体外受精(IVF)における妊娠の確率・出生率 不妊治療で本当に妊娠できるの?
不妊で悩んだらステップアップし、体外受精に進めばなんとかなるのでは?
そんな期待と一方で経済的・肉体的・精神的にかかる負担と不安に
これから先妊娠できるのか、妊娠するには一体どうしたらよいのか
悩まれているのではないでしょうか。
体外受精における妊娠確率、年齢による妊娠確率・出生率を見ていきましょう。
また、妊娠確率を高めるためにはいったいどうしたらよいのかまとめてみました。
高度生殖医療の体外受精において、妊娠の確率
体外受精における妊娠確率は、
20%程度を推移しています。近年、体外受精を受けるご夫婦が増えている一方で、
この妊娠率は横ばいです。
体外受精にエントリーしたとしても、その妊娠確率は20%
5組に1組が妊娠をして、それ以外は、妊娠できずにいるという事です。
決して妊娠率が高い治療ではないという事です。
妊娠まで至っても、その後流産したり、無事出産し、赤ちゃんを抱くまでにたどり着ける確率は、
もっと下がってしまいます。
体外受精で赤ちゃんを抱くことができたご夫婦の割合は?
さらに、妊娠にいたっても、流産する、出生までたどり着けないケースも考慮すると、
2010年では、体外受精新鮮胚移植では、
全国で体外受精新鮮胚移植を試みた夫婦100組のうち赤ちゃんを抱けたのは約7組です。
一方で凍結保存していた胚を融解して子宮内胚移植を試みたご夫婦では、100組のうち22、
23組が赤ちゃんを抱けています。
良好胚は積極的に凍結保存に回すことができます。
そのため、新鮮胚移植の成績を下げている可能性はあるおのの、
質・数ともに凍結保存が可能なだけの胚ができたというで、
新鮮胚移植の選択肢しかなかったケースに比べて妊娠しやすくなって、
凍結融解胚子宮内移植の有効性がうかがえます。
それでも、約20%程度です。
年齢と体外受精での妊娠率の関係
体外受精の妊娠率といっても、年齢によって大きく異なります。
25歳以上で40%をきり、32歳くらいまでは37〜38%の確率です。
しかし35歳をこえた時点から、30代後半から徐々に妊娠率は低下し、
40歳で20%をきり43歳で10%、44歳で10%をきります。
そして45歳以上は5%以下となり限りなく0になってしまいます。
35歳を過ぎた当たりから一気に妊娠率が低下してしまうのです。
あくまでもこれは妊娠率で、出産までいたった数字ではありません。
体外受精から出産までの確率(出生率)
体外受精をして妊娠できたからといって、必ずしも出産できるとは限りません。
高齢であればあるほど、妊娠のリスクは高まります。
35歳までは19%程度ですが、
それ以降は急降下し、40歳では9%、42歳では4%、
45歳以降では限りなく0に近い数字になります。
体外受精さえ受ければ、治療さえすれば何とかなるのでは?
そんな希望を打ち砕くかのような統計結果ですが、
あくまでこれは体外受精を行った場合の統計なのです。
単純に高齢だから妊娠しにくい、出生できなくなっているわけではありません。
驚かれるかもしれませんが、
ひと昔前は、40歳以降でも、高齢妊娠・高齢出産は当たり前でした。
妊娠できるかカギを握るのは
若ければ若いほど良いというのは、より卵子の老化が進んでいないという事も言えますが、
たとえ40歳以上でも、卵子の質を高め、ホルモンバランスを整えた
着床し、その後も定着できる力が備わっていれば、
妊娠率は格段に上がります。
研究結果より、卵子の遺伝子年齢ではなく、卵子の細胞質の質が良いのかどうかが
妊娠できるのかどうかのカギを握ることが判明しています。
体外受精に挑戦しても、80%は妊娠できず、赤ちゃんを抱けないままなのです。
高額な医療費、肉体的・精神的な負担に見合うでしょうか?
一方で希望がある限りトライしたい気持ちもわかります。
体外受精をこのまま続けた方がいいのか、本当にこのままで大丈夫なの?
不安がよぎるのでしたら、せっかくの治療を無駄にしないために
一番につけてほしいのは、
受精卵がしっかりと定着でき定着力をつけておくことこそが大切です。
今まで自分でできることは頑張ってきて、やれることは全部しつくして、
それでも妊娠できなかったから、だから、体外受精にかけてきました。
そう、おっしゃる方でも、やり残していることはまだあります。