不妊治療と孤独感 先が見えないからこそ抱くストレス |

不妊治療と孤独感 先が見えないからこそ抱くストレス

不妊治療をすると、ストレス度は今まで以上に高まっていきます。

検査をしたら、治療をしたら、妊娠できるものだと思っていたという

のが期待していたものとズレて、いったいいつになったら、

いったいどれだけ繰り返したら、どこまでステップアップしたらと

結果が出ない中で先が見えなくなり、孤独感を募らせてしまいますね。

そんな孤独感の強さも不妊ストレスとなって生殖能力を低下させてしまうのですから、

八方ふさがりを感じてしまうかもしれません。

 

孤独感の連鎖によるつらさ

子どもがいない自分に 劣等感を感じ、自分という存在を認めることが苦しい。

 

子どものころ感じた、両親が共働きでお母さんが家にいない寂しさ。

両親が不仲でつらかった。離婚や見捨てられるのではという不安を抱えていた。

親から認められなかった。褒めてもらえなかった。厳しかった。

つらい時に見守られているのを感じにくかった。

もっと見ていて欲しかった。自分の話を聞いてほしかった。

もっともっと。自分が大事にされ、愛情を感じられる関りをしてほしかった。

兄妹で比較されては、いいなぁと羨んでいた。

自分の子供は、愛情いっぱい育てたいと思っていたのに、不妊で悩みまた孤独感との闘い。

そんな幼少期からの孤独感。苦しみを抱えている女性も少なくなないのかもしれません。

実際にカウンセリングをしてきて、親との関係で孤独感や辛さを抱えている割合は

半分以上います。心の中にずっと苦しみを抱えて傷ついて生きてきて、

ストレスを抱えている方も少なくはないのです。

 

幼少期の親との関りが作る コミュニケーション能力

こういった幼少期をはじめ親との関りが不適切に働いた場合には、

子どもは脳へダメージを受け、脳が委縮し実際にコミュニケーションをとることが苦手になるとか

理性的にもの事を考えられる前頭葉が小さくなるということが研究でもわかってきています。

親の関りが不適切な場合、子どもが後に生きていく際に孤独を感じ、

ストレスを抱えながら生きやすくさらには他者とコミュニケーションをとることに

差支えが出てきてしまうという部分があるという事です。

自己肯定感が低くなってしまうとか、自分をそのままに受け止め前向きに

なれる力が欠如しやすく、不安を抱えやすくなってしまう、人と関わる事に

困難を感じやすくなってしまうところが辛いところです。

 

不妊であることで孤独を感じる

周りが妊娠していく。友達も。どんどん自分が置いていかれる孤独感は

子どもができずにいる事に孤独感を感じやすく、ふさぎ込みやすいです。

年齢とともに妊娠しにくくなっていく中で、焦りも増しやすいため、

職場内での人間関係にすら影響が出てきてしまう事もあります。

 

不妊であることを周囲に知られたくない、治療を受けていることも知られたくない

そう思って自分に対する周囲からの目を気にして人間関係を徐々に

希薄にしていってしまう事で、孤独感を強めてしまう可能性もあります。

希薄になれば、1人で抱え込むことで、支えがない、協力者がいない、自分のつらさをわかってもらえない

といった事もより感じやすなります。

逆にオープンに相談できてしまえる悩みなら孤独を抱えずに済むのでしょう。

でもそこが難しいからこそ不妊である事で孤独を感じ苦しいですよね。

 

不妊治療をはじめて孤独に苦しむ

以前は、10組に一組が不妊と言われていましたが、2016年以降では5.5組に1組は不妊と

いわれるようになりました。卵子の老化、精子の減少や晩婚化にともない、

不妊治療を受けるご夫婦も増加しています。不妊治療で生まれる児の数も増加傾向にあります。

不妊症の定義が「2年間自然妊娠が認められない」から「1年間自然妊娠が認められない」

に海外と揃え変更されたことも影響していることでしょう。

 

それでも日本の不妊治療の基準は海外欧米の研究などを参考に基準ができていますが、

海外と色々が大きく違う点もあります。

性教育そのものも大きく違います。日本人は性についてあまりにも正しい情報を得ていない、

男女が良好なセックスコミュニケーションができずに悩んでいるのに、

その改善は放置され、不妊治療が先行しています。

そのため、治療成績もさほど良い結果に結びついてはいません。

治療さえしたらできると思たのにという期待が裏切られ、妊娠率は低い現実があります。

 

