排卵日以外でも妊娠は可能 ベストタイミングとは?

排卵日以外でも妊娠は可能 ベストタイミングとは?

月経・生理・周期

妊娠しやすい日というと卵子が排卵された日と考えられがちで、排卵日を特定し

タイミングを合わせていくことが着目されていますが、最も妊娠しやすい日は

排卵日2日前。また、排卵日以外でも妊娠の可能性あるのかみていきましょう。

 

妊娠の仕組みとは

妊娠の仕組みには、まずは、卵巣内の未成熟の卵子は、

おおよそ1ヶ月に1回成熟して、卵巣から卵管へ放出されます。

卵巣から成熟した卵子が排卵され、その後卵子と精子が出会い受精し、

受精卵が育ち着床し育っていくことで妊娠が成立していきます。(1

受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管内を移動し子宮内膜に潜り込み根を下ろします。

  1. 排卵
  2. 受精
  3. 着床し妊娠の成立

 

そのため、卵子と精子が出会う事がまずは重要になります。

いいタイミングで出会えるようにすることで妊娠しやすくなるといえます。

しかし、排卵日でないと妊娠しないと思っていると妊娠のチャンスを

逃してしまうかもしれません。

 

排卵された卵子の寿命は?

妊娠したいならその仕組みから考えるとより妊娠に近づけるかもしれません。

卵子の寿命は24時間ほどといわれています。

 

卵子の授精可能時間はもっと短い

卵子の生存自体は24時間ほどといわれており、さらに受精可能な時間は

もっと短く、排卵後から6~8時間ほどといわれています。

 

精子の特徴と寿命

男性が1度に射精する精液の中には、精子が2億~5億個と含まれます。

男性によっても精子の質や数も違うためここにも個人差はありますが、

卵管膨大部にたどり着ける精子は、わずか数十~数百と言われています。

射精され腟に入った精子は子宮頚管から、排卵されているであろう卵管を

目指し、子宮腔から卵管へと進んでいきます。卵管膨大部で卵子と出会えるよう

たどり着けると休息して待ちます。

1匹の精子の大きさは0.06mm程度と非常に小さく、

元気のあり直進力がある精子は卵管を秒速0.1mmで進むと言われています。

運動率の高い精子は約5〜15分で卵管膨大部にたどりつくことが可能です。

 

そして、その精子の寿命は平均2〜3日と言われています。ただ、長い場合は6日間

とも言われており、月経期間中の性交渉で妊娠するという事もあります。(2

 

排卵のタイミングは個人差があり特定しにくい

超音波検査は病院で卵胞の直径を測定することでも排卵のタイミングを

見てもらう事も可能です。排卵前日には18~23mm、

排卵直前には21~27mmくらいの大きさになります。あくまでも個人差もあるのと

同じ女性であっても毎月その大きさも変動があるため特定することは難しい点もあります。

 

排卵日検査薬でも排卵のタイミングを予測することが可能です。

尿中に排出されたLH(黄体形成ホルモン)を検出し、LHは普段から少量分泌されていますが、

排卵日が近くなるとこのホルモンの分泌量が急激に増えていくため、

濃度がたかまり(LHサージ)が起こります。それから40時間以内のどこかで

排卵が起こると予測されます。排卵日検査薬を使用すると、

尿中のLHを検出することにより排卵日を事前に予測することが可能というわけです。

ただ、その場合も、100%というわけではなく60%程度といわれています。(3

 

排卵の前2日のタイミングは変動や個人差もありますし、

またプレッシャーも感じるため理にはかなっているものの、

タイミングばかりにこだわらない事も心がけたい点ではあります。

あまりタイミングにこだわり過ぎない場合は累積妊娠率が高かった

という研究もあり、あまりタイミング合わせばかりを推奨するのは

よくないという意見もあります。(4

 

タイミングが排卵日では遅いわけ

ただ、精子は射精直後から受精できるわけではなく、

射精後から子宮内を泳ぎ卵管膨大部までたどり着くことはもちろん

受精できる状態になるまでの所要時間がおよそ7時間ほどかかりますが

精子の寿命は卵子よりも長いため卵子が排卵してくるのタイミングを考えると

 

排卵前2日程度が妊娠しやすいといえます。(5

そのため排卵日を狙いすぎないことも大事と言えるでしょう。

 

排卵日以外でも妊娠は可能?

特別排卵日を狙わなくても、排卵がおこるであうとする排卵期に性生活が持てた場合は

妊娠する可能性は十分にあります。また、排卵のタイミングを外していたにも関わらず

妊娠したというケースもあれば、

病院で医師から今月は排卵していないねと言われたときに、

自然妊娠しているというケースも意外と稀ではありません。

それくらい排卵がいつしたのかを特定することが難しいのと、

確実性に欠ける部分があります。

排卵は、ホルモンの変化に伴って起こり、個人差もあれば1周期ごと違う点もあります。

 

排卵日以外にもセックスをすると妊娠しやすく

排卵日に性交することだけが妊娠しやすさを作り出していくわけではありません。

射精回数が少ない男性は射精回数が多い男性と比べ、精子の質に違いが出てきます。

そのため、男性の精液検査でひっかかっていたら、

排卵のタイミングという事ではなく、1日おきにタイミングをとる事を

推奨されています。(6

精子は作り変えられる細胞のためできるだけ射精している回数が多いに越したことは

ありません。

女性も性生活が多いことで、妊娠しやすくなることが免疫の観点からも指摘されています。

性生活が多く、男性の精液に触れる機会が多い場合、膣内では免疫寛容となり

着床が促進される可能性が指摘されています。

妊娠というのは自分以外の細胞を攻撃せずに受け入れていくことが必要であり、

免疫寛容を起こし、攻撃しないようにし妊娠を成立させていきます。

性交がきっかけで排卵がおこり、さらに子宮内膜で調整し免疫にかかわる

T細胞が増え妊娠の準備をするといわれています。

 

どうしていたら妊娠しやすくなる?

米国の生物統計学者であるデビッド・ダンソン博士が、避妊をしていないカップルを

集めておこなった実験では、妊娠しやすい期間というのは、排卵日の5日前から排卵日当日までの6日間

でした。その中でも最も妊娠した率が高まった日は、排卵日の2日前たったと報告されています。(6

排卵日を含むその前5日前から排卵にむけ子宮頸管からの分泌液も増え、

膣内が酸性から中性へと変化し精子を受け入れやすく変化している点が考えられています。

また、排卵はホルモンの指令によっておこるため排卵が多少前後してズレるという事は

多々あります。そのため予測した排卵日後2日、3日したも妊娠しているという他研究報告も

あります。

ベストタイミングを逃さずさらに妊娠しやすさを考えたら、コンスタントに性生活をおくり

排卵日以外もセックスの習慣を持ち夫婦で関わり続ける事も大切です。

タイミングだけ合わせてもセックス回数が少なくては妊娠はしにくくなります。

1週間に2~3回性生活が遅れればタイミングを逃すこともありません。

推奨されているのは、1日おきくらいの週に3~4回の性生活です。(7

 

まとめ

最も妊娠しやすいのは排卵日前二日です。

それを特定するための取り組みはストレスにもなり、夫婦生活を

限定しすぎてしまい回数を減らしてしまいかねません。

推奨されているのは、タイミングあわせだけというよりは

性生活の回数を週3~4日もと1日おきくらいの性生活をおくれるように

することです。排卵期以外の性生活も大切にし続けることで

多少排卵のベストタイミングがズレていてもカバーすることができ、

累積妊娠率を高めることができます。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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