妊娠初期に卵巣の腫れ?原因と痛みについて

妊娠初期に卵巣の腫れ?原因と痛みについて

妊娠初期に卵巣が腫れちゃった?

待ちに待った赤ちゃんがお腹にやってきてくれて嬉しいさいっぱいの時まさかの

妊娠にはトラブルという事もあります。妊娠してからは不安も沢山ありますよね。

病院の先生に「卵巣が腫れていますね」と言われたら、とても不安な気持ちになってしまいます。

今回は妊娠初期の卵巣の腫れの原因や妊娠初期の下腹部の痛みについてです。

 

卵巣とは

卵巣は、子宮の両側にある親指くらいの大きさの臓器で、アーモンドのような形をしています。

女性は、卵巣の中に、卵子の元となる数百万もの原始卵胞という細胞をもって生まれてきます。

思春期に生殖機能が発達すると、原子卵胞はホルモンの影響を受けて成熟卵胞へと成長を始めます。

約28日間の生理周期ごとに、左右どちらかの卵巣で「排卵」が起こるようになるのです。

通常、1回の排卵で排出される卵子はひとつ。排卵されなかった卵子は体内に吸収され、

成熟卵胞になれなかったものは退行していきます。

卵巣には、胎児のもととなる卵子を育てる役割の他、妊娠に備えて子宮をコントロールする

2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を卵胞から分泌する役割をもっています。

 

妊娠初期の卵巣の腫れの原因

卵巣の腫れる原因はいくつかあります。

中でも妊娠初期の卵巣の腫れの原因は大きく分けて2つあります。

それは、「ルテイン嚢胞」と「卵巣嚢腫」です。では、この2つを少しご説明していきましょう。

 

ルテイン嚢胞

妊娠初期に卵巣が腫れる原因は、ホルモンの影響であることが多いです。

ルテイン嚢胞は、妊娠中に出現し、ある時期をこすと自然に消えていく卵巣の腫れのことを言います。

卵巣は、排卵したあと黄体というものが形成されます。

この黄体の目的は、受精がうまくいったときに、受精卵を育てる助けをするために、

子宮内膜に信号を送ることです。しかし、ほとんどは妊娠が成立せず、月経を迎えます。

しかし、妊娠がうまく成立したときは、将来胎盤になる組織から、HCGというホルモンが分泌され、

このHCG黄体を簡単に退縮しないように黄体に働きかけてくれるのです。

ときに、このHCGの刺激による反応で、黄体に水分がたまって卵巣が腫れてしまうことがあります。

これがルテイン嚢胞です。ルテイン嚢胞自体は、一般的に6センチ以下と言われていて、

妊娠8週~10週くらいを過ぎると小さくなっていきます。

小さいものであれば問題はありませんが、7㎝以上の大きさになることもあります。

その場合は破裂や軸捻転のリスクがあります。また、他の臓器を圧迫することで痛みも出現してきます。

破裂や軸捻転を起こすと緊急手術が必要となります。

 

卵巣嚢腫

腫瘍のために卵巣が腫れている状態です。

妊娠によって卵巣が腫れるというよりも、以前からの腫れが妊娠の検査で発覚したというケースが多いと思います。

 

卵巣の腫れの治療は?

ルテイン嚢胞の場合

ルテイン嚢胞は先程お話ししました通り、妊娠8週~10週で腫れが小さくなり収まることが多いです。

そのため、経過観察で様子を見ることがほとんどで、積極的に治療を行うことはありません。

ただ、腫れが大きい場合は手術の適応となることもあります。

また、腫れが大きいと妊娠中、分娩中に破裂や軸捻転の可能性があります。その場合は治療が必要です。

 

卵巣の嚢腫の場合

腫瘍により卵巣が腫れていても、すぐに手術が必要なわけではありません。

出血や痛みなどの他の症状がなく、腫瘍も小さいようであれば様子観察となります。

手術が必要であっても、妊娠10~12週は、

手術に使う麻酔薬などの影響を考えて、12週までは最低でも手術は控えます。

 

妊娠初期の卵巣の痛み

妊娠初期の卵巣の腫れについてお話してきました。卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、

症状が出にくい臓器です。では、妊娠初期に現れる卵巣の痛みは、どのような原因があるのでしょうか。

妊娠初期の卵巣の痛みの原因についてお話ししていきます。

 

ホルモンバランの影響による痛み

妊娠すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)や、エストロゲン、

プロゲステロンなどの分泌量が増えてホルモンバランスが変わってしまいます。

こうしたホルモンは、腸の動きを弱めて、便秘や下痢を起こしやすくしたりします。

また、先程お話ししましたように、卵巣を刺激してルテイン嚢胞となり腫れの原因になります。

このことから、下腹部痛を起こしやすくなります。

 

子宮が大きくなるための痛み

妊娠すると、子宮のサイズはどんどん大きくなります。鶏の卵くらいだった子宮は、

妊娠三か月のころには握りこぶし大までおおきくなります。ぐんぐん大きくなっていく子宮に、

筋肉や靭帯が引き伸ばされて、突っ張るような痛みを感じるようになります。

 

靭帯や骨盤のゆるみによる痛み

子宮は靭帯や筋肉に支えられて位置を保っています。

子宮の成長や出産に備えて、靭帯が緩みやすくするため、リラキシンが分泌されます。

人体や骨盤の位置が、子宮の成長の影響を受けて痛みを生じます。

 

まとめ

妊娠初期の子宮の腫れ、痛みについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

妊娠すると、様々な不安が出てくる中で、卵巣が腫れていますねと言われると、

不安がさらに強くなってしまいますよね。不安な気持ちで過ごすことは、赤ちゃんにも良くありません。

少しでも不安な症状や気持ちがある場合は、医師や看護師に相談しましょう。

不安なく、健やかに妊娠期間を過ごせると良いですね。

 

<参考>

妊娠初期に卵巣が腫れる原因は?無事出産できる? https://tibikko.com/ninshin/14381.html

妊娠初期の卵巣痛み・腫れの原因は?チクチク・ズキズキ生理痛と違う?ルテイン嚢胞http://kono-ladies-clinic.jp/lutein%20cyst.html

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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