流産後は精神的に落ち込むし不安 心ケアについて

流産後は精神的に落ち込むし不安 心ケアについて

妊娠したら、その後もすくすくと育てて安心して妊娠生活を送っていきたいものです。

でも、妊娠そのものに負のメンタリティやストレスが関係するように、

流産や死産などにも精神的に受けるものが影響します。

流産を繰り返す、不育症は検査をすれば医学的な原因がわかる場合もありますが、

原因不明のことも多く、60%くらいが原因がわからず、

ライフスタイルや精神的な影響を受けていると言われています。(1

実際に、テンダーラビングケアのように心を落ち着け、

メンタルに働きかけるケアを行っていくと妊娠率、出産率もたかまるといわれており、

流産せずにスムーズに進めていくにはメンタルケアは欠かせないため、

流産とストレスとの関係、心の改善についてお伝えしていきます。

 

妊娠しても、流産していく確率

女性の年齢にもよって異なりますが、流産率は自然妊娠の場合、

確認された例の10~20%程度が流産になると言われています。(2

ただし、年齢が35歳以上になると流産率はさらに上昇していきます。

35-39歳で流産率が25%、40歳以上になると流産の頻度が51%との報告があります。

不妊で悩む今こそ、こういった流産や不育についても

対処するような妊活をしておくことで安心して過ごせるように

なっていくのではないでしょうか。

 

流産がおこる原因

流産がおこる原因や、繰り返す場合にはどんな原因があるのか見ていきましょう。

流産がおこる原因の1番は初期の場合は約70%が胎児の染色体異常と言われています。

特に、医学的な原因も異常もないご夫婦の間でも、

卵子や精子、受精卵に染色体異常が、ある一定の割合で発生してしまいます。

そして、染色体異常以外の原因も含めると、初期流産の原因のほとんどは、

たまたま、もっていた遺伝子によって成長が止まってしまうという事がおきていて、

女性に原因があるとは言えない状態です。

女性の年重ねるほど、卵子というのは作り変えられる細胞ではないため、

DNAの損傷をうけ、受精卵の染色体異常の割合が高くなるからです。

ただ、何度も繰り返す場合は、流産の原因がある事もありますが、検査をしてみても

原因がわからないという場合も多々あります。(3

 

流産後から精神的につらい期間を過ごしている

女性は、流産を経験してもその後、50%~80%が再び妊娠していきます。(4

でも、流産後の妊娠では激しい相反する感情を持ちながら時間が

過ぎるのを待たなくてはなりません。

妊活中の夫婦は希望を持ちながらそして気持ちが落ち着くように

生活しながらも、また再び失うのではという恐怖心から不安を抱えています。

流産後から68%が2年間もその後動揺し、64%の人がその後の妊娠に

影響を及ぼしたと報告しているくらい。(5

次の子を授かったら癒されると想像するものの、再び妊娠しても

安心できるという事ばかりでなく、不安に感じたり、流産したことに

対する喪失気分は健康な子供を授かっていても解決しない部分も

残しています。

 

うつよりも不安で悩む

流産後は、うつを発症するケースもあるくらいですし、

うつ病という診断でなくても、悲しい体験をしているため

一次的に打つ症状などが出る事もあります。

しかし、そういったうつよりも不安の方がより体験している女性は多いようです。

流産後に不安が高まるのは、うつ病よりも心理的負担が大きくなっている

事を表していると言います。月経周期が戻るか、妊娠していかれるか、

また流産を繰り返してしまわないか、自分の生殖能力に問題があるのではと

何かと不安に感じ恐怖に感じてしまいます。流産後12週くらいは、

次の妊活をスタートさせようとし始める時期と重なりますが、女性は

うつよりも頻繁に不安を感じています。そして、流産後は1ヶ月、6ヶ月、

13か月と経過していても、どのポイントでもうつ病よりも不安レベルが

高いことが報告されています。(6

 

繰り返す流産や不育症にたいして有効なケアとは

不安やうつが次の妊娠に影響を与えるという事が言われています。(7

またうつなど精神的な問題は流産数ともに増える事と関係するため、

繰り返しているほど心にかかっている負担は大きくなっています。(8

流産が習慣化されたご夫婦に対して、有効性が高いケアとして、

TLC(Tender Loving Care)だけだという報告があります。

様々な薬物療法は有効性がなかったり、副作用によるリスクの高さから、

優しくいたわり、愛情をもって接する 心のケアを大切にする

カウンセリングのような関りの重要性を示すものです。

1984年にスウェーデンの研究チームによると、

連続して3回以上流産を繰り返した女性195人を、9年間追跡調査したもので、

ケアを受けたグループと受けなかったグループに分けた場合の出産の成功への

違いをみている研究報告があります。

それによると、TLCを受けたグループでは86%のカップルが出産に成功し、

受けなかったグループでは33%だったということです。

それくらい、心のケア、ストレスケアが妊娠しその後も順調に妊娠経過を過ごせるように

影響し子どもが欲しい女性の手助けになるという事になります。

 

自分のつらかった感情を表出しておいて

流産後は、病院や医療機関で適したケアを受けられるとよいものの、

実際は充分なサポートを受けることができずにいます。

また医療者側も充分なサポートができずにいると感じています。(9

どうしたら流産後の女性が必要としているのは、より

フォローアップの改善を求めています。流産後、多くの女性は、

流産が発生した理由、原因について知りたいと思っていますし、

今後、将来の妊娠への影響、また、医療専門家からの

サポートに関する情報を求めています。(10)そして、特に

流産後の女性が不満に感じる部分が、精神的なサポートの不足に焦点が

あたっています。特に、自分の感情を表出していないほど不安を感じる傾向が

あります。(11)抱え込まずに相談していくことも決して心が弱いからだとか、

いけない事だとは思わないでください。

 

不妊治療だけを重視する妊活ではより不安

どうにか、細胞同士だけをくっつけようとして妊娠したい妊娠したいと

取り組んでいると、受精まではできても、その後なかなか着床しない、

出産まで行きつけないというところで悩まなくてはなりません。

流産後はとにかく、不安で過ごし、人によってはその不安レベルは

高くしかも長く持続します。(12)の過程でのストレスは大きく、

体への影響もでてきます。不妊治療をしていると、より

精神的な苦痛は大きい上に、流産後の心理ケアがままならない状態で

進行していきます。流産後は、はやく次の妊娠したいとも思うでしょうが

推奨されているのは流産6か月後くらいといわれています。

妊娠そして出産に向けて心のケアが重要視されていて、

メンタルサポートを取り入れた場合、

出生率が高まることが研究でもわかっていますので、

流産や不育の不安や悩みがある場合は、

不安軽減のための取り組みや、カウンセリングなど活用していきましょう。

また自律神経・免疫機能は妊娠には影響するため、

安心してリラックスし、笑って過ごせる日々を心がけていきましょう。

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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