不妊改善・妊娠しやすい体つくりのための栄養素 鉄(Fe)の摂り方

不妊改善・妊娠しやすい体つくりのための栄養素 鉄(Fe)の摂り方

女性 主婦 キッチン 

妊娠必要な栄養素とは?それは・・・鉄(Fe)

あなたは、鉄分足りていますか?鉄が過剰気味でしょうか。

確かにサプリで補っても体調がよくなるなど効果が現れやすいとも言われている鉄サプリ。

でも鉄はうまく摂取していないと不妊リスクが高まってしまい、

必要でもあり、過剰も良くないというのが鉄です。

妊娠したい女性の味方となる栄養素ですが、女性には最も不足しがちなのが鉄(Fe)です。

月経がある女性にとっては、毎月ある程度の量の血が体外へ出ていく機会があるので

鉄不足には陥りやすいと言えますね。

しっかり補っていきたいところです。

また、大事な栄養素 鉄について、役割、効果、とり方をはじめ、

不足気味かどうかも合わせてチェックしていきましょう。

 

不妊と栄養

不妊で悩む人が増加し、不妊の原因は女性にも男性にもあるものです。

そして、生殖補助医療(ART)があっても、不妊の発生率は高いままで(1

何か取り組むことで変えられる部分の改善が必要とされています。

そして、食事による影響もあるため、男性も含め栄養は改善が必要とされています。(2

そして、その中の一つに鉄も関連しています。

 

鉄分の役割

鉄分にはとっても大事な役割があります。

鉄分は全身をめぐる血液ととっても深い関わりを持っていますね。

鉄分は成人の体内には3~4g存在し、

そのうち60~70%が赤血球のヘモグロビンの材料となります。

ヘモグロビンは、私たちの体に必要な酸素を

血液の流れとともに隅々まで運ぶ赤血球の色素成分です。

なので、鉄分が不足していては、血の巡りにも大きくかかわり、

妊娠に必要な酸素もとどけにくくなってしまいます。

妊娠には絶対に欠かせないホルモンの分泌にも

血の巡りはとっても大きく影響します。他にもこういった作用があるんですね。

 

鉄は黄体ホルモンにとっても必要な栄養素

鉄分は、高温期に分泌される女性ホルモン(黄体ホルモン)の分泌に

必要な栄養素にもなっています。

黄体ホルモンが不足すると、子宮内膜が厚くならなかったり体温が上がりにくくなって

妊娠しにくくなってしまいます。

血液の流れに関係する鉄は、黄体ホルモンに必要な栄養素になります。

ほかにも不妊の原因である排卵障害を予防する働きもあるんです。

妊娠するために鉄分は必要な栄養素といえるわけです。

 

鉄にはこんなにすごい作用が…

  • 活性酸素の除去

活性酸素が必要以上に増えると、

正常な細胞を傷つけたりもしてしまいます。

老化を促進したりするなど、様々な悪影響を与えます。

鉄を含む酵素であるカタラーゼやスーパーオキシドジスムターゼは、

こうした活性酸素を分解する働きがあります。

さびにくい体つくりには必要ですね。

 

  • 免疫機能の維持  

体内の鉄分が不足すると、

体内に侵入した細菌などを食べて殺してしまう役割のある白血球の一種である、

好中球の殺菌能力が低下してしまいます。

なので鉄は免疫機能が働くように維持してくれるのですね。

 

  • ATP(アデノシン三リン酸)の生成

生体のエネルギー物質であるATPは、細胞内にあるミトコンドリアで生成されますね。

その時、鉄を含む酵素であるチトクロムなどが

電子伝達系という酸化還元反応をすることでATPを生成します。

精子や卵子の活性には絶対的に欠かせません。

 

鉄分の不足は卵の成育に必要なエネルギーがうまくつくれなくなります。

 

鉄の摂取目安量は?

1日に必要な鉄分は、男性10mg、女性12mg、妊娠後期や授乳中は20mgと言われています。

妊娠後にはしっかりと補ていた方が良いといわれる鉄ですが、

妊活中は適度に、食べ物から補うようなスタイルを重要視しましょう。

鉄分(フェリチン)の過剰が子宮内膜症や不妊症との関連も言われています。

 

過剰摂取した場合は不妊リスク?

