不妊改善にダイエット 痩せホルモンの増やし方

不妊改善にダイエット 痩せホルモンの増やし方

ダイエット女性

不妊の大敵肥満体質。太っていると性ホルモンの分泌にも影響がでて

女性ホルモンであるエストロゲン分泌が減少します。そのため、

痩せホルモンGLP-1が注目を浴びているのです。

妊娠したいから、痩せたいとダイエットをされている状況でしたら、

このホルモンのサポートを得て、妊娠しやすい体質つくりに痩せホルモンを増やす

習慣を取り入れていきませんか?

 

肥満の目安

太っていると不妊体質になりやすくなります。

BMIが30以上の肥満の場合不妊体質になる確率は2.7倍になります。

BMIというのは、ボディマスインデックスと呼ばれ

ボディ・マス指数や体格指数などと呼ばれています。太っているか、やせているかといった

体格についてを数字で示す指標として用いられています。

ベルギー人の数学者・天文学者であり統計学者のアドルフ・ケトレーによって、1835年に開発され、

健康を維持していくための指標として国際的にも取り入れられています。

太りすぎややせすぎは健康を維持できず病気にかかるリスクも高まります。

[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]といった計算式になり日本肥満学会では、

BMIが25以上の場合を肥満と定めています。

BMIは22が理想とされ一番病気になりにくいといわれています。

 

肥満と不妊

妊娠しやすさにはホルモンの分泌がバランスが良いことも重要です。

通常では脂肪細胞からアディポネクチンというたんぱく質が作られ、

このたんぱく質が太りにくくはたらくインシュリンの作用を助けています。

しかし、一度肥満になってしまうと、脂肪細胞からは、このアディポネクチンの分泌が減るようになり、

動脈硬化を起こすことがわかっています。

同様に最近の研究では、肥満でアディポネクチンが減ってしまうと卵巣の外皮が厚くなって、

卵子がうまく育たなかったり、排卵しにくくなるといった排卵障害や卵子の未成熟などを

引き起こすことがわかってきました。

エストロゲンの分泌が低下しても肥満になりやすく、女性ホルモンの乱れが

肥満を招き、さらに妊娠しにくい体質をつくるという悪循環が生まれやすくなります。

つまり、肥満が「生理不順」や「不妊」の原因になるのです。

 

肥満がある場合は、妊娠だけでなく妊娠経過にも出産にもリスクを伴うようになります。

そのため、不妊治療の前にダイエットするよう指示されるという事もあります。

 

痩せホルモンGLP-1とは

食事をとると、小腸から分泌されはじめ、

血糖値を下げようとして働くインスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンがあります。

こういったホルモンを、インクレチンといい、

GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激 ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)があります。

 

GLP-1は、食事をとって血糖値が上がると、小腸にあるL細胞から分泌され、

すい臓のβ細胞表面にあるGLP-1の鍵穴(受容体)にくっつき、β細胞内からインスリンを分泌させます。

GLP-1は、インスリンの分泌を促すだけでなく、

血糖値を上げるホルモンの分泌を抑制してくれます。

そのため、血糖値の上昇を抑え、緩やかにしてくれます。

血糖値が急上昇しなければ、急降下することもありません。

血糖値が乱高下することなく、安定することで、

食べた物が脂肪として蓄積されるのを防ぐ効果があります。

このほか、食べた物を胃からゆっくり排出させる作用や、

満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果もあります。

 

このGLP-1は痩せホルモンとしても知られ、

痩せている人はたくさん分泌されているホルモンです。

 

痩せホルモンの効果

血糖値の急上昇を防いでくれる

まず、私たちが食べたものは、食事開始後30分くらいかけて血液の中の糖の濃度を上昇させていきます。

食べ物が消化吸収されると血糖値は上がるという性質を持っているのです。

でも、体の組織がすぐにそれらを活用するため、おおよそ2時間くらいで食事前の血糖値に戻る、

というのが健康な人の体内で起こり、ある一定範囲で安定するようにコントロールされています。

でも、一度にたくさんの糖質(食物繊維を除いた炭水化物)を大量に摂ることを続けていると、

血糖値が下げきれずに病気になったり、

そうでなくても、余った糖が体脂肪に変わって太りやすくなったりしてしまいます。

 

炭水化物を含む食事をすると、ブドウ糖となって血液によって全身に送り込まれます。

正常な人ならインスリンによって血糖値が徐々に下がるのですが、

一度にたくさんの糖質を摂取したりすると、ブドウ糖が使われずに余ってしまい、

皮下脂肪として蓄えられやすくなります。

そのため、摂取カロリーは控えめでも、糖質の多い血糖値を急上昇させやすいものを

食べて血糖値の乱高下をおこすほど、太りやすくなります。

 

