妊娠したいなら気をつけたい食べ物 不妊と関係牛乳・乳製品?

妊娠したいなら気をつけたい食べ物 不妊と関係牛乳・乳製品?

妊娠しやすい体つくりを考えた時に食べ物にも気を使いますね。

不妊体質に影響してしまうものの一つに、乳製品があります。

乳製品は体に良くない、不妊体質を招くといった情報も出回っています。

果たして乳製品は不妊体質を招いてしまうのでしょうか?

乳製品の摂取と不妊との関係、どういった乳製品は危険なのかなど見ていきましょう。

 

乳製品の摂取量と不妊との関係は?

乳製品の摂取量と不妊についての相関関係は、大規模調査の結果、ないことがわかっています。

意外かと思われるかもしれませんが、

乳製品の摂取量とはさほど大きな影響は出てこないようです。

しかし、乳製品の種類によっては不妊と関係が出てきてしまうようです。

例えば、アメリカの調査では低脂肪乳を摂取している女性は高脂肪乳のを摂取している

女性に比べて排卵障害のリスクが高いということ。

1日に500mg以上の低脂肪ヨーグルトやミルクを飲む女性は、85%も不妊率が高くなる傾向があったのです。

せっかくの乳脂肪を取り去っ足り加工した牛乳には、健康どころか体に害をなす可能性もあるみたい。

乳製品の摂取量が多いほど、子宮内膜症になるリスクも低下するという研究結果もあります。

妊娠率というだけでなく、排卵がスムーズであるとか、子宮環境が良いという点も

妊娠しやすさにつながる点であるため、乳製品化から栄養を適度に摂取することも

必要だと言えるでしょう。

 

 2013 Mar 1;177(5):420-30

Dairy-food, calcium, magnesium, and vitamin D intake and endometriosis: a prospective cohort study

 

どんな乳製品だと不妊になりやすい?

一般的に脂肪ときくとあまりいいイメージがないかもしれません。

以前はコレステロールは悪という感じで厚生労働省でも

脂質の摂取について注意が出ていたのですが、

今は改善されています。

人間にとっては脂質というのは本来重要な栄養素の一つであります。

赤ちゃんにとって重要な母乳(おかあさんのおっぱい)には、

脂質がたくさん含まれます。

それくらい、人間の体をいい状態で機能させ維持するには脂質は

糖質やタンパク質同様とても必要なものになるのですが、

健康的というイメージから 低脂肪・無脂肪・コレステロール0

こういった乳製品を意図的に選んでいる方もいるかもしれませんね。

 

ただ、こういった乳製品の摂取と不妊との関係は明確な違いが出ています。

これらを摂取している女性は、

そうでない女性に比べて、排卵障害による不妊のリスクが高いというのです。

入っている成分を人工的に調整してしまう事で、

中に含まれる含有ホルモンの構成が変化して卵胞の成熟を阻害する可能性があるということです。

 

 

妊娠しやすくするなら自然なかたちの乳製品を

妊娠しやすく食事からできる体つくりにする場合は、

できるだけ自然に近い状態のものを選ぶという事です。

脂肪分を人工的に調整しないもの

低脂肪・無脂肪・コレステロール0というのを

今まで選んでいたとしたら、無調整のものにすることです。

また、乳製品にはヨーグルトや乳飲料など砂糖が

添加されているものも多いです。飲みすぎ、とり過ぎは要注意ですね。

 

妊娠を望む女性にとって、食べ物もより自然な形でできるだけ加工してい

ない乳製品の摂取の方が好ましいことが示唆されています。

 

地中海式の食事では乳製品は低頻度で妊娠率は高い

食事によって妊娠しやすさが変わるっているようです。

不妊を試みる女性のよりよい IVF の性能と関連付けられる地中海の食事療法

Human Reproduction, Volume 33, Issue 3, 1 March 2018, Pages 494–502,

では、地中海式料理と、体外受精での妊娠率や出生率に影響がでるのかを研究しています。

ギリシャのアテネの補助受胎ユニットで最初の IVF 治療を受けた

女性244名の22歳から41歳までの非肥満女性BMI30未満が対象です。

食事やライフスタイルが妊娠しやすさに影響が出るのかがわかりました。

地中海ダイエットスコア (MedDietScore)が高いほど妊娠率が高く、

地中海ダイエットスコア (MedDietScoreが最も低い女性とでは、有意に差がありました。

 

地中海式の食事は妊娠しやすさに影響するため、食事や栄養にも気をつけていきたいですね。

 

地中海式ダイエットスコアとは

1993年にOldwaysは、USDA独自の食品ピラミッドに代わるより健康的な代替手段として、

Harvard School of Public HealthおよびWHOと共同で、地中海ダイエットピラミッドを作成しました。

地中海式ダイエットはとても健康度をたかめると世界的にも人気が​​あります。

また不妊体質を改善したり、妊娠率を高めると注目を浴びています。

食事のパターンを地中海式のものに変えていくという簡単なものです。日々の献立のかで、どんなものを食べていくか、

地中海式メニューをどのように形作るのかは自分で判断していきます。

上記の地中海式ダイエットのピラミッドは、あなたが地中海式の食事を心がけていく際の

参考になるものでしょう。

 