不妊治療による負担が孤独感を強める

不妊治療をはじめれば、まず女性にかかってくる負担が大きくなります。

検査をすれば痛みを伴います。通院にも時間がかかるため仕事との調整も必要です。

不妊治療退職という言葉があるように仕事との両立の難しさや周囲からの

理解を得ることが難しい点もあるでしょう。社会的な孤独も感じやすくなってしまいます。

仕事もない、子どもがいない自分に、

存在価値を認めにくくなって否定的になりやすくなってしまいます。

不妊治療ははじめてみても、もうやめたい。そう思う人も少なくないかもしれません。

費用がかかる、検査や治療に痛みがともなう、治療がこんなにつらいと思わなかった。

という事もあれば、ひとりで頑張る事に孤独感を感じ、夫の理解や協力のなさに愕然としてしまう

といった声もないわけではありません。こんなにつらい思いをしてまでして、

本当にこの人との子どもを産みたいのかわからないと思ってしまう女性もいます。

ある程度不妊治療を続けていると、男女間で治療に対しての温度差が出てきたり、

治療が思うように結果が出ない事で挫折感を感じ、ひとりぼっちだと感じてしまう、

「孤独感」のつらさを訴える傾向も強いようです。

 

孤独であることが健康を害してしまう

孤独に対する捉え方は人それぞれであり、孤独をポジティブに捉えられる場合は

特に問題になりはしません。

孤独に対する捉え方尺度は以下の3つの要素があります。

・否定的評価
・自己成長機能
・肯定的評価

肯定的に捉え、自己成長となると本人が捉えることができている場合は、

肯定的評価が高い人という人は、自尊感情が高く抑うつ感が低いといった特徴もあります。

孤独感をポジティブにとらえている人は、精神的に安定しやすいと考えられ、問題ではないですが、

逆に肯定的に捉えられない事で強いストレスがかかって健康を害してしまいます。

 

孤独な人ほどコミュニケーションスキルが低い

孤独感が強い人はソーシャルスキルが低いことが東京学芸大学の研究でもわかりました。

ソーシャルスキルとは、人と会話したり、話題を広げたり、反対意見を言うスキルなどを意味します。

会話力が少ないと人間関係を築くことが難しくなり、孤独を感じやすくなるのです。

孤独を感じるとまた人とコミュニケーションを取るのが困難になり負の連鎖を産みます。

孤独感が高いという場合、対人不安も高く、抑うつ度が高い傾向にもあるます。

孤独な状況ですと人間関係を避ける状態になるため、さらに対人不安を深刻化してしまうのです。

 

まずは不安な状態や抑うつ的になってしまっている状態を改善し

孤独感を感じにくいよう人と関われるようにしていくことが望ましくなります。

 

孤独感がもたらす問題 不妊への影響

孤独を抱えているとストレス度が高くなり、健康を害し、生殖能力の低下や

死亡率を高めるという事まで言われています。

米国で今も続く反響を呼んだ研究では、

シカゴ大学の心理学者ジョン・カシオポ博士たちが2014年2月に行った

アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)の学会での報告です。

http://news.uchicago.edu/article/2014/02/16/aaas-2014-loneliness-major-health-risk-older-adults

 

メタ分析によると、孤独による早死は肥満の2倍の影響を与えるという結果だというので驚きです。

また、孤独感は空腹や痛みと同じように、人間や動物にとっての警告信号だと言われています。

孤立という状況は生存や生殖に影響する可能性があり、

孤独感は社会との繋がりを再構築する強い動機付けになるといわれています。

他の人々から隔離されているという感覚は、睡眠不足や血圧上昇を招きます。

また、ストレスホルモンであるコルチゾールの上昇が午前中に見られたり、

免疫細胞の遺伝子発現を変化させたりして、幸福感を自覚しにくい状態を引き起こすとしています。

 

また孤独を感じていると、周囲からの援助を受けられなくなってしまうという点もあります。

困った問題を解決していく際には、人との関り、支え、協力というものがどうしても

必要ですが、それが得られにくい関係を人と作ってしまうため問題が解決しにくくなります。

そして、自分が悩みを抱え込みという負の連鎖がよりくらいトンネルへと入っていって

しまうようになります。

 

まとめ

不安や抑うつ度が高まるほど、孤独感が増しやすくなるため、まずは精神的に

安定するようにメンタルケアを行いましょう。

ストレスそのものよくはありませんし、

問題解決のために良好な人間関係位を再構築するように働きかけていくことも大切です。

自分だけではなく、支えがある、協力してもらえるという人間関係を

パートナーと作れることや友達や周囲とも作れることで孤独感は減り

前向きに問題解決に向かいやすくなっていきます。

不妊ではとくに深刻に孤独感を感じやすく、また抱え込みやすいため、

自分が幼少期に両親と良い関係を築けていなかったなと思えばなおの事、

心の中に自己肯定感や安心感を感じられるように整えていきましょう。

 

 

参考文献
・斉藤雅茂 , 近藤勝則 , 尾島俊之 ほか ( 2015 ) 「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.
・インターネットの利用と幸福感との因果関係- 孤独感と対人不安の媒介効果-安藤 玲子,坂元 章,鈴木 佳苗,森 津太子 日本性格心理学会発表論文集

東京学芸大学紀要. 第1部門, 教育科学 56, 87-93, 2005-03-31 成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成  相川, 充 藤田, 正美
・大東・岩元(2009)孤独に対する捉え方尺度の3要素と肯定的評価が高い場合のメリット 久留米大学心理学研究 (8), 75-84

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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