40代体外受精での妊娠率と有効性 ステップアップすべき?

40代体外受精での妊娠率と有効性 ステップアップすべき?

不妊治療 夫婦と医者

高齢であれば、周囲からも不妊治療をすすめられる、

病院へ行けば早くの体外受精をすすめられます。40代で不妊というと、今すぐにでも治療、

その流れが一般的な常識になってしまっているのかもしれません。

でも、本当にそれで妊娠できるの?どれくらい有効なの?期待できるの?

ステップアップしていくべきなの?治療について迷われる方も本当に多いです。

ネットでも治療を勧める、みんなにも言われるから、

体外受精を受けない事への不安さえも付きまというという事を抱えていませんか?

40代の治療を受けて言った場合の妊娠率や実際に受けた方のその後の現実についてお伝えしていきます。

 

動画からもどうぞ

 

あなたの体外受精の妊娠率を測定してみよう

アメリカのSART(生殖補助技術学会)のホームページでは、

“What are my chances with ART?(体外受精による私の妊娠の確率は?)”があります。

アメリカ国内で2006年以降に行われた32万人、50万周期のデータに基づいて、

体外受精による妊娠の可能性をおしえてくれるシステムです。

(アメリカで一般的な治療を行った場合なので、いわゆる高刺激で採卵した場合の確率になります)。

統計から導き出される自分の状態、年齢などからみた体外受精での妊娠率を知っておく事も

大事ですし、その結果に合わせて、ステップアップしてみるのも一つですし、

実際にトライしてみる回数もある程度決めて準備をしておくことができるため、

次はこそはと、無理に治療をずっと継続してしまうという事も避けられるかもしれません。

 

 

年齢・身長・体重・妊娠回数・37週以降での出産回数を入力します。

身長は小数点をつけて入力して “meters” を選択、体重は “kgs” を選択します。

次に、「Diagnosis(診断)」の項目にチェックをつけていきましょう。

英語なので、訳を見ながらチェックしてみるといいですね。

  • I don’t know my diagnosis 自分の診断が分からない
  • Male factor 男性不妊(精子数や運動率の低下)
  • Endometriosis 子宮内膜症
  • Ovulation Disorders (including polycystic ovarian syndrome) 排卵障害(PCOSを含む)
  • Diminished Ovarian Reserve 卵巣機能低下(低AMHなど)
  • Uterine factors (including fibroids) 子宮因子(子宮筋腫など)
  • Tubal Ligation 卵管結紮後
  • Tubal Hydrosalpinx 卵管留水腫
  • Any other tubal problem 上記以外の卵管の問題(卵管閉塞など)
  • Other (including cancer) その他(癌を含む)
  • Other (not infertile) その他(不妊に関係ない理由→着床前診断希望など)
  • Unexplained (no reason was found for either partner)  原因不明

 

最後に自分の卵か卵子提供の卵かを選びます。

全部入力してから、左下のCalcurate my success rateをクリックしてみます。

統計的な、客観的なデータですが、体外受精を受けていくかどうかの判断基準にはなると思いますし、

体外受精が、魔法かのような治療なのではなく、あくまで妊娠の補助である点も

落ち着いて考えることができるでしょうから試してみる価値があります。

 

40代での体外受精の妊娠率とは?

40代になると体外受精の妊娠率は極端に低いのが現実です。

日本の医療なら、高度生殖医療の治療成績なら期待がもてると期待が寄せられますが、

実際の期待に反して、実際はやはりなかなか妊娠できないのです。

しかも、妊娠しても流産率が高いという点も見逃せません。

たとえ確率は低くても自分たちは

妊娠するのではないかと思って挑戦される方も多いと思います。

ただ、40代を過ぎれば、体外受精は妊娠率は非常に低く

卵子提供でなければ、

海外では逆に治療の受け入れをしていない病院の方が多いのでも現実です。

日本での体外受精での妊娠率は5%未満です。

100回受けたら5回くらい妊娠し、そのうち、3回は流産するくらいという事が

統計からのデータです。

 

体外受精での妊娠率を見た時に、

100回受けて、5回未満の妊娠回数、しかも流産率はかなり

高く、出生率に至っては本当に1~3%未満です。

そこに必死になった何度もトライしたいでしょうか?

もちろん、不妊に至っている原因にもよりますが、

それほど回数を重ねることができる治療法ではないため、

治療に必死になって進めていても、体もこころも、

経済的にも苦しんでいる方が多く悪循環になってしまうことも知ったうえで、

夫婦で方向性をよく話し合う事も大切でしょう。

 

治療によって妊娠していくにも、ある程度回数と機関が必要ですが、

長く続けたからと言って妊娠率が高まっていくわけでもないという統計もあります。

 

40代でも30%の妊娠率につながっている方法は?

一方、諦められている、自然妊娠というのは、40代であっても意外と

妊娠率は高いのです。

1周期での確率は5%程度と体外受精と同じに並びます。

体外受精はそう何度も受けられる治療ではない一方で、自然妊娠は何度も

トライできる方法ではあります。

1年くらいでみた妊娠率としては

健康的なカップルが1年間避妊せずに性交渉を行った場合の妊娠率は、

20代で約80%、

30代前半で約60%、

35歳以降で約50%、

40代前半では約30%、

 

非常に、妊娠の可能性が充分にあるのは自然妊娠の方となります。

治療の方ばかりに可能性を感じているかと思いますが、

決してそうではないという事を事実として知っておきましょう。

 

 

治療をについては夫婦でよく話し合って

治療を勧めていけば、セックスレスやタイミング重視の性生活に偏ることは

どうしても出てきます。精神的にもかなりストレスプレッシャーもかかります。

妊娠しやすい状態を維持しながら治療を進めていくことが

とても難しくはなってしまうからこそ、

体外受精やステップアップしていく際は、

その出産率と実際に治療をしていく上で回数などについては、ある程度決めて

おくことや、自然妊娠の道をしっかり残せるような夫婦のかかわり方を

大事にし続ける事もしていきましょう。

 

参考文献

 Luke B, Brown MB, Wantman E, Stern JE, Baker VL, Gibbons W, Widra E, Coddington CC, Ball G. David. A prediction model for live birth after assisted reproductive technology. Fertility and Sterility 2014; 102:744-52.

 Luke B, Brown MB, Wantman E, Stern JE, Baker VL, Widra E, Coddington CC, Gibbons WE, Van Voorhis BJ, Ball GD. Application of a validated prediction model for in vitro fertilization: Comparison of live birth rates and multiple birth rates with one embryo transferred over two cycles versus two embryos in one cycle. American Journal of Obstetrics and Gynecology 2015; 212:676.e1-7.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

プロフィールを詳しく見る

みなさんに読まれています

妊娠された方々も読んだ
「妊娠するための教科書」を無料プレゼント。
みなさんにお役立ていただき、
喜ばれたLINEメッセージです。

LINE登録はこちらから

トップに戻る

もっと知りたい