不妊から妊娠!子宮内膜症と不妊との関係 ひどい生理痛を改善
妊娠しない、子どもができない、その原因の一つともいわれる子宮内膜症。
いったいいつ妊娠できるのか、不妊治療とどう付き合っていったらいいのか不安が残ります。
子宮内膜症は、メカニズムの根本は単純ですが、できる場所やその程度はさまざまです。
また、子宮内膜症による影響は把握できないくらい複雑です。
子宮内膜症の医学的な原因は諸説ありますが、はっきりとわからないのが現状です。
子宮内膜症と不妊について、そして子宮内膜症があっても妊娠はできるのか
妊娠との関係をご紹介していきます。
子宮内膜症について
子宮内膜症は、本来子宮の中にしかないはずの子宮内膜の組織が、
卵巣や卵管など子宮以外の場所にできる病気です。
子宮以外の場所でも月経期になると剥離・出血しますが、
血液や内膜を体外に出すことができずに体内に溜まってしまうため、
他の臓器との癒着が起こったり、炎症や痛みなど様々な症状をもたらします。
子宮内膜症により、癒着などによって、卵管が通れなくなることが考えられるため、
不妊症の原因にもなります。
不妊症で悩んでいる方のうち、2~4割ほどが子宮内膜症だといわれています。
ストレスを受けると、ストレスホルモンが分泌され、実際に、物理的に細胞を損傷させたりします。
思考が物質化して、体に変化を起こすということですね。
はっきりした原因は医学的には分かっていないのが、子宮内膜症です。
有力な説に「子宮内膜移植説」があります。生理の血液は通常体外へ出ていきますが、
その血液が卵管の方に逆流してしまい、腹部付近に留まってしまうというのです。
子宮内膜症は、年々増加傾向にあり、若い20代、30代にも増えている事から
ライフスタイルの変化も考えられますが、すべての病気に共通するストレスの影響もあります。
子宮内膜症によって問題になるのは痛みと不妊
90%の患者さんは月経痛を訴えますし、月経期以外にも腹痛や腰痛、或いは排便痛をきたします。
卵巣に発生した内膜症(チョコレート嚢胞)はしばしば破裂して急性腹症を呈し、
急性虫垂炎として緊急手術中に発見されることも珍しくありません。
子宮内膜症になることで問題となってくるのは、痛みと不妊という問題になります。
月経のたびに痛みが伴い、90%くらいの人が痛みを伴うといわれています。
月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛、性交痛などがみられ、子宮周辺で痛みを感じることが多く
炎症反応がおこりやすいと言える状態です。
日常生活の中で痛みを多く感じるというのは、やはり不快なことですよね。
こうした症状は20~30歳代の女性にとくに多く発症していて、
それは加齢による女性ホルモン分泌の影響を大きく受けているからです。
子宮内膜症と妊娠確率
妊娠の希望のある内膜症患者さんの約30%に不妊があると考えられています。
内膜症患者では3年間の累積妊娠率が軽症でも約50%、
チョコレート嚢胞を有する重症例となると5%と報告されます
子宮内膜症だからと言って、妊娠できないという事ではありません。
軽度な場合では、自然妊娠も望めます。
不妊症で悩んでいる方のうち、2~3割ほどは子宮内膜症だといわれています。
子宮内膜症患者の3年以内の妊娠率は軽症の場合では、約30%、
重症の場合10%未満とされています。
特にチョコレート嚢胞など重症化した場合は、妊娠の確率が低いといわれています。
しかし、子宮内膜症になったからといって100%妊娠できないというわけではありません。
子宮内膜症の治療を受ける際に妊娠したいことを伝え、ご自分に合った適切な治療を選択することができます。
また、手術療法によって子宮を全摘出した場合は、妊娠はできません。
子宮内膜症と不妊について
子宮内膜症と不妊の関係についてです。
