卵管采癒着があっても妊娠可能?自然妊娠は?

卵管采癒着があっても妊娠可能?自然妊娠は?

卵管采は卵管の先にあってイソギンチャクのように動いて排卵された卵子を拾い上げ

卵管に運こぶ役割がありますが、その卵管采がくっついて癒着してしまう事で

受精障害をまねいてしまい、どれだけタイミングを合わせても子供ができないといった

不妊につながっています。

そんな卵管采癒着について、妊娠していかれるのか?また自然妊娠は可能なのか?

といったことを見ていきましょう。

 

卵管采癒着とは

卵管采とは、卵管の先にある部分で、手のひらを広げたような形でイソギンチャクのような

感じで排卵された卵子をつかまえてきますをしています。


そして、排卵に合わせて卵巣に近づき、

卵子を卵管内に取り込むと考えられています。

卵管の癒着によって、卵管が動けない状態になっているために、

卵巣に近づけなくて取り込めないのではないかと考えられています。

 

卵管采の癒着と不妊

悩む女性

妊娠の条件として、精子と卵子が出会い受精すること、そしてその受精卵が

子宮内膜に着床するといったことによって成立していきます。

そのため、卵子が排卵され、卵管に運ばれいていき、卵管の中をコロコロ通って

射精されて出てきた精子と出会う受精が必要なのですが、

卵管采に癒着がある場合、卵巣から排卵された卵子がイソギンチャクのように動く

卵管采の動きによって拾い上げてもらえず(キャッチアップ障害)卵管へと運ばれなくなって

しまいます。そのため、受精できず妊娠できないという不妊の原因になります。

ただ、卵管采癒着は検査で知ることが難しく、女性の不妊の原因のおよそ

半数をしめるという原因不明不妊の原因ともなっています。

 

卵管采癒着の原因

受精の妨げになってしまう卵管采の癒着は、いったいどういった原因によっておこるのでしょう。

クラミジア感染と炎症

ピックアップ障害がおこる原因は様々ありますが、性感染症クラミジア感染によって卵管に

炎症が起こる事で卵管采が癒着してしまったり、正常に機能しにくくなるという事が

おこりやすくなります。

子宮内膜症による炎症と癒着

子宮内膜症は大きな不妊の原因としてあり、子宮の内膜に似た組織が、子宮腔以外に

できて増殖してしまう事で生殖機能を低下させてしまいます。

子宮内膜症は卵巣や卵管、腹膜、腸、膀胱などの場所で主に発生しやすく、増殖し、炎症を起こすため、

卵管采の癒着や正常に機能できないといったことを招きやすくなります。

この子宮内膜症は血液の逆流によっておこる病気です。

血液が逆流してしまう理由として、自律神経の不調によって血液循環が悪くなると指摘もされていますし、

免疫力が関係しているとも言われています。

免疫バランスが良い女性は血液が逆流しているとしても、持っている免疫機構によって

臓器に子宮内膜組織がくっつないように働いているため、子宮内膜症にならない女性もいます。

 

手術による癒着

子供を帝王切開で出産している場合、その際の手術による卵管の癒着や、

虫垂炎などの腹部手術によって癒着がおこる事が考えられています。

 

原因不明不妊のひとつにピックアップ障害

卵管采が卵子をピックアップしているのかどうかは、検査で調べることが非常に困難と言われています。

卵子は小さいため超音波検査では確認することができず、実際にキャッチアップし、

卵管に取り込まれているのかを調べる事ができません。

そのため、原因不明不妊として分類されています。

タイミング療法や人工授精をしていても妊娠しない場合は、病院では、ピックアップ障害も

原因の一つとして考えられますが、妊娠できない原因をそれだけに特定はできないのが現状です。

卵子の劣化、卵巣機能の低下も不妊の原因になっているため、

一概に原因不明不妊の原因をピックアップ障害とだけに決めつけることもできません。

直接確認できないため、過去にクラミジアの感染や手術の既往歴がある場合は

不妊の原因をピックアップ障害も視野に入れて妊娠に向けて方向性を考えてみるとよいでしょう。

 

卵管采癒着がある場合、妊娠は可能?

不妊赤ちゃんきた夫婦

卵子をピックアップしているかどうかは検査することができませんが、

実際に卵管采の癒着がおきている場合は、癒着をはがす手術をすることでその後に自然妊娠されている方もいます。

また、体外受精も効果的な治療になるため、受精できずにいる問題を

解決はしてくれます。そのため体外受精も妊娠していくための有効な治療となります。

ただ、体外受精を行っていても妊娠できないケースも多くあり、

不妊の原因は卵管采の癒着やピックアップ障害だけでもなく

卵子そのものの問題や卵巣機能の低下、着床しないといった部分もあるので、

体外受精をずっと受け続ければ妊娠するという事でもありません。

 

卵管采癒着の場合自然妊娠は可能?

卵管采の癒着がある場合は自然妊娠が可能なのかという部分も見ていきましょう。

実際に自然妊娠で産んでいる人、生まれている人もいるようですし、

カウンセリングなどをしていて奇跡の自然妊娠をされていくケースもあります。

医師からは自然妊娠は難しいといわれているケースでも妊娠していたり、

医師の診断がすべてではなく、検査することができない部分もある事、

その時その時で体の内部は変わっていくことなどもあり、自然妊娠もおきています。

医師の診断を覆しまさかの自然妊娠本人が一番驚かれるケースですね。

それもそのはず、医師からは自然妊娠は無理でしょうと言われていたからです。

 

かれこれ約40年前、ウチの母も癒着を通す手術を受けて、兄と私を年子で産みました。
昔受けた盲腸の手術あとが癒着してしまったみたいです。
たぶんトピ主さんより酷い癒着だったものと思います。
医師から「奇跡」と言われたそうですから。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0622/135142.htm

 

卵管造影のあと、自然妊娠で出産…されました。私自身が。
二十数年前になりますので技術は現代ほどではなかったはずですが、5年間授からず、造影のあと数ヶ月で受精着床したそうです。
造影剤を通すことが刺激になったのかもしれないと母が言っていました。

引用サイト http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2012/0209/482174.htm

 

妊娠しやすくしていくためには

妊娠できなくさせてしまうピックアップ障害の原因である子宮内膜症は

不妊で悩む女性はあわせもちやすいといわれています。

月経血が逆流しやすい、免疫バランスが乱れ臓器に子宮内膜の組織がくっついて

子宮内膜症を発症しやすくなってしまいます。

子宮内膜症はピックアップ障害だけでなく、卵巣機能の低下や、炎症反応によって

サイトカインやプラスタグランディンといった炎症物質が分泌され

受精卵の成長が妨げられてしまいます。受精しにくい、受精後がスムーズになりにくいため

妊娠しにくさを作ってしまっている体質改善に取り組んでおきましょう。

体外受精ができる部分はあくまで受精のサポートですし、

何度も何度も繰り返し受けられる不妊治療の方法でもありません。

しかも子宮内膜症を治療で直そうとすると、ホルモン療法を行うため、排卵がとまり、

本来望んでいた赤ちゃんができなくなってしまいます。

 

 

参考サイト

子宮内膜症と不妊の関係 https://www.kodakara.net/endometriosis-infertility/

卵子のピックアップ異常に伴う不妊 https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/blog/infertility/1780/

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

プロフィールを詳しく見る

みなさんに読まれています

妊娠された方々も読んだ
「妊娠するための教科書」を無料プレゼント。
みなさんにお役立ていただき、
喜ばれたLINEメッセージです。

LINE登録はこちらから

トップに戻る

もっと知りたい