妊娠しやすくストレス軽減できる呼吸法 息から不妊体質を改善
呼吸の仕方1つとっても体への影響は意外と大きいものです。
呼吸は1日に3万回近く行われていいますが、浅く早いほど、疲れやすく病気にもなりやすくなります。
妊娠しない、子どもができにくいといった場合、体に
充分な酸素がいきわたる呼吸ができていない可能性は高まります。
新しい命を生み出していくために、体や細胞にとって絶対的に必要なのは酸素です。
しかし思った以上に深い呼吸ができていないのが現状です。
ストレスを抱えている、姿勢が悪いそれだけでも呼吸は浅くなって心拍数は早く呼吸は浅くなってしまいがち。
不妊で悩む方の姿を見るとよく感じるのが姿勢の悪さも気になります。
悩んでいるからうつむき加減になってしまうのもわかります。
しかし、姿勢は悪くなると歪みが出ます。体がゆがむと、体の各部分と中枢の神経との連携がうまくいかなくなり、
不具合が出やすくなりますし、無駄なエネルギーの浪費が増え疲れやすくなります。
疲れやすさや体調の不具合や精神的な負担を感じているときは、呼吸は浅く早くなります。
まずは呼吸を整えて妊娠しやすさを作っていきましょう。
不妊ストレス軽減 深い呼吸の大切さ
何かと疲れる現代社会では、呼吸が浅くなっている人は増加傾向にあるようです。
浅い呼吸だと、横隔膜が充分に動かすことができないため、
横隔膜にたくさん集まっている自律神経の動きも鈍くなってしまうのです。
胸で呼吸するような感じではなくお腹で腹圧をかけながら呼吸をできると、
深くゆっくりとなり自律神経も整いやすくなります。
呼吸を遅くゆっくりにすると、血圧と心拍数が格段に下がりリラックスし心身ともに良い状態になります。(1)
ただ、姿勢が悪い人、いつも体に力が入って気負っているほど
肩や首にも力が入り胸で呼吸をしています。
ストレスを抱えている場合も同様に自律神経が整わずに副交感神経が優位にならず
休息の質が悪くなるため、よりストレスもたまり、自律神経も乱れ
体調も優れなくなるといった悪循環になります。
深いお腹でするような呼吸は健康度を高め、妊娠しやすい体つくりをしていくには
欠かせないものですね。
でも浅い呼吸は無自覚でおこりやすく、なかなか気づかなかったりもしやすいものです。
直のこと意識して整えていってあげることが大切ですね。
緊張と不安のせいで物事に集中して取り組めない、日常を心穏やかに過ごせないそういった場合は
認知行動療法でも、深呼吸をベースにしたリラクゼーション法を教えることが多いです(2)。
副交感神経を刺激しリラックスする呼吸
瞑想などでは呼吸を整えながら、変にかかっている体の力を抜き
リラックス状態を作っていくので、
年齢とともにバランスが崩れていく自律神経を整える働きもあります。
体の不調の多くは自律神経が関係してきます。
現代のライフスタイルでは交感神経ばかりが優位になるので、
副交感神経を高め、リラックスしていい状態を取り戻していきましょう。
年齢とともに自律神経は乱れていく。
副交感神経は20代から30代、40代へとかけて10年ごとくらいに
15%づつバランスを崩していくといわれています。
(音と光の動画で自律神経が安定する 小林弘幸著より)
自律神経のバランスというのは、ホルモンバランスにも免疫バランスにも
連携しますう。こういったバランスはどちらかに偏りが出る事によって問題が出るので、
バランスよく整えるようにしていってあげましょう。
瞑想の際の呼吸について
瞑想では、基本姿勢ができたら、通気を行います。
目を開けたまままずは鼻から大きく息を吸い込み、
ゆっくり5秒間息を止め、そのあと息を吐き出してください。
1回でも十分ですが、2~3回程度行うとよりよいでしょう。
よく、瞑想では、腹式呼吸そして、それができるようになれば丹田呼吸をと指導があります。
しかし、呼吸の仕方にばかり意識を取られていては、本来の瞑想が進みません。
私がお伝えする瞑想では、とにかくリラックスした状態を作ることが目的です。
それには、体の緊張も解いて、思考も無にしていくには、
力を抜くことに専念した方がいいのです。
体を整える呼吸は腹圧が大事
体の調子を整えていくためには胸でするような浅い呼吸より、お腹でするような
横隔膜を動かし、深い呼吸ができるようにしていってあげます。
その際に、しっかり呼吸をしようとすると、いっぱい息を吸い込もうとしたり、
息を吐くときに腹式呼吸のようにお腹をへこませようとする人もいます。
しかし、息はしっかり吐きだすことで入り込むというシステムなので、
まずは吐ききるようにしましょう。そして、息を吐くときにはお腹を膨らませた状態を
維持することがポイントになります。逆腹式呼吸といった感じですね。
ストレス軽症 等間隔呼吸法
2010年に実験によって血圧低下や脳神経の鎮静化、ストレス解消などのデータが出た、
ヨガがベースとなっている呼吸法(2)では4秒かけて鼻から吸い、4秒かけて鼻から吐くという
とてもシンプルな呼吸法があります。
息は心と体両方に働きかけられる優れもの。慣れてきたら徐々に感覚を伸ばしていって8秒まで
飲ましていってよいそうです。いつでもどこでもできるため、ふと不安に思った時でも
とりあえず取り組んでみましょう。
定番の腹式呼吸も効果的