痩せ体質には血糖値を急激に上昇させないことが大切です。

痩せホルモンの効果によって、食べ物が胃から腸へ通常よりもゆっくりと

運ばれ糖分が腸内でゆっくり吸収されるようになると、

血糖値の急上昇を緩やかにしてもらえます。そのため太りにくく、痩せやすくなります。

 

 

満腹中枢を刺激し満腹感で満たされる

痩せホルモンは脳の満腹中枢を刺激して、

少ない食事量でも満腹感を得られやすくしてくれます。

また、消化と吸収のスピードをゆっくりにしてくれるため、

満腹感を得やすく、それが持続するという効果があります。

満腹感が長持ちすれば自然と無駄に食べ凄ることを防ぎ、

徐々にカロリー摂取を減らしていくことも可能でしょう。

運動が苦手な場合や、つらい食事制限ではなかなかダイエットはうまくいきません。

ダイエットのかなめになるのは、落ちた体重とスリムになった体系を維持

キープしていくことにあります。

そのため、無理なダイエットは長続きせず、リバウンドしやすくなります。

痩せホルモンGLP-1は個人差が大きいものです。

食事をちょっと工夫しながらできる痩せホルモンを増やす方法をみていきましょう。

 

痩せホルモンの効果的な増やし方

痩せホルモンであるGLP-1を効果的に増やすには、
食べ物から腸を刺激して分泌を促す方法があります。
(1)食物繊維
痩せホルモンGLP-1を分泌するのは、小腸から大腸にかけて存在するL細胞です。
そこを刺激することで痩せホルモンが分泌されやすくなります。
食物繊維は、大腸に入ると腸内細菌によって分解され、
L細胞を刺激して痩せホルモンの分泌を促してくれる非常にすぐれた
近年注目をあびる存在です。
(2)EPA
サバやイワシなどの魚介類に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)にも、
痩せホルモンの分泌を促す効果があります。
L細胞には、EPAの受容体があり、L細胞にEPAが入ると痩せホルモンが分泌されるからです。

 

 

食物繊維やEPAを程よく摂取する食べ方

食物繊維は、1日20gを目安に摂ると良いとされています。

厚生労働省による食物繊維の摂取基準量は18歳以上で男性19g、女性17gとされていますが、

通常の食事で平均的に摂取されている量は13g程度で基準値に達していないのが実情です。

和食中心のバランスを考えた食事でも不足気味になります。

そのため、おやつなどにフルーツをそのまま摂取したり、

ヒジキや野菜のおかずを意識して多めにとるようにしていくとよいでしょう。

 

EPAは、サバ缶やイワシ缶などの摂りやすい食品があります。

1日1缶を目安に食べると良いですね。

痩せホルモンを早めに分泌させて満腹中枢を刺激するためにも、

食物繊維やEPAを含む食べ物から食べるということもポイントになってきます。

 

 

食物繊維の多い食べ物 ベスト10

(100g中)
1位 きくらげ(乾) 57.4g
2位 ひじき(乾) 43.3g
3位 昆布(乾) 37.1g
4位 海苔(乾) 36g
5位 インゲンマメ(ゆで) 13.3g
6位 おから11.5g
7位 大麦 9.6g
8位 オートミール9.4g
9位 納豆 6.7g
10位 モロヘイヤ5.9g

EPAの多い魚 ベスト10

1位 サバ水煮缶 2370mg(メーカーにより異なる)
2位 いくら 1613mg
3位 マグロ(トロ) 1450mg
4位 イワシ 1171mg
5位 ハマチ 984g
6位 イワシ水煮缶 949g
7位 ブリ 940mg
8位 秋刀魚 885mg
9位 ニシン 874mg
10位 鰻 587mg

 

 

まとめ

食物繊維やEPAを多く含む食品は、痩せホルモンの分泌を促す効果があり、

妊娠しやすさを求めているダイエッターには心強い味方になるでしょう。

また、これらの食品にはダイエットという視点だけではなく

別の栄養素から見ても妊娠しやすくしてくれる効果が高いものが並びます。

食べるもので私たちの体は構成されています。

それらが関係しあって、1つ1つの細胞が連携します。

卵子だけを元気にすることはできません。

ただ痩せたからと言って妊娠いしやすくなるわけでもないといえます。

食事においてもバランスが取れると、

心の安定や、ホルモンバランスも整いやすいといえます。

日々食べるものを大切に、バランスをとっていくことって大切ですね。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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