体に嬉しい効果がたくさんある鉄分ですが、

鉄分を過剰に摂取してしまうと、頭痛や吐き気、下痢といった症状が

出ることもあります。でも、毎月月経がある女性にとっては

過剰摂取にはならないのかもしれませんが、体の酸化レベルが高かったり、炎症レベルが

高い場合は摂取した鉄による悪影響を受けやすくなってそれが不妊リスクにつながってしまう

という事もあります。

地中海式食事療法などをメインに

過剰摂取不足にならないように気をつけた方がいい栄養素と言えるでしょう。

特に、赤身肉などからのヘム鉄の摂取が要注意になります。

ヘム鉄からの摂取は妊娠率を高めないという事が言われています。(3

 

あなたは鉄分足りていますか?

あなたは鉄分が足りていますか?

チェックしてみてくださいね。

□立ちくらみ、めまい、耳鳴りがする

□肩こり、背部痛、関節痛、筋肉痛になりやすい

□腰痛、頭痛になりやすい

□ぶつけた覚えがないのによくあざができる

□階段をのるだけで疲れる

□夕方になると疲れてよこになる

□月経前になると心身の不調が現れる

□月経の出血量が多いタイプ

□便秘がち

これらにいくつチェックがついたでしょうか・・・・
これらは、

「鉄」不足の目安になるんですね。

不足気味という方も、そうでない方も、

貧血の症状や血液検査でひっかかってからでは

遅くなってしまいますね。

妊活から出産までは

とにかく鉄分をしっかり補った食事を心掛けていきましょう。

 

元気な赤ちゃんを産んで育てていくにも必要ですね。

どうしても足りない場合はサプリから補うというのもいいですが、

同時に鉄分だけでなくいろいろ他の栄養素も取れるので、

できるだけ食事から栄養を補えるようにしておきたいところです。

 

鉄分の多い食品・良い鉄分の取り方

鉄分は、 レバー、あさり、納豆等に多く含まれています。

また、鉄分は「動物性」と「植物性」に分かれます。

ヘム鉄と呼ばれる鉄分が動物性で、肉や魚に多く含まれています。

吸収されやすい鉄分となり、非ヘム鉄に比べて、吸収率が全います。

ほうれん草やプルーンなどから頑張って摂取するにはかなりの量を

摂取しなくてはならなくなりますが、妊娠にとって有利に働くのは、

非ヘム鉄の摂取のようです。(3)

非ヘム鉄を摂取するよう心がけて行きましょう。

非ヘム鉄は植物性で、海藻類やほうれん草に含まれるためヘルシーですし、

吸収率がヘム鉄よりかなり劣る点も意外にも良いようです。

食物繊維が豊富な形で鉄を摂取していると、過剰摂取を防いでくれるという点も健康レベルを

高めてくれます。

 

赤身肉からの鉄の摂取は控えて

赤身肉は避け、魚介類からの摂取と、野菜や果物など食物繊維が多いものからの

鉄の摂取は妊娠しやすさにも関係していきます。

 

特に、赤身の肉の摂取を不可得目にすると、

鉄の摂取が減少する可能性があります。しかし、鉄サプリメントと

他の野菜や果物などから非ヘム鉄をしっかりとると、

排卵性不妊のリスクが低下することが示されています(4

食事からとっていれば、必要な栄養というのは足りてくるようになります。

ひと昔前はサプリはなかった時代ですが、子だくさんです。

大事な部分はそれだけではないといえます。

 

最近の研究では、鉄って妊活にどうなの?

以前の研究から、例えば葉酸を含む食事の影響は、妊活への影響が

あることが言われていますが、鉄と受精能との関連は十分に

研究されていないという事で新しい研究があります。

米国の看護師を対象としたある研究では、非ヘム鉄および

鉄サプリメントの摂取量が多いと排卵不妊のリスクが40%低くなる

という報告があります。

2013年から2018年にかけて、デンマーク(Snart Foraeldre; n = 1693)

および北米(PRESTO; n = 2969)の妊娠計画者の2つの

前向きコホート研究のデータを使用して、並行分析を実施したものでは

また違った結果がでました。(5

鉄摂取は、受胎能とは一貫した関連した結果がでなかったという事です。

そして、月経不順、思い月経やサイクルが短いという人ほど、

非ヘム鉄やサプリメントからの摂取が増えるという関連性もあったようです。

 

まとめ

鉄という栄養素だけが妊娠に影響を与えているわけではないものの、

鉄は赤身肉などよりも、非ヘム鉄が豊富な野菜や果物などから

摂取していくとよさそうな感じはあります。

ただ、妊活では、鉄だけに着目するよりも、

栄養バランスを整えて食生活そのものを見直す事を忘れないようにしたいですね。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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