不妊ストレス イメージ療法などで妊娠率3倍向上

不妊ストレス緩和 イメージ療法などで妊娠率3倍向上

不妊で悩む女性は、ストレスを抱えていて、不安や焦りで心が傷すいてもいます。

そのため心理療法やグループでの心理療法が効果的になるという研究報告もあります。

自分の悩みを理解されにくいと思うと相談はしにくいものです。

でも、同じ悩みを抱えているから、苦しみを分かり合えるからこそ

勇気を持てる、励まし合える、支え合えるという事もできるものです。

 

心理療法やグループでの心理療法が妊娠しやすく働きかける

東海大学病院で、6ヶ月以上不妊治療を受けている女性74人を対象にした

グループでの心理療法やイメージ療法が妊娠率を3倍ほどに伸ばしているという

結果があります。(1

この研究では平均年齢は34歳となっています。

不妊治療をはじめてからの期間は平均で約6年とのこと。

他にもある瞑想やイメージ療法や認知行動療法と合わせたメンタル的な

サポートでも似たような妊娠確率を高める効果が出ているため、

こういったサポートの有効性がうかがえますね。

この研究では、5週にわたり週1回90分のミーティングをひらき、

抱えている悩みを語り合うということや、

受精卵が着床するといったイメージ療法をもちい、イメージして思い浮かべたりしています。

不妊治療歴が平均6年経過していても、通常の不妊治療よりも妊娠確率を

3倍近く伸ばせている点がすごいことです。

心理的なサポートはいかに女性が心身ともに健康で安心して妊娠していくために必用な

ものなのかという事が理解できますね。

 

そして、通常の不妊治療を受けながら心理療法を受けていない人は妊娠したのが、

37人のうち5人にとどまったのです。

心理療法を受けている場合は、別のグループの37人中は14人は妊娠しています。

 

悩みを打ち明ける事で気持ちも楽にストレス緩和

例えば、悩みを打ち明けるということ。

ただ打ち明けたことだけでは実際に問題は解決はしません。でも、

この打ち明けるという行為は心理的にとても人の心を楽に良い方向性に向かわせて

くれます。これをカタルシス効果といいます。

悩みを人に打ち明けて聞いてもらいながら、自分の心の中に溜まった

モヤモヤした感情や悲しみ苦しみ、不安などネガティブな感情を受け止め

解放することで、気持ちがすっきりとしていきます。

これは、心の中にはきだせずにしまいこんでいたものを、話し、吐き出すことで

気持ちを楽にすることになるのです。人に話すことで、自分の思いになるのや考えが

整理され冷静に客観視できるようになります。気づきを得られるようになっていく過程で

「心配の悪循環」から抜け出すことができるのです。

 

イメージ療法で妊娠しやすくなる効果

赤ちゃんをママ抱っこ

「催眠現象」は、いまだに誤解や偏見が多いのですが、不思議な怪しげなものではなく、

誰にも起こりうる現象で、なかなか便利な利用価値の高いものです。

この「催眠現象」を心理援助で積極的に利用するのが「催眠療法」あるいは「臨床催眠法」です。

実際に「催眠」を適切に利用すると、こころのもつれを解いたり、

行動の型を修正することが可能であるといわれています。

また催眠中は、来談者が自分自身のこころの中の世界に没入することによって、

想像(イメージ)力が活発になる傾向があります。

この特徴を最大限に利用した心理療法が「イメージ療法」です。

引用 催眠療法・イメージ療法

 

イメージ療法は、集中し催眠現象を利用し心のなかのうまくいかなくなってしまっている部分を

解決していくために用いられます。

イメージすることによって気分や感情も変わります。それを利用しながら

行動を変える様にしていきます。

 

イメージ療法は不安やうつの軽減に用いられている

現在、イメージ療法はストレスや不安感、うつ病の解消、血圧降下、痛みの緩和、

がんの化学療法による副作用の軽減など、さまざまに医療機関でも応用されています。

 

1966~1998年までに行われたイメージ療法の研究46件を分析した調査や2002年に発表された研究では、

不安感など精神的問題や化学療法による吐き気、嘔吐緩和への有効性が報告されている。

最近明らかにされた研究では(2007年6月15日付ロイターヘルス)、

不眠症への有効性が報告されている。この研究結果はSLEEP 2007で発表された。

ブラジルのFederal University of Sao Paulo研究者グループが、

就寝前に慢性の不眠症患者24人の半分に、呼吸法やリラックス法を教え、心配事を取り除き、

うとうとさせるCDを聞かせたと ころ、CDを聞いたグループは一方のグループに比べ、

ぐっすりと眠れ、睡眠時間も30分増大したという。

引用 うつ病の解消、血圧降下、痛み緩和などの効用が報告

 

過去の研究からも、不安や精神的な問題の解決のために有効に働きかけるものとして

取り入れられてきています。さらに不眠の改善にも大変効果的なわけですから

やはり妊娠しやすく働きかけてくれます。

睡眠不足の場合は、細胞の修復が追いつきません。そのため睡眠不足な人ほど不妊リスクが

高まります。また睡眠不足の場合は性ホルモンの分泌濃度も低下するため

生殖能力が低下してしまう事が示唆されています。

 

まとめ

心が抱える不安や問題。ストレスなどは長期化し慢性化します。

その影響が健康を害し睡眠にも影響します。心の問題が生殖能力にも低下してしまう部分を

心理療法や打ち明けるといったことでスッキリと楽になっていくこと、

催眠療法やイメージ療法が

不妊治療歴が平均で6年と長くなっている女性に対しても3倍も高めるという

効果的なサポートである事がわかります。

なかなか妊娠できずに慢性化した心の傷やストレスを軽減し妊娠しやすくしていきましょう。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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