妊活中には抗酸化作用のポリフェノール摂取を

妊活中には抗酸化作用のポリフェノール摂取を

野菜と果物
Vegetables and Fruit Heart Shaped

妊娠しやすい体とは、健康的な体のことです。

健康的な体つくりには、バランスの良い食事をとれていることが前提となります。

そのうえで、

今回ご紹介するポリフェノールには、細胞を老化やダメージから守る

作用がある栄養素としてご紹介いたします。

 

不妊の原因として酸化がある

男性の不妊症の症例の30%〜80%は、精子に対する酸化ストレスの有害な影響

によるものと考えられています。(1)

活性酸素種(ROS)が自然に酸化に対してもっている抗酸化防御機能を

越えてしまった場合には、酸化ストレスができて、精子に細胞損傷を引き起こして

しまいます。これは、特発性不妊男性の精液中の酸化パラメータが

妊娠男性よりも有意に高いことが判明しています。(2

そして、酸化パラメータ、精子ROS形成、DNA断片化レベルの間に高い関連が

見つかっています。酸化してしまうほど、精子の質は下がってしまい、

妊娠や流産に影響してくるという事ですね。

そして、この酸化の影響はかなり多岐にわたっていて、今のライフスタイルの

中でかなりさらされてしまっているのです。

ROSのレベルの増加は、高温、電磁放射、農薬、汚染などの

環境要因による可能性があると考えられています。

また、高齢、アルコール消費、喫煙、ストレス、肥満、食事不足のライフスタイルといった

ものから、感染症、自己免疫、慢性疾患なども含まれます。(3)

こういった酸化ストレスからいかに生殖細胞を守ってあげるのかというのも

大事な妊活になりますね。特に精子の質は精漿には、精子をサポート、

保護、栄養補給する抗酸化物質が豊富に含まれているようです。

精子の抗酸化物質とDNA修復酵素のレベルは低くみずから修復できない細胞

であるため、抗酸化という重要な役割は、精漿に大きく依存しているところです。(4)

 

ポリフェノールについて

ポリフェノールは筋肉の分解を促してしまう活性酸素を消去する効果があります。

また、抗酸化作用が高い栄養素で老化の防止にもつながります。

受胎能力が低い男性においては、抗酸化剤の使用が妊娠率を高めたという

報告もあります。(5

ただ、抗酸化剤などサプリや薬での服用はメリット・デメリットが

ハッキリしていない部分もあります。まずは、食べ物から摂取することを

心がけましょう。

ポリフェノールときくと、まずは何を思い浮かべますか?

ポリフェノールには5,000以上の種類があるというのですから驚きますね。

たとえば、お茶に含まれる「カテキン」やそばの「ルチン」、

大豆の「イソフラボン」などもポリフェノールの一種になります。

これらを総称してポリフェノールと呼びます。

 

ポリフェノールが多く含まれる食品

赤ワイン、緑茶、ごま、大豆、生姜、プルーン、

カカオ、紫芋、春菊、れんこん、ししとう、

バナナ、マンゴー、ブルーベリーなどがあげられます。

ポリフェノールは必須栄養素とはされていないため、

1日の摂取目安量は決められてはいません。

また、ポリフェノールの効果持続時間は短く、2時間から3時間程度といわれています。

1度に大量に摂取しようとするのではなく、こまめに摂取していくとよいでしょう。

果物の摂取は1日に3回以上の人が妊娠率が高かく、摂取頻度が

低くなるにつれて妊娠率が下がったという研究もあります。

 

ポリフェノールを取り入れた食事だと・・・

健康的な食事パターンの方

(野菜や果物、魚、そして、無精製穀物を多く食べ、スナック菓子や肉、マヨネーズ少ない)

というかたと、

地中海式の食事パターンの方

(オリーブオイルや野菜、魚、豆類が多く、スナック菓子が少ないパターン)

とでは、どちらも健康的な食事パターンのような気がしますが、

妊娠率を高めたかどうかという視点でみると、

地中海式の食事パターンだと、体外受精を行った場合、

妊娠率が40%も高まったという研究結果もあります。

一方、健康的な食事をしていた場合は 驚くことに、

妊娠率を高めるということはなかったという事です。

そんな地中海パターンの食事の方は、ポリフェノール豊富な食材がふんだんに

使われ、オリーブオイルにもポリフェノールが多く含まれます。

バランスのとれた食事や、その中でもポリフェノールといった

栄養素を含む食品もこまめに摂取していくとよいといえます。

ポリフェノールを多く含む食品は色があります。

彩りよく食品をとっていくという感覚がちょうどよいでしょう。

 

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参考文献

(1)Tremellen K. Oxidative stress and male infertility ‐ a clinical perspectiveHuman Reproduction Update 2008;14(3):243‐58.

(2)Aktan G, Dogru‐Abbasoglu S, Kucukgergin C, Kadioglu A, Ozdemirler‐Erata G, Kocak‐Toker N. Mystery of idiopathic male infertility: is oxidative stress an actual risk?Fertility and Sterility 2013;99(5):1211‐5.

(3)Tremellen K. Oxidative stress and male infertility ‐ a clinical perspectiveHuman Reproduction Update 2008;14(3):243‐58.

(4)Walczak‐Jedrzejowska R, Wolski JK, Slowikowska‐Hilczer J. The role of oxidative stress and antioxidants in male fertilityCentral European Journal of Urology 2013;66(7):60‐7.

(5) 2014;(12):CD007411. doi: 10.1002/14651858.CD007411.pub3. Epub 2014 Dec 15.Antioxidants for male subfertility.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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