子宮内膜症だからといって、必ずしも不妊症になるわけではないようです。
子宮内膜症で、不妊症を合併するのはおよそ50%くらいとされています。
なので、子宮内膜症でも、半数は何の問題もなく自然妊娠することができるちうことです。
しかし、50%は不妊症を引き起こすということです。
子宮内膜症によって不妊の原因になると考えられているものははっきりとわからない状態です。
子宮内膜症による炎症や癒着によって、組織が変形してしまい、
物理的に妊娠が妨げられるケースもあれば、
子宮内膜症に伴って分泌される物質によって周囲の化学的な環境が変化し、妊娠を妨げるケースもあるります。
それは、
具体的には、排卵しづらくなったり、卵子の質が低下したり、卵管の通りが悪くなったり、
排卵された卵子を卵管に取り込むことができなくなったり、着床しづらくなったりと
それぞれ複雑に絡み合い影響しあったりします。
治療では、子宮内膜症の完治は難しいといわれています。
子宮内膜症を引き起こす、生活習慣やストレスをためる日々の生活を改善していくことこそが
大切だといえます。
子宮内膜症の問題は再発リスク
2009年の報告では術後2年で20%、5年で40~50%が再発するとされています。
近年の晩婚化、内膜症発症の若年化も相まって、
術後再発は私ども婦人科医の中でも大きな問題となっている
原因が特定できない子宮内膜症は、20代~30代の女性に多くさらに
初潮年齢がはやまり、結婚する年齢が引きあがると生理の機会が増え
妊娠についてや、症状の悪化という問題が増えてしまうのですが、さらに問題になるのが、
再発というリスクです。
子宮内膜症は手術をしてもまた再発してしまう。
そのため、できる限り再発を起こさせないためのセルフケアなども取り組んでいきたいところですね。
子宮内膜症でも妊娠します
生活習慣を見直すなどのセルフケアによって、その進行を遅らせたり、影響を減らしたりできます。
子宮内膜症があっても、妊娠は可能です。
また、妊娠して、整理が止まることで、子宮内膜症も改善します。
妊娠しやすいからだつくりをして、排卵しづらくなったり、卵子の質が低下したり、卵管の通りが悪くなったり、
排卵された卵子を卵管に取り込むことができなくなったり、着床しづらくなったりと
なっている部分を改善していきましょう。
結果、ひどい生理痛の改善につながります。
月経不順の原因を改善する
子宮内膜症はエストロゲンによってその症状が悪化します。
月経周期が短い場合、月経の期間が長い場合は、
ホルモンバランスの崩れから、子宮内膜症が発症しやすくなります。
そのため、ホルモンバランスを整えるための生活を心がけることで、
正常な月経サイクルを目指していきましょう。
食生活を改善する
肉や加工肉、乳製品、動物性脂肪と合わせて、糖質を多くとる女性ほど
子宮内膜症を発症しやすくなります。
タンパク質や脂質は糖化することで体内で悪影響を及ぼす物質となります。
一方で、野菜や果物を多く摂る女性ほど発症しにくいとの報告があります。
特に、食物繊維を多く摂ることで、過剰なエストロゲンの影響を軽減してくれると、
近年注目を浴びる栄養素となっています。
また、脂肪の摂取については、オメガ3脂肪酸を多く、トランス脂肪酸を少なくすることで、
より非炎症体質になり、子宮内膜症の影響を軽減できるようになります。
適度な運動習慣
適度な運動習慣を取り入れていると、血液循環がよくなり、
血液に乗って運ばれるホルモンがスムーズに運搬されるように整い、
子宮内膜症の発症リスクを低くしてくれます。
子宮内膜症をおこすもととなった生活習慣を見直して、妊娠しやすい体質づくりを
していくことで、妊娠は十分可能です。
ご自身のからだのささいな不調をそのままにせず、
ご自身の体の声にも耳を傾けて、大切にしてあげることが妊娠への第一歩ですね。