女性が妊娠しやすく気をつけたい栄養素(鉄分) 牛肉に要注意

妊活で気をつけたい栄養素(鉄分) 牛肉に要注意

妊娠を望む、ベビ待ち中の女性には、鉄分がある程度足りている事は必要です。

でも多くとり過ぎたり、ヘム鉄の摂取は妊娠には不向きになってしまうようです。

妊活中にとっても大事な栄養素はありますが上手なとり方をしていないと

どうも不妊リスクが高まってしまう影響があります。それが鉄(Fe)です。

血の巡りを良くして、ホルモンバランスを整えていくのに、非常に大切な役割をする栄養素でありながら、

月経があるため、ほとんどの女性が不足しがちと言われていますが、かといってそれを補うように

ヘム鉄の摂取に偏ったり多いとかえってインスリン抵抗性が高まったり、糖尿病リスクが高まるなど

注意が必要になってしまいます。特に女性の不妊の原因にもなる子宮内膜症や卵子の劣化にも

関係があるので鉄なら何でもOKというわけでもなさそうです。

妊娠しやすい体つくりをしていきましょう。

 

月経がある女性には不足しがちな栄養 鉄

女性には最も不足しがちなのは鉄(Fe)なんですね。

毎月、月経がある女性にとっては、毎月ある程度の量の血が、体外へ出ていく機会があるためどうしても、

貧血気味になりやすいとも言われもいるのが鉄不足。でも実際は本当に鉄を沢山摂取しようとして

取り組んでいれば妊娠しやすくなるかというとそうでもないようです。

鉄には妊娠しやすさを作り上げていくための重要な役割があり、不足することで確かに血流にも影響が

出てきてしまうものの、赤身肉などヘム鉄を多くとると不具合が出てくる可能性が高いです。

不妊になりやすくなってしまいます。

 

月経がある事で鉄を排出 デトックスになっている

女性の寿命が長いのは、男性に比べて月経があり、血液を排出しそれとともに鉄濃度を

低下させていて、体の中に蓄積する鉄を減らすことができているからだという

説もあります。とにかく鉄は体の中で酸化すると細胞にダメージを与え、

老化させてしまい多くの病気を引き起こす素にもなってしまっています。

 

地中海式食事療法では、ヘム鉄の摂取よりも、非ヘム鉄の摂取が多く野菜や果物からも

摂取している事や抗酸化作用や抗炎症作用が強い食事をしている点も

良いのでしょう。ヘム鉄の摂取と非ヘム鉄の摂取においては妊娠率に違いはあまりないものの、

赤身肉が多い西洋の食事スタイルだと、子宮内膜症などのリスクが高まってしまいます。

子宮内膜症やチョコレート嚢腫の原因とも言われるのが血液の逆流ですが、

血液が逆流しさらにそこに鉄が蓄積することで病気をまねているのではないかという事が

言われています。鉄は酸化すると錆びてしまい、そのサビはとにかく細胞にとってはダメージが

大きくなってしまうのです。子宮や卵巣だけでなく、卵子のもと原子細胞の劣化にも影響が大きく

なっているため、女性にとって月経があるということは鉄を排出しデトックスになっているのです。

 

鉄分のとり過ぎは糖尿病リスクが高まる

糖化というのも細胞の劣化や老化に関わるものとして不妊リスクを高めてしまう事で知られています。

そのため、高血糖にならないように糖質の摂取の仕方なども気をつけて妊活する女性も

増えているのではないでしょうか。甘いものやお菓子やパンはダメ、お酒も控えて

って気をつけているかもしれません。

血糖値が高い状態が続くことによっておきてくるインスリン抵抗性が不妊リスクと関係が

あるとも言われていて全粒穀物の摂取が多い地中海式食事療法は妊娠率を高めるとして有名ですね。

そんな糖尿病リスクを高めるのが鉄の過剰摂取だという事が言われています。

浙江大学の鉄の摂取が糖尿病を増やすという研究(1)では、総サンプル数は77,352人

フォローアップ期間は2.8〜16.8年とかなり信頼性が高いメタ分析となっています。

それによると、血中の鉄分が少ない人に比べて、鉄が多い人は糖尿病にかかる率が54%も高いという事

でした。タンパク質と結合して体の中の鉄の総量と連動してくるフェリチンの値が100-g/L増えるごとに、

糖尿病リスクは22%も高くなったといいます。

鉄のとり過ぎは、インスリン抵抗性とも関連しさらに、老化や糖化と関連し不妊リスクも

高まってしまうため鉄の取り方には気をつけたいところですね。

 

赤身肉の摂取が糖尿病リスクを高めている

地中海式の食事療法では赤身肉の摂取は少なく、タンパク質は魚介類や豆類が主で

世界的に見ても健康レベルを高める食事療法の一つとして注目を浴びています。

というのも赤身肉の摂取が多いほど糖尿病リスクが高まってしまうという事も言われています。(2)

赤身肉に含まれる鉄の摂取が関連していて、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が壊されてしまう

からだとされています。

牛肉などの赤身肉はほどほどの摂取を心がけたいですね。

普段は、鉄分は魚介類を中心にヘム鉄を、野菜や果物から非ヘム鉄を摂取して

鉄の摂取には十分気をつけていきましょう。

 

さらに、炎症反応や酸化ストレスにさらされると卵子や精子など体の細胞は劣化してしまうため

そのための対策も大切です。

 

男性でも肉好きは要注意!精子の数減少に?

若い男性について肉の摂取量と生殖能力について調べたハーバード大学の

研究があります。

アメリカでは、牛の成長促進のために同化性ステロイドが投与されます。

そのため、牛肉を食べることがヒトの生殖にも悪影響が出てしまうのでは

ないかという事が心配されています。

肉の消費が若い男性の精液の質のパラメーターと生殖ホルモンの

レベルと関連しているかどうかを18〜22歳の男性189人から精液サンプルを採取

調査した結果、肉の消費量が多いほど、精子の数が少ないという結果でした。

 

まとめ

女性も男性も、どうも肉類とくに牛肉の摂取には注意が必要そうです。

動物性のタンパク質であれば魚介類を中心に、そして

鉄分の補給には非ヘム鉄を多く含む野菜や果物から

積極的に摂取していきましょう。

 

参考文献

(1)Sex-Specific Association of Circulating Ferritin Level and Risk of Type 2 Diabetes: A Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies
(2)Red Meat Intake and Risk of ESRD
(3) 2014 May;25(3):323-30. Meat intake and reproductive parameters among young men.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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