ルイボスティーの効果に本当に期待できるの? 抗酸化作用が着目

ルイボスティーの効果に本当に期待できるの? 抗酸化作用が着目

お茶を飲む女性

ベビ待ち中の方、不妊で悩んでいる方も一度は聞いたことがあるかもしれない

ルイボスティーですが・・・

妊活というと、基礎体温測ってタイミング合わせ、サプリにルイボスティーに温活

妊活女性のスタンダードにもなってきていますが、

果たしてルイボスティーにはどういった効果があるのでしょうか?

ルイボスティーの効果と、妊娠しやすい体質づくりにつながる

抗酸化作用をたかめる生活についてご紹介します。

 

ルイボスティーに期待できる抗酸化作用

ルイボスティーが注目されたのは、さびにくくさせてくれる効果、抗酸化作用です。

妊娠年齢の高齢化による卵子の老化は、妊娠率が低くなる最大の理由とされています。

なので、

ルイボスに含まれる豊富なフラボノイドが卵子の老化を食い止めてくれる効果を狙っています。

 

実際の研究にルイボスティーが卵子を若返りの根拠はあるの?という事で

ルイボスティーについての研究より見ていってみましょう。

 

マウスにルイボスティー投与実験より

Andrologia 2014; 46: 867

オスのラットにルイボスティーを52日間投与し濃度の差によって違いが出るか

比較検討されています。

体重、精巣重量、テストステロン(男性ホルモン)、抗酸化作用に変化を認めず、

精細管の直径、精巣上皮細胞の高さ、精巣上体細胞の高さについては有意に増加たのです。

未発酵のルイボスティーは精子濃度、運動率、生存率を有意に増加させ、

尖体反応には影響しませんでしたが、発酵したルイボスティーは生存率を有意に増加させるのみで、

精子濃度と運動率は変わらなかったという事です。そして、 尖体反応を有意に増加させてしまいました。

ルイボスティー投与により、クレアチニン濃度増加と腎臓重量の増加、GOTとGPTの減少を認め

肝機能や腎機能に悪影響という結果です。 尖体反応が増加すると精子の形が変わってしまい、

逆に妊孕性は低下してしまうという危険性もあります。

 

ウズラにルイボスティー投与

Br Poult Sci 2008; 49: 55

オスのウズラにルイボスティーを100日間投与したところ、体重が有意に減少しています。

またメスのウズラでは体重が増加傾向となり、めんどりでは体重が有意に増加しています。

また、ルイボスティーはめんどりの卵子産生を有意なほどは増加させませんでしたが、

高齢時(生後1年)での卵子の減少が有意に少なくなっていました。

鳥を使った研究ですが、特別妊娠しやすいという事に貢献するわけではなさそうです。

 

抗酸化作用が拡大解釈されてしまっているだけ?

「抗酸化作用」というキーワードを拡大解釈した結果、美肌効果、老化防止、糖尿病治療効果、

アトピー改善効果、花粉症改善効果、アルツハイマー病治療効果、

そして卵子や精子の老化防止効果などがうたわれていますが、

必ずしもその全てが証明されているわけではないようです

ルイボスティーは精子には要注意

 

抗酸化作用という言葉が独り歩きしてしまって、卵子や精子にも良いという事が

ただ拡大解釈されてしまっている危険性が高いです。

人間でのルイボスティーについての研究はなく、今後も待たれるところですが、

ルイボスティーでの動物実験ですら妊娠率を高めたといった結果も出ていません。

妊活にルイボスティーというスタンダードを疑ってみてください。

 

抗酸化作用なら緑茶の方が科学的根拠多数

抗酸化作用についてやお茶については緑茶がかなり研究が豊富にされています。

抗酸化作用も高く、妊活中に取り入れるととっても効果的なのではないでしょうか。

カテキンやポリフェノールなどもとっても効果的であるといえますし、

血圧を低下させる効果も証明されています。

不妊と高血圧についての研究では診断はされていないものの高血圧一歩手前だという状態になってしまっている女性は

3割ほどいて、さらに拡張期血圧は平均で10mmHg上昇するだけで流産率が18%も高まったという研究もあります。

妊活中のストレスも不妊リスクを高めるものであり、

緑茶によるストレス軽減効果も根拠があるため、

妊活中はあえてルイボスティーでなくても緑茶で充分効果的なのではないかといえます。

また男性でも高血圧や糖尿病などの生活習慣病を改善すると妊娠率も改善したという研究もあります。

緑茶には慢性炎症を改善してくれる効果もあり。

ルイボスティーや妊活用のお茶といって、飲むことで逆に妊活をしている気分になってしまって、

他の改善すべきことに目がいかなくなってしまうのも避けたいところです。

そこはあまり力を入れすぎずに妊活をしていただいた方がよいのでは・・・。

 

