体外受精や不妊治療 セックスレスが妊娠率低下に!!

体外受精や不妊治療 セックスレスが妊娠率低下に!!

自然な形で妊娠できずにタイミング療法などへ踏み込み始めると、

必ずと言っていいほど赤ちゃんを望むご夫婦が陥ってしまうのが

セックスレスの傾向です。

タイミングも、自然な形ではなく、

医師からの指示のもと、妻側からお誘いするという流れが出来上がり、

夫からは誘わないというパターンが出来上がります。

 

本当は自然な形で双方が求めあう感じのタイミングが取れていたほうが

余程妊娠しやすくなるのに、

このパターンを作ってしまうと妊娠しやすい状態をつくるための

夫婦の性生活・セックスの回数を増やしていくことは

通常では、相当難しくなってしまいます。

 

また夫から誘いたくても誘ってはいけない、誘いにくいという状況を作り上げてしまいます。

 

体外受精などを始めるとこれがかなり顕著になって、

セックスなしで子供を授かりに行くことがごく当たり前に

なってしまいますので、

夫婦の性生活がないけど赤ちゃんは欲しい状態になってしまいます。

 

一番妊娠しやすい状態はコンスタントな性交

自然妊娠であっても、治療を受けたとしても、共通して言えるのは

夫婦の性生活がコンスタントにあるという事です。性生活そのものが重要でコンドームをしていても

いいから性交がある方が妊娠率が高い状況となっていて、

精液の暴露だけでなく性生活そのものにも重要性があるようです(1)

 

なので、検査の結果に合わせて、不妊の原因に合わせて、

適した治療というのは良いでしょうが、

タイミング療法や特に原因がはっきりしない状態での人工授精や体外受精は

その後も治療をしたとしても妊娠しにくい状況が出来上がってしまうので

おススメはできません。

 

当たり前ですが、卵子と精子だけをなんとかくっつけようとしてもうまくは育たないのです。

妊娠という体の中で起きる神秘的な生理現象には、

筋肉や神経をはじめホルモンや免疫系が複雑に絡み合って

おきてきます。そこにメンタルといった精神的な状態も大きく影響を与えてきます。

 

不妊カップルの性生活の特徴

不妊で悩んでいるご夫婦の性生活には大きな特徴があります。

妊娠しやすい日があり、そのためのタイミング重視が妊娠しにくさにつながっています。

排卵期のみの、排卵日を狙った性生活という特徴です。

 

タイミングを何とかすれば、そういうところにばかり意識がいってしまい、

夫婦のコミュニケーションであることがそっくり抜け落ちて、

義務的、仕方なく疲れているのに~~~子供のため、妊娠のため、

その状態での性生活では赤ちゃんは来てくれません。

人工授精でも体外受精でも精液に暴露されている回数が多いことが妊娠率のアップ

つながっています。(2

胚移植前後の性交が妊娠率に影響するかについての研究(3)では、

478周期の胚移植をランダムに性交群と非性交群に分け妊娠率はを比較した場合、

性交群(23.6%)と非性交群(21.2%)で有意差を認めませんでしたが、

妊娠6~8週までの妊娠継続率は性交群(11.0%)が非性交群(7.7%)より有意に高くなっていました。

妊娠の継続には性生活が多くいつも通りというより、週に2~3回コンスタントに性生活がある事が望ましいのです。

 

排卵期に妻からのお誘いエッチは逆効果

女性からのお誘いしていく性生活は妊娠から遠ざかると思ってください。

女性から、要求していくことが続くと、

心理的に、どれだけ頭では子供のために必要とわかっていたとしても、

やりたくない、イヤだなという心理的リアクタンスがかかってしまいます。

どんなに好きな事も、要求され始めるとしたくなくなってしまう心理が働いていきます。

 

夫から誘ってくれなくて・・・という相談も多いですが、

夫から誘わないようなパターンを作ってしまっているので、

そこは、もう一度、夫婦の性生活におけるパターンを築き直しが必要です。

 

男性側も必死の努力

それでも、妊娠していかれるように男性側も何とかしようと

思うものですが、そう思うほどに妻にはEDになるという現象が起きてきます。

頭で色々考えたエッチをしなくてはならなくなると、

自律神経が乱れ、男性は勃起障害などが出てきてしまいます。

そのため、こっそりと、薬を飲んだりまでしていることもあります。

そこをさらに、薬なしを求めていったり、自然になりたたないことに精子の質を心配したりと、

夫を追い詰めてしまうと、完全にレスになっていってしまいます。

 

赤ちゃんが欲しいという前に、自分達夫婦は、お互いを思いやり、お互いのための心地よい

コミュニケーションをとれているかが精子と卵子の距離を自然と縮めていってくれます。

不妊で悩むご夫婦はセックスレスも併せ持っています。

 

妊娠しやすさを本当に求めるのであれば、

タイミングは女性が排卵検査薬や頸管粘液法と合わせた方法で知るようにした方が

よいでしょう。詳しくはこちら↓

排卵期の中でも38%の妊娠率となるタイミングの取り方

 

性生活がある事が妊娠の維持と出産にメリットあり

性生活は妊娠のためだけと考えられがちですが、性生活が排卵以降もある事が

妊娠の維持や出産にもメリットがあるのですからすごい事です。

不妊治療をするととっても安静にとか、性生活は必要最小限にという感じになってしまうかも

しれませんが、どれも必要がなく、性生活があった方が妊娠を維持しやすくさらに出産にも

有利に働いているかもしれないのです。

2,507名の初産の妊婦を対象にパートナーとの性的な関係の期間と子癇前症やSGAの発症との関係を調べた

研究では、期間が短いカップルほど子癇前症やSGAの発症リスクが高いことがわかりました。(4)

これは、女性の生殖器官がパートナーの精液に触れる頻度が高くなるほど、

女性の生殖器官が妊娠合併症のリスク低減や子宮内の胎児の成育に有利な状態になることによるので

はないかとしています。

性交は「妊娠しやすさ」だけでなく、「妊娠合併症のリスク低減」や「胎児の成長」にも有利に働くかもしれないのです。

セックスレスになってしまっていたら、どうしてもなんとかしなくてはいけないものとすると

苦しいかもしれませんが、なんとか改善したいと思っているご夫婦も多いのではないでしょうか。

カウンセリングをしていると女性側でもなんとか改善したいというお声はよく聞かれます。

妊娠の為だけでなく2人にとってとても必要なものであり、未来家族の繁栄にも欠かせないものでしょうね。

 

参考文献

(1)Fertil Steril 2014;104:1513

(2)AIHやIVF、ICSIでも、性交回数が多いほど妊娠しやすい

(3)Hum Reprod 2000; 15: 2653

(4)J Reprod Immunol. 2009; 82: 66

 

 

 

 

また、排卵期以外の性生活の過ごし方で妊娠できるかにかかっていきます。

まずは夫婦の性生活を見直してレス解消をしましょう。

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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