Mediterranean Diet | Oldways

 

その中では、乳製品などは高頻度に摂取する食品としては位置してはいません。

妊娠しやすさには、適度に摂取して他の食事とのバランスを保つこともポイントかもしれません。

 

牛乳は健康度を高める研究がたくさん

牛乳については、健康度を高めたよといった研究もたくさんあります。

乳脂肪にふくまれる酪酸には、腸内の炎症をおさえて腸内環境がよくなる働きがある(1)。

乳脂肪にふくまれるフィタン酸には、中性脂肪を減らしインスリン抵抗性や血糖値を改善する働きがある(2)。

インスリン抵抗性が改善されると妊娠率はよくなる傾向になり血糖値と不妊にも

関係があるところです。高い血糖値が酸化や老化の原因にもなっています。

乳脂肪にふくまれる共役リノール酸には、心疾患やガンのリスクを減らす作用がある(3)。

牛乳を飲む量が多いほど生活習慣病であるメタボリックシンドロームが少なく、

糖尿病や心疾患のリスクも減る傾向がある(4)。

牛乳にはビタミンK2やビタミンAなどの脂溶性ビタミンが豊富にも入っています。

 

不妊については、食事のアンバランスや運動不足、睡眠不足、ストレス、喫煙など

酸化ストレスに卵子や精子がさらされることによっておこってきていることが

沢山の研究で出てきていて、生活習慣病のようなものを改善すると妊娠率は高まってので

牛乳には炎症反応を抑えたり、インスリン抵抗性や血糖値を改善していく効果があるため

妊活中も適度には摂取していくことが望ましいと言えるでしょう。

 

現代の牛乳は飲み過ぎに注意が必要?

山梨医科大学名誉教授の佐藤章夫氏は、「生活習慣病を予防する食生活」の中で、

牛乳の中に大量の女性ホルモンを含まれている事がホルモンバランスを乱すこと、

また乳がんといった病気につながる事を危惧しています。

これは乳製品の生産、出荷性を優先するあまり、妊娠中の牛からも牛乳を搾っていたり、

牛に与える飼料に昔と変化が出てきてしまっているためです。

また、日本人は、8割が乳糖を分解する酵素を持っておらず「乳糖不耐」があります。

そのためうまく消化吸収しきれない部分も出てきてしまいます。

乳製品については私たちの生活になじみがあります。

不妊に影響してしまうの?と一切摂取しないという事よりは、バランスを大事に、

適度に色々な食品から栄養は摂取していくように心がけましょう。

 

牛乳で乳がんや子宮がん生理不順になりやすくなるの?

2005年のハーバード大のダマサンブ博士が40カ国のがん発症率と食品の変化をくらべた研究(5)で

、お肉や乳製品の消費が多い女性ほど乳がんの発生率が高かったという発表以降、

牛乳が女性にとって良くないものという印象がついてしまったようですが、

乳がんの発症を調べた26件のデータを精査したところ(6

乳製品と乳がんの間には影響が見られなかったようですね。

たくさんの野菜と魚は乳がんの発生率を大きく下げるようなので、

地中海式の食事療法をもとに乳製品をとっていくとよいでしょう。

むしろちゃんと牛乳を飲んでいた方が乳がんの発症リスクは低下したとも言われています。(7

子宮がんについては、牛乳については発症リスクが高まる傾向があるみたいです。(8)

 

生理不順についても乳製品との関係はあまりなさそうです。(9)(10

何でもそうですが、飲み過ぎは確かによくはないですが、牛乳にも良い点もあります。

また乳製品はチーズやヨーグルトなどとも合わせてバランスよく摂取していくこと、

また、野菜や果物、魚類を豊富にとっていくようにしましょう。

 

牛乳はポリフェノールの抗酸化作用を減らしてしまう

牛乳や乳製品には、細胞のアンチエイジングに欠かせないポリフェノールの抗酸化作用を

減らしてしまう効果があるため、(11)

できるだけ一緒に取らないように気をつけてみるのも良いかもしれません。

絶対に合わせてはダメというわけではないですが、

コーヒーや紅茶にミルクを入れてしまうとその抗酸化作用が減ってしまったり、

ヨーグルトに果物を混ぜてしまうとせっかくの果物の抗酸化作用が減ってしまうのも

もったいないと言えばもったいないですね。

苺ミルクとか、ヨーグルトにブルベリーとかはどちらかというと別々の方がよいという

ことですよね・・・。

時々気をつけてみてくださいね。

 

まとめ

乳製品については色々な情報がありますが、

妊活のためにと過度に過敏になりすぎてストレスになるようでは

かえってメンタル面から妊娠しにくい人になってしまいます。

食生活はバランスよく、地中海式の食事療法をもとに、牛乳だけに偏らず、

ヨーグルトやチーズなどの発酵食品からも乳製品を摂取し、牛乳も適度に摂取するようにしていきましょう。

そして牛乳を摂取する場合は、加工してない牛乳を飲むこともポイントです。

コレステロール0とか、無脂肪とか加工したり砂糖を加えた乳飲料は避けましょう。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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