ストレスによる免疫バランスの異常が原因で流産や不育症に

流産や不育を回避!妊活ストレスを何とかしよう

不妊落ち込む女性

ストレスによる免疫異常で流産や不育症になるなんて思いもしないかも。

妊娠に免疫が関わる事は意外と知られていません。

自分の中にはばい菌や自分以外のものに

対して攻撃し、自分を守ろうとする免疫システムが備わっています。

そのため、妊娠においては、「免疫寛容」というのを起こし、受精卵や胎児を異物として

みなさず育てることができるのですが、免疫に異常がある場合は攻撃されたりして

着床の妨げや流産や不育症などの原因にもなります。

そんな免疫システムははストレスによって異常をひきおこされるるようになっていきます。

免疫システムの異常は他の病気や炎症反応の素とも言われています。

なかなか妊娠できない場合は免疫システムにも異常が出ているサインかも!

 

不育症、流産の原因ともいわれる免疫異常

不育症や、流産などをおこす原因はさまざまありますが、免疫の異常からくる

ものもあります。

自己攻撃する抗体をつくってしまうような自己免疫の異常もそうですし、

赤ちゃんを異物としてみなし、排除してしまうような同種免疫異常などもあります。

他にも、抗精子抗体など免疫が関わる事で妊娠しにくくなってしまううものもあります。

こういった免疫異常について、病気と診断できるものもあれば、

検査ではわからないようなものもあるでしょう。

 

卵子の質や生殖器などにも、体に炎症反応がある場合卵子の細胞は劣化しやすくなり、

体の中には病気がおこりやすくなります。そんな炎症反応も免疫によって起こされるもので

免疫は必要なシステムでありながらストレスなどによって悪い影響が出ると体の中では

病気や機能低下を引き起こしたり、妊娠しにくさを作り上げていってしまうのです。

 

ストレスは免疫システムに悪影響をおよぼず

ストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れるようになります。

自律神経には、交感神経と副交感神経とがありますが、ストレスがかかった状態の時は

交感神経の方が過度に優位になり、対処しようとして働くのですが、

病気になりやすい体内環境が複雑なメカニズムで作り上げられてしまいます。

体の中ではタンパク質などがもっと小さい分子のレベルで変形し

正常を逸脱していってしまうのです。最終的には体を本来はいい状態で保ち守ってくれる

免疫システムにも異常が発生してしまいます。

ストレスによって、免疫細胞である白血球の一種である顆粒球というのが増加しますし

炎症物質であるサイトカインも増えます。

顆粒球は増えすぎてしまうと、体の中にある正常なものまで攻撃し炎症を引き起こしてしまう事も

分かってきています。

免疫細胞は、増えすぎてしまうと歯周病や胃炎といった慢性炎症をはじめ、

リウマチなどで知られる自己免疫疾患にもつながりやすくなります。

暴走し始める顆粒球は体の中で傷つけては病気や異常を作り上げるように変わってしまうという事です。

 

ストレスで活性酸素も増加

活性酸素は、外敵を攻撃する時に威力を発揮しますが、この活性酸素は

自分の細胞にも害が出始めます。

自分の細胞そのものにもダメージを与えてしまうため、

ストレスは一過性のものなら良いのですが、長期化すること、

過度に負荷がかかるのは赤ちゃんができにくい免疫システムを

作り上げてしまう事につながります。

もともと、性格上、心配性、不安症というかた、気分屋さんでイライラしたり

落ち込みやすい人はママになっていくために、特に改善していった方が良いところです。

 

 

オキシトシン濃度が低くても免疫異常に!

愛情ホルモンや絆のホルモンといわれるオキシトシンの分泌が低下しても

免疫異常を起こしやすくなります。

オキシトシン濃度が低下すると、やはり免疫にかかわるNK細胞やインターロイキン6など

免疫物質の量に変化が出ることもわかっています。

日常において、心の中をいい状態に過ごせること、

自己肯定感が高く自分を尊重できる気持ちを持ち合わせ、

安心感と自信とに満たされている事も必要でしょう。

ストレスのケアというと多くは発散させればいいとか、気分転換をし旅行にでも行くなど

と思われるかと思いますが、

本当のメンタルケアは自分の考え方、認知そのもののゆがみを正しながら、

自分の中に肯定する気持ち、自分を好きだと思える気持ち自分を尊重できる気持ち

自分ならできると思える自信の部分を育てていくことといえます。

ネガティブなら必ずストレスを感じるから・・・。

期待と不安を繰り返し、落ち込みつづけていたら、

免疫バランスだって相当崩れたままになってしまう事でしょう。

前向きにポジティブに気楽に物事に取り組める心です。

 

 

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参考文献

・ 「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」岡本 裕 著

. 2014 Jul-Sep; 7(3): 159–169.doi: 10.4103/0974-1208.142475 Evidence-based management of recurrent miscarriages

・Future directions of studies for recurrent miscarriage associated with immune etiologies.Saito S, Nakashima A, Shima T J Reprod Immunol. 2011 Jun; 90(1):91-5.

・ Reproductive immunology.Christiansen OBMol Immunol. 2013 Aug; 55(1):8-15.

・Etiologic factors and subsequent reproductive performance in 195 couples with a prior history of habitual abortion.Stray-Pedersen B, Stray-Pedersen SAm J Obstet Gynecol. 1984 Jan 15; 148(2):140-6.

 2011 Jun;95(7):2184-9. doi: 10.1016/j.fertnstert.2010.06.078. Epub 2010 Aug 5.Stress reduces conception probabilities across the fertile window: evidence in support of relaxation.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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