活性酸素は不妊の敵!妊娠のために抗酸化作用をたかめたい

「排卵」から「着床」「妊娠」までに

「活性酸素(攻撃力の高い酸素)」が大きく関わっている事は研究の結果

わかってきています。

排卵にも「活性酸素」が関わり、次の妊娠準備をするときも「活性酸素」が関わってきます。

年齢やストレスなどによって身体の「活性酸素」の量が増えてくると「活性酸素」は細胞を攻撃して、

あなたの体を妊娠しにくい身体にしていってしまうのです。

 

「卵は酸化ストレスにより障害を受け、質の低下をきたし、

受精障害が引き起こされる」事が判明しています。

つまり活性酸素が減る事が、質の良い卵になり、受精能力も高めて行かれるのです。

 

なので、妊娠するためには、抗酸化作用を高める生活が欠かせませんね。

それには睡眠時間の確保と質の良さは欠かせません。

 

不妊の原因は

妊娠できない原因は「年齢」「ホルモンバランスの機能不全」「原因不明」であったりと、

結局のところ、どうしたら妊娠できるのかわからずに悩んでいるケースが多いのも現状です。

こういった妊活サポートのお茶を飲みながら、

さらに妊娠力を高める効果を期待したい場合は、

卵子に質を高めること、そして、受精卵が着床できるように

ホルモンバランスをしっかりと整えておくことが必要です。

 

卵子の質を高めるには、ストレスはNGですね。

ストレスとそれに対して身体がストレス反応を起こすことが一番よくないのです

活性酸素は通常、生きている限り発生します。

ほとんどの生物は、生命維持に必要なエネルギーを生み出すために、常に酸素を消費しています。

これらの酸素の一部は、代謝の過程で活性酸素と呼ばれる反応性が高い状態に変換されるのです。

本来はこの発生した活性酸素は生体がもっている

活性酸素消去システムによって処理されていくものなのです。

でも、ストレスがかかったり、オーバーワーク状態などで

活性酸素がたくさんに発生してしまうじょうたいでは、

うまく処理しきれないことがあるのです。

こうしたできた過剰な活性酸素によって、細胞機能低下や組織損傷が生じる結果が不妊につながっています。

 

さらにストレスは、ホルモンバランスを整えるための、司令塔である脳にも悪影響です。

ホルモンバランスを整える生活習慣がとても大切になってきます。

 

参考文献

Khalesi S, Sun J, Buys N, Jamshidi A, Nikbakht-Nasrabadi E, Khosravi-Boroujeni H,”Green tea catechins and blood pressure : a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials“,European Journal of Nutrition,Vol.53,No.6,pp1299-1311,2014.

Ze-Mu Wang, Bo Zhou, Yong-Sheng Wang, Qing-Yue Gong, Qi-Ming Wang, Jian-Jun Yan, Wei-Gao, Lian-Sheng Wang,”Black and green tea consumption and the risk of coronary artery disease: a meta-analysis“The American Journal of Clinical Nutrition,Vol.93,No.3,2011.

Xiaoli Peng, Rui Zhou, Bin Wang, Xiaoping Yu, Xiaohong Yang, Kai Liu, Mantian Mi,”Effect of green tea consumption on blood pressure: A meta-analysis of 13 randomized controlled trials“,Scientific Reports,Vol.4,No.6251,2014.

Am J Clin Nutr. 2015 Sep;102(3):608-15. doi: 10.3945/ajcn.115.107995. Epub 2015 Jul 15.

A randomized controlled trial of green tea catechins in protection against ultraviolet radiation-induced cutaneous inflammation.

Diabetes Metab J. 2013 Jun; 37(3): 173–175.

Published online 2013 Jun 14.  doi: 10.4093/dmj.2013.37.3.173
The Effects of Green Tea on Obesity and Type 2 Diabetes

J Cosmet Dermatol. 2013 Jun;12(2):137-43. doi: 10.1111/jocd.12038.

Tannase-converted green tea catechins and their anti-wrinkle activity in humans.
Hong YH1, Jung EY, Shin KS, Yu KW, Chang UJ, Suh HJ.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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