精液に含まれる精子はたったの1% 精しょうが妊娠に影響

精液に含まれる精子はたったの1% 精しょうが妊娠に影響

妊娠にとっても大事だと思われている精子ですが、精子は精液の中では

たったの1%~5%程度しか占めていないといわれています。

のこりの精しょうと言われる液体の部分にも妊娠しやすさに影響する部分があり

精子ばかりに着目しているのでは逆に妊娠しやすさを作り上げられないかもしれません!

 

精液は精子と精しょうからできている

精液は、精子と液体(精しょう)からで成り立っています。

精液には、精子部分と液体部分に分けられます。そのうち、精子はたったの1%程度と
言われています。液体の部分は「精しょう」と呼ばれる前立腺と精のうから分泌された液体です。

そして、妊娠には、精子ばかりが着目されているかと思います。

子どもが欲しい気持ちが高まり、妊活・妊活となっていると性生活という部分よりは

子種となる精子こそが必要で、後はどうでもいいと思ってしまっているかもしれませんが、

この残りの液体部分にこそ妊活に必要な物質が含まれていることを見落としてはいけません。

 

精液に含まれる精子以外が意外と重要な役割を担う

精しょうには、なんと50種類以上のホルモンや神経伝達物質や免疫抑制物質が含まれています。

人間の心に良い働きをする物質であったり、夫婦の絆を深めたり、

お互いを信頼し合い愛を育みあう事にも役立ちます。

精しょうによって入っている成分は膣壁を介して吸収していき女性の精神的な安定にも

影響を与えていくこともわかっています。

例えば、ストレスホルモンであるコルチゾールも含まれています。

コルチゾールは短期間に愛情を感じさせるような役割もあります。

また幸せホルモンであり、セロトニンも含まれます。気分をかためて幸福感に満たされるようになります。

抗うつ作用があるといわれるプロラクチン・オキシトシン・

そして睡眠を促すメラトニンなども含まれています。

精液を粘膜から吸収すると女性は抗うつ作用が高く、コンドームを使用せず性生活を持っている場合は

うつ度が低下するとも言われています。

Archives of Sexual Behavior」に発表された研究では、避妊しないで性交をした女性は、

避妊して性交をした女性、またはまったく性交していない女性に比べて、

うつ的症状を示すことが少なかったと報告されています。

避妊しない性生活があればあるほど、繋がっている感・一体感・幸せ感を

感じ絆を深めて妊活を円滑に進めていくこともできます。

 

夫の精液に暴露されているほど、子宮内膜内に着床しやすい

女性の膣は、夫の精液に触れていればいるほど、精子や受精卵を受け入れる様

免疫寛容のシステムがうまく働くようになっています。

あくまで自分以外の細胞には攻撃をしかめるため、受け入れていくには、

免疫寛容というのを起こす必要性があります。そのための役割として

の免疫細胞が、精液に暴露されるほど物質が生産されるようになるため

受精しやすく、受精卵が着床しとどまりやすくなります。

精子だけが大事なのではなくのこり99%の精しょうという部分も妊娠には

とても重要な役割があります。

 

 

男性の精液が精子の質を左右する

不妊治療の現場で行われてきた、男性の精液検査では、注目してきたのは、

もっぱら精子ばかり。しかし精液に含まれるのは精子だけではないため、

血液検査などで、コレステロールや血糖値などを調べるのと同じように、

精子以外の精液成分(精しょう)を調べていくことで、

生活習慣や健康状態、妊娠能力まで分かる可能性があるといわれています。

ダンテ取締役CTOで広島大学大学院生物圏科学研究科の島田昌之教授によると、

精子の運動は精液成分によって決定されるため、

精液に含まれる脂肪酸やアミノ酸などの成分が精子に取り込まれ、精子の運動性に

影響を与えているためそこの改善こそが必要とも言われています。

精液は、あらかじめ睾丸に入っているわけではありません。精液は、

射精のタイミングで複数の組織が作り出す材料があわさり作り上げられるのであって、

作り置きはされているものではなく、その時に作られるものという事です。

普段から射精回数が多い男性ほど、精子の質が高いことが報告されていますし、

性生活の回数が多いほど妊娠確率も高まる傾向にあります。

 

精液内のテストステロン値を高める事で精子の質が高まる

精子を生成するのを手助けするテストステロンは、精液内のテストステロン値が

高い男子程精子の質が高まります。男性の性ホルモンは年齢とともに低下してしまう

点もありますが、テストステロン値のに影響がでるのは生活習慣という点が大きいわけです。

「生活習慣が精液の質と密接に関わっており、血液や尿のように、

精液中の微量成分にも本人の健康状態が反映されていることが分かりました」と、

順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎教授は話しています。

 

イスラエルのLevitas氏らが2004年にfertility and sterility誌に報告した

Relationship between the duration of sexual abstinence and semen quality: analysis of 9,489 semen samples.

(禁欲期間と精液所見の関係:9489例の精液所見から)によると

禁欲期間は0~2日が望ましいといわれています。

こういった禁欲をあまりせず、射精回数がおおいほど妊娠しやすい習慣ともいえますね。

他にも、食事や睡眠、運動習慣、喫煙や飲酒習慣やストレスなども精液に影響がでてきます。

 

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この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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