男性の年齢上昇によって流産率が1.5倍も高まる

男性の年齢上昇によって流産率が1.5倍も高まる

女性の年齢と不妊、年齢と流産率の上昇はよく知られています。

しかし、男性の年齢によっても妊娠しにくさや流産率も高まっていきます。

女性の年齢だけでなく男性の年齢も流産に影響してくるため、

ライフプラン設計は男性も年齢のことを考慮しておく必要性が高いことを意味します。

 

男性の年齢と流産率との関係

年齢とともに女性の流産率は高まっていきます。40代では40%~50%近くまで

高まるため、子どもを妊娠する事よりも出産することがとても難しくなります。

しかし、その女性の年齢を考慮しなかったとしても、男性の年齢だけでも

流産率が高まる事が研究で報告されています。

Hum Reprod Update16: 65-79 2010によると20歳の男性の流産率を1とした流産相対リスクとし

年齢が上昇する事にそのリスクが高まっていきます。

男性の年齢が38歳以上では1.5倍に異常に高まっていきます。

流産への影響する要因は年齢だけでもありませんが、

男性の精子の質や年齢も無視できない部分もあります。

年齢はそのものを改善することはできませんが、精子は作り変えられる細胞であるため

できるだけ射精や性生活を繰り返し酸化ストレスにさらされない細胞へと入れ替える事も

妊娠・出産に向けてできることにつながります。

 

男性の高齢化は産まれてくる子供への影響も高まる

男性の高齢化の影響は流産だけでなく、産まれてくる子供の先天性異常も

増えるという事もわかっています。

女性の年齢ももちろん影響しますが、Hum Reprod Update16: 65-79 2010によると、

女性の年齢の部分を補正したとしても、男性の年齢が30歳以上では、

その年齢が高くなるに従い、うまれてくる子の先天異常のリスクが

明らかに上昇していきます。その原因としては、男性の精子のDNA遺伝子が

加齢にともないダメージを受けたり障害を受ける可能性が高まることだと考えられています。

 

まとめ

妊娠というのは全般的に女性に心身ともに影響がでてくる人生に影響する

大きなイベントです。流産一つとっても、大きくストレスと受け止め悲しんだり

つらい思いをするのは女性です。産まれてくる子供の健康や子育て関わる事も、

母としての役割を強く感じ子育てをしていく女性にとっては重要関心事です。

もちろん夫婦で乗り越えたり、支え合っていくのが妊活ですが、

男性も男性の年齢によって女性に与える妊娠・不妊に関わる影響力が大きいことを知り

協力的な姿勢を持っていくことも重要でしょう。

そして、20代だから大丈夫という事もなく、25歳以降からすでに男性も妊孕性が低下することを

知っていてくださいね。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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