腹式呼吸はよく知られている呼吸法であり、多くの実験で効果が認められている方法でもあります(3)。
方法は、
- 右手を胸元に置く
- 左手を腹に置く
- 6〜10秒かけて鼻から息を吸う
- 胸がふくらむのではなく、横隔膜を意識する
- 6〜10秒かけて鼻から息を吐く
お腹をへこませたり、膨らませたりというよりは、
胸が膨らまないように、横隔膜を意識していくことがポイントになるようです。
1日10分ずつ、数週間続けていきましょう。
ストレスが続くと不調に それを防ぐ片鼻呼吸法
ケリー・マクゴニガルの「スタンフォードの自分を変える教室」では、
潜在能力を高めるには、意志力が重要であり前頭葉の働きをアップする方法の1つとして
「心拍変動を高くする」というテクニックが紹介されています。
心拍数のゆらぎを表す数値のことで、心臓がドクンと動く感覚が長くなったり短くなったりしたほうが健康的で、
神経が正常に作動しているという意味。それとは逆にストレスが多いと、
神経に不調が起きてしまい心拍数はどんどん一定になっていくことが知られています。
変動があった方が良いという事ですね。
その心拍変動を高めるには、できるだけゆっくりとした呼吸をすることが大事らしく論文(4)では
「片鼻呼吸法」によってさらに効果的に意志力を向上でき、より高いパフォーマンスをあげられ
人は物事をうまく進めていかれるようになるのです。
片鼻呼吸法は、左右の鼻の穴を交互に指でおさえながら息を吸うテクニックであり、
昔からヨガの世界でよく使われてきた呼吸法のようです。
瞑想状態に入りやすくなったり、よく眠れるようになったりと、さまざまなメリットがあると言われています。
心理療法で用いられる斬新的弛緩法
心理療法ではよくしられた呼吸法であり、リラックス効果が高いものです(5)。
椅子に浅く腰かけ、楽な姿勢を取りましょう。
一度力を入れてから、力を抜くことでリラックス状態を感じるという方法であることを意識しましょう。
普段私たちは緊張したりストレスを感じていると、ついつい力が入ってしまいっぱなし。
ゆっくり力を入れてゆっくり力を抜くのではなく、一気にやっていくのもポイントです。
力を入れることが目的ではなく、力を抜くことが目的なので、 力を抜いたときの感覚をよく体験
してくださいね。
力を入れる場面では、無理に力を入れすぎず、60%~70%の力で行うようにしましょう。
習得するにはある程度継続して繰り返し練習が必要です。
身体的な問題がある場合は、無理には行わないようにしてくださいね。
深呼吸をしながら体のパーツごと力を入れては抜いていきます。
- つま先に思い切り力を込めてから抜く
- ふくらはぎに思い切り力を込めてから抜く
- ふとももに思い切り力を込めてから抜く
- 腹に思い切り力を込めてから抜く
- 手のひらに思い切り力を込めてから抜く
- 腕全体に思い切り力を込めてから抜く
- 首に思い切り力を込めてから抜く
- アゴに思い切り力を込めてから抜く
- 顔全体に思い切り力を込めてから抜く
足先の方から徐々に体の上の方に向かって順に力を入れては抜いて行っていきましょう。
米海軍特殊部隊『Navy Seals(ネイビーシールズ)』も採用する呼吸法
緊張感高まる中でもリラックスをして最高のパフォーマンスをあげられるように
取り入れられている呼吸法もご紹介します。
『タクティカルブリージング』という別名『ボックスブリージング』とも呼ばれている呼吸法です。
海軍メディカルセンター(5)の説明では以下の手順で深呼吸をしていきます。でもとってもシンプルで
簡単です。
- 4カウントで吸う
- 4カウント静止
- 4カウントで吐く
- 4カウント静止
1セットたったの16秒でこれを×5でトータル80秒ほどこの呼吸を繰り返していきます。
この手順を3~5回繰り返すだけです。1分20秒で気持ちを落ち着けることができるなら不妊治療などで
最も緊張が高まる移植の際にも応用して取り入れていっていただければと思います。
こうした呼吸法は実際に米海軍特殊部隊『Navy Seals(ネイビーシールズ)』でも実践しているそうで、
米海軍中尉のデイヴィッド・グロスマン氏の著書『On Combat』でも紹介されています。(6)
不妊体質改善 呼吸のポイント
呼吸は息を吸った後は、吐くときにとにかくリラックスして力を抜くことを
心がけていただければよいと思ってください。
女性はもともと胸で呼吸することが多いです。
子宮などの器官があるために、男性より胸で呼吸をする人が多いです。
ゆったりと、体の隅々に酸素を届けるには、肩や胸で行う呼吸よりは、腹式呼吸がよくなります。
ただ、日頃から不安やネガティブな事を考えている場合、
必ず呼吸は浅く早くなりがちです。
なので、呼吸の練習は瞑想の時ではなく、別の時に行っておきましょう。
瞑想を行って思考の種を片付けていくうちに心が整ってくると
それに伴って呼吸も深くゆっくりと自然となっていきます。
呼吸がこれでいいのかな?うまくいかないなぁ・・・
これでいいのかな?いけないのかな?
と考えてばかりになって、瞑想が進まない事の方がデメリットです。
完璧を目指さずに進めましょう。それがうまくいくコツです。
参考文献
『スタンフォード式 疲れない体』(サンマーク出版)山田智生
ケリー・マクゴニガルの「スタンフォードの自分を変える教室」