不妊治療いつまで続けたらいいの?辞めるタイミングは?

不妊治療いつまで続けたらいいの?辞めるタイミングは?

不妊治療は期待いっぱい望む人もいれば、どうしようもなく困り果て嫌々

すすむ人もいます。なんとなく検査だけのつもりが気が付けばステップアップの流れに

のってはいるものの、妊娠しない、結果が出ないついには採卵すらできなくなってしまった。

年齢的に焦るから体外受精も何回も受けてきたなど不妊治療への取り組みは

人それぞれですが、妊娠できて卒業できれば良いのですが、妊娠できない場合は

やめるタイミングに困っている方も多いのです。

 

みんなが不妊治療で授かっているわけではない

不妊治療での妊娠率、実際の体外受精などの実施件数と出産件数とを比べてみれば

多くの方が治療でも授からずに苦しみ続けていることがうかがえます。

特に、42歳以降は治療での成果がみえにくくなりやすく体外受精ですら

妊娠率が5%を切ってきます。流産もしやすくなっているため出産率でみれば

本当に2・3%程度になるわけです。

ずっとずっと続けることで妊娠できればよいのですが、

不妊治療は長期化させてもかえって妊娠しにくくなってしまう要素併せ持ちます。

治療にも苦痛を感じたり、つらさを感じるようになり、

治療を止めたいと思ってもやめる事すらできない気持ち続けてしまっている人もいます。

 

不妊治療によって妊娠しにくくなってしまう点とは

セックスのレス化

まず、不妊治療を始めると夫婦間の性生活に影響がダイレクトに出始めます。

セックスがレス化していきます。女性からタイミングの指示をすることで、

男性の性欲がそがれ、子作りのための行為となりやすく男女ともに

負担感や義務感が募り、タイミングさえ合えばいいとか、男性に射精さえしてもらえればいい

といった感覚を持ちやすくなります。

子どもの授かりやすさから言えば、セックスの回数の多さというのは重要ですが、

本末転倒になりかねないくらい激減して月に1・2回という夫婦ばかりになってしまいます。

 

男性が勃起障害や射精障害を併せ持つように

精神的に妊活をしていると男性はプレッシャーを感じることも増えるし、

不妊治療へ行くようになると性に対しても自信をなくし、嫌悪感すら持ちやすくなり

勃起障害や射精障害を併せ持つようになってしまう男性も少なくありません。

そうすることで、男性の性欲減退、射精回数が激減し精子の質そのものも劣化しやすくなります。

 

ストレスが急増

肉体的にも、精神的にも、経済的にもトリプルで負担がかかるため

治療がステップアップするほど抱える心のつらさは増える一方です。

慢性的にストレスを抱えると些細な事でも過剰反応を起こしやすく

人間関係でもトラブルがおこりやすく夫婦間では喧嘩や意見の食い違いも起こりやすいですし、

職場内や友達関係でも人の妊娠などを喜べない、嫉妬してしまうなどをはじめ、

嫌な思いをしたりすることも増えやすくなります。

 

薬などの影響

長期化したホルモン療法による副作用や、卵巣などが刺激を受けていたことにより

機能が低下し採卵できない、採卵できても卵子が劣化してグレードが悪いなども

おこりやすくなります。

薬によって生理をコントロールしていたため、治療を止めたとたんに

以前は通常だった月経周期そのものがガタガタになって、

元に戻らなくなったなども出ている方もいます。

 

不妊治療を止めたいのにやめられない心理

自分達でタイミングを合わせてやってきたときに自然妊娠していないため、

不妊治療しか赤ちゃんを授かる道はないと思いこんでしまっているため

治療を止めることが赤ちゃんを諦める事と思っていたりもします。

そのため、イヤでも、結果が出なくても、やめることも恐怖心がともない

止める事すらできないことにさらに辛い思いを抱えています。

また、ギャンブルと同じように、これだけ治療に金銭的にもお金をかけてきたから

ここでやめられないという心理も働いたりもします。

体外受精など何回も受けて、数百万~中には1000万円ちかく治療費をかけてきた

という方もいます。やめるにやめられない心理にもなってしまいますよね。

 

治療を止めたら自然に授かるケースも多々あり

とっても苦痛を伴う不妊治療は、案外やめて解放されると赤ちゃんができました!

なんて女性も案外多くいるように、ストレスやプレッシャーが男女の性においては

必ずしも良好な働きかけばかりを起こしてくれるわけではありません。

不妊治療が有効になるような原因を持っている場合はよいのですが、

長期化したり、ステップアップというのが不妊治療不妊を生み出し

事体が悪化しやすくなるという一面も持ち合わせます。

夫婦で価値観がズレてきている、治療に対しての考え方も違う、

いやいや治療を続けているようだったら止めて、自然妊娠の道を模索するというのも

有効な一つです。男性性機能障害などがあると、治療を止めたら絶望的だと

考えている女性も多いのですが、男性は勃起しなくても射精できるという点もありますし、

必ずしもセックスにおいて射精しなければ妊娠しないというものでもありません。

夫婦仲をうまく修復していかれれば、シリンジ方法などで自然に妊娠するケースもあります。

ストレスはとにかく妊娠を阻害してしまいます!

 

不妊治療の辞め時とは?

どんな状態だったら、思い切って不妊治療を止めてみるという事を考えていけばよいのか

生物学的に、医学的にみてどんな目安があるのか見ていってみましょう。

 

女性の年齢が42歳以上

ステップアップした体外受精であっても40代ではかなり妊娠率が低下し、

流産率も高まります。不妊治療は長期化させても妊娠率が累積で高まっていかない点があり

ずっと続けていれば良いというものでもありません。

統計でみると、不妊治療を2年間継続し妊娠していない場合はその後継続したとしても

子どもを授かっていないという報告があります。

 

体外受精を4回受けたけど妊娠していない場合

体外受精で妊娠した人をみると大体4回までに妊娠しているケースが多く、

それ以上続けていても妊娠していないという統計データもあります。

そのため体外受精を4回受けたけれど1度も妊娠していない場合も、治療を止める

タイミングの目安になります。

 

不妊治療に対して前向きにとらえられなくなったら

ものごと、いやいや仕方なくという感じでつらくて苦しいのにと我慢したり

無理ばかりして治療を続けていたとしても前向きな結果につながりにくくなります。

妊娠にはやはりストレスは大敵で、大事な着床が阻害されてしまいます。

卵子と精子を受精させることが赤ちゃんを授かっていくことではないため、

辞めどきともいえます。また、夫婦でも随分治療に対して考え方にズレが出てくる時も

辞め時と言えるでしょう。あくまで、妊活は夫婦で足並みを揃えましょう。

 

 

まとめ

不妊治療をいてきていると、治療を止めたからと言って簡単に自然妊娠しやすい

状態になっているわけではありません。そのため、もう一度本当に妊娠しやすさにとって

何が重要になるのかといった部分の整えなおしをしていくことで

治療後であっても40代でも自然に妊娠されていくケースもあります。

不妊治療を止めることは赤ちゃんを諦める事ではありません。

受精させることにこだわらずに、結果が出ていないところで頑張り続けるのではなく

ちょっと肩の力を抜いて心身の健康と、夫婦の性についての健全化を取り戻しましょう。

 

 

参考文献 妊娠カウンセリング こまえクリニック院長 放生 勲

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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