妊活・流産・不育症に効果的!つらさや悲しみのケア方法
せっかくに妊娠できたのに、ずっと悩んで授かれたのに、赤ちゃんを失う事のストレスは
はかり知れません。
流産による悲しみ・孤独・さみしさ・切なさ・心配は
イライラ、怒り・恨み・嫉妬・などのネガティブな感情やストレスは、さらなる流産・不育症の原因になります。
妊娠しやすくなるために大事な心のケアについてみていきましょう。
不妊症の女性はうつ・不安が強く妊娠率にも影響
2007~2015年にスウェーデンで初回の体外受精を実施した23,557名の女性を対象に、
不安と抑うつと妊娠成績を検討した研究(1)では、
不安と抑うつ、あるいは抗うつ薬投与をされていた方は1,044名いて、
不妊症の女性では、「不安」と「抑うつ」の傾向がつよくあります。
一般集団では「不安」11%「抑うつ」7%ですが、不妊症の方では「不安」15%「抑うつ」11%と
高く、不安と抑うつの方は妊娠率や生産率が有意に低下することを示していますが、
その後のライフスタイルの改善で妊娠率が変化しても来ることが示唆されています。
不妊という悩みを抱えていることで不安やうつレベルが高まり、また妊娠率と出産率は低下し、
流産率は高まるという影響がでています。
繰り返す流産・不育症のストレスはハイレベル
不育症では抑うつ状態であり、ストレスレベルが高いことを示しています。(2)
2010~2014年に3回以上の流産を経験した方301名と自然妊娠した方1813名を横断調査しています。
インターネットで質問票調査で MDIスコア(major depression index)により抑うつ状態をチェック、
PSSスコア(Cohen’s perceived stress scale)によりストレスレベルを算出し、比較検討ていて、
抑うつレベルは5.53倍、高ストレスレベルは1.59倍でした。
大切な存在を失うという事は、女性にとってかなりつらい体験であり、それを繰り返すということは
とても苦しい事です。
流産や不育症については心のケアの重要性が指摘されています。
心も体もつながっていますから、安心感を得ながら妊活をすすめていきましょう。
流産や不育症の原因はストレス
医学的な原因がわからない繰りかえす流産や不育症は
ストレスが大きく影響しているといわれています。
ストレスは自律神経にも、免疫機能にも大きく影響をして
ホルモンバランスを崩し、血流を悪くしてしまいます。
ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールというストレスホルモンはたくさん放出されていると、
ホルモンの司令塔である脳のレセプターというホルモンの受容体がうまく
働かなくなるようになってしまいます。
妊娠していくには、女性ホルモンのバランスが整っている事をはじめ
自律神経などの働きもいい状態であることが必要になります。
妊娠には、質の良い卵子、そして
受精卵がすくすくと育てるふかふかと子宮内膜が厚くなる子宮環境と着床環境です。
そのためには、深い悲しみは傷は、しっかりとケアをして
心をあたためてぽかぽかにしておいてあげることにもフォーカスしていきましょう。
また、ストレスを感じているとストレスホルモンが多く分泌されるほか、
活性酸素も多くなります。活性酸素は細胞の膜を傷つけて細胞の中を行き来する
栄養や酸素や老廃物などの出入りも滞り、細胞を劣化変形させていってしまいいます。
DNAも傷つき、体の中の色々な器官や機能が衰え病気などにつながります。
不育症専門医で、青木産婦人科クリニックの青木耕治院長も
も流産においてはストレスの関与を指摘されています。
瞑想によってじんわりケア
深い悲しみをじんわりと癒していく瞑想がおススメです。瞑想は科学的根拠もあり、
ストレスの軽減効果がはっきりと出ています。
喪失感はとっても寂しさや、苦しさになったりして、夜も寝付けない
眠りがあさいといった問題にもつながっていってしまいます。
いままでためてきた涙を流し、心を軽くらくにしてあげましょう。
悲しみの涙がたまったままでは、子宮も元気な状態にはなれないままですね。
悲しみの涙はためればためるほど、それに気付いてほしいため
さらに悲しい自分を大切にしてほしいと
