりあげているたんぱく質が変性してしまいます。
糖化は、老化物質を生み出すため、組織がダメージをうけて臓器の働きが低下してしまいます。
AGEsによる老化が卵巣や卵胞液中に生成され、蓄積すると、卵巣の機能が低下しまうのではないかと考えられていて
それをもとに、ART女性患者の卵胞液中のAGEsの蓄積が排卵誘発に対する卵巣の反応性や胚の質に、
実際にどのように影響を及ぼすのかを調べられた研究では、妊娠しやすさと相関関係が出てきました。(6)
南京大学の研究では、体外受精や顕微授精の女性患者(PCOSの女性は除く)の卵胞液中の
AGEs値が採卵数や胚質に影響するのかが調べられ、
卵胞液中のAGEs値と採卵数や受精卵数、良好胚数、受精率、良好胚率の間には有意な負の相関関係が認められました。
卵胞液中のAGEs値は卵巣刺激に対する反応性や胚質に関連することが示唆されています。
妊娠を望む女性は糖化を防ぎ、インスリン抵抗性が改善するように取り組みましょう。
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参考文献
Diabetologia. 2016 Oct;59(10):2181-92. doi: 10.1007/s00125-016-4053-x. Epub 2016 Jul 29.
Oral AGE restriction ameliorates insulin resistance in obese individuals with the metabolic syndrome: a randomised controlled trial.
(1)Diagnostics (Basel). 2016 Jun; 6(2): 23. Published online 2016 Jun 7. doi: 10.3390/diagnostics6020023
(2)J Clin Biochem Nutr. 2015 Jul; 57(1): 1–12. Published online 2015 Jul 1. doi: 10.3164/jcbn.15-3
(3)Adv Nutr. 2015 Jul; 6(4): 461–473. Published online 2015 Jul 7. doi: 10.3945/an.115.008433
(4)J Am Diet Assoc. Author manuscript; available in PMC 2013 Jul 8.Published in final edited form as:J Am Diet Assoc. 2010 Jun; 110(6): 911–16.e12. doi: 10.1016/j.jada.2010.03.018
(5)Diabetologia. 2016 Oct;59(10):2181-92. doi: 10.1007/s00125-016-4053-x. Epub 2016 Jul 29.Oral AGE restriction ameliorates insulin resistance in obese individuals with the metabolic syndrome: a randomised controlled trial.
(6)Advanced glycation end product concentrations in follicular fluid of women undergoing IVF/ICSI with a GnRH agonist protocol January 2018Volume 36, Issue 1, Pages 20–25