もっともっと悲しいことが起こるようなことをおこしてしまうように悪循環になってしまうようです。
悲しみとは
悲しみは、ネガティブな感情の1次感情で基本になります。
自分を大事にしてほしい、
心の深い部分からのSOSに気づき、癒してあげましょう。
悲しみの感情を抱えていると強いストレスを感じます。
そのため、免疫力が下がり病気にもなりやすくなったりもしてしまいます。
ストレスを感じると出るストレスホルモンは食欲を減退させたり、
意欲も低下してきます。
悲しいのに我慢しすぎていると
いつまでも悲しんでいてはいけない、泣いてはいけない。
いつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。
そう思って喪失体験を我慢して乗り越えようとすると、
かえって負の感情を長引かせてしまうという事になってしまいます。
海外には、グリーフケアというのがあります。
もともと、愛しい人と死に分かれ家族がその悲嘆(英語でグリーフgrief)を
上手に乗り越え、悲しみから徐々に立ち直り、再びもとのような穏やかさを取り戻して
いくためのプロセスのことです。
欧米の病院では実施されてきた概念でありますが、日本ではまだあまり知られていません。
正しく「悲しみ」というのを見つめ、そこから立ち直っていくという部分がないがしろになったり
我慢しないとと押し込めると、
かえってゆううつや心身の不調が長引いてしまい不妊体質が悪化してしまいます。
悲しい時には、悲しさに向き合って、早くに対処しておくことが大事です。
深い悲しみを癒していく妊娠しやすく瞑想法
まず、呼吸法で呼吸を整え、基本的な瞑想法を行った後に、
行うようにしていきましょう。
1 今、直面している悲しいことは何でしょう?
まずは、素直に、自分自身に問いかけて聞いてあげましょう。
悲しいことは何?
2 ふと浮かんだ出来事は何ですか?
それはどれほど悲しかったでしょう。
大事なものを失った喪失感かもしれません、
孤独かもしれません。
思い出すことで、心にたまっていた涙がこぼれだすこともあるでしょう。
涙はつらさを洗い流していってすっきりと楽にしてくれます。
心をきれいに洗い、曇りを払い輝きを取り戻していきます。
3 つらかったね、我慢してきたんだね、悲しかったね
過去の自分に向かって言葉をかけてあげてください。
今まで自分が抱えてきた心の中の悲しみ、つらさなどに向き合って、
気持ちを共感してあげてください。
涙が出てくる時は、そのまま流してあげてください。
閉じ込めていたものを、受けとめ解放してあげることで、
心は元気を取り戻していかれます。
子宮は感情の臓器で、ずっとため込んでいるものが多いほど、
冷えて固くなっています。悲しみを感じると、
セロトニンやオキシトシンといったホルモンの分泌が減ってしまいます。
セロトニンは女性ホルモンの前駆体になるホルモンです。
涙を流すたびに、女性ホルモンがバランスよくなっていかれます。
悲しみやストレスを抱えていてはふっくらとした子宮内膜は
育ちにくいということです。
癒しと愛で、温めていきましょう。
あたたかいピンク色のふわふわした光をイメージで作り、
自分自身をふんわりと包んであげましょう。
あたたかみを感じられるくらいまで、じっくりとその光に包まれてください。
4 最後に、気づかせてくれてありがとう
自分自身、気づけたこと、
自分自身を大切にしてあげることができたこと
気づきと感謝に「ありがとう」の言葉を添えてあげるのもいいですね。
他のストレス軽減法
他にも、ストレス軽減方法はたくさんあります。
効果的な用法によってストレスの軽減を図っていただければと思います。
ストレスがかかったときほど、ストレス発散法に走ってしまいがちですが、それらには
あまり効果がないどころかむしろ逆効果というものも多いため、
アメリア心理学会が推奨する方法などをお試しいただくとよいかなぁと思います。
まとめ
子宮を大切にするという事は、あなた自身を大切にするという事です。
深い悲しみを癒すと、くもっていたものが晴れ、
自己肯定感・自尊心という心の輝きを取り戻されていきます。
たまった涙はしっかりと出して妊娠しやすい人になっていきましょう。
参考文献
1Fertil Steril 2016; 105: 1594
2Hum Reprod 2015; 30: 777