卵巣機能低下に大豆たんぱくを補いながら妊娠しやすく

卵巣機能低下に大豆たんぱくを補いながら妊娠しやすく

女性ホルモンエストロゲンは大豆からのイソフラボンなどで補えるのでしょうか?

妊活中は食べるもの、食事、栄養素へは関心を持たれる方も多いので、

気になるのではないでしょうか。

 

卵巣機能低下だとエストロゲン分泌が低下になってしまう

女性ホルモンとして妊娠・出産において、大切だと言われる

エストロゲンは、卵胞ホルモンと呼ばれ、

脳からの指令で、卵巣でつくられるホルモンです。

女性らしいカラダやカラダつきをつくり、妊娠、出産できるように働きます。

そのホルモンバランスが整っていないために、食べ物から摂取して、補っていくと

妊娠しやすくなるのか気になりますね。

植物性で、エストロゲンに構造が良く似ている代表としてイソフラボンがあります。

 

大豆イソフラボンについては、

とにかくたくさん食べればいいのではないかといった情報が流出しており、

卵胞(低温)期に豆乳を毎日飲めばいいとか、大豆食品だけでなく、

イソフラボンそのものをサプリメントで摂ればいいとか、

いろいろなことが言われているようです。

確かに、大豆そのものは良質なタンパク源であり、また、昔から味噌は

腸にもよい発酵食品として食べられてきました。

今は食事が欧米化して、和食から洋食へと変化してきており、

大豆の摂取量が昭和40年以降徐々に減ってきているという点はあげられます。

 

ただ、更年期障害などには有効性が認めていたりといった点はありますが、

生殖年齢にある(月経がある)女性がイソフラボンを補充するとかえって

生理不順のリスクが高まるとの報告があったりもします。

通常、大豆製品を普通にとっていれば、わざわざ補う必要性もないので、

無理して、サプリメントで補うような必要はなさそうですね。

 

卵巣機能を高め不妊リスクを低下させる食事や生活とは

ホルモンバランスを整えるといった点を考えた時に大切なのは、

ホルモンを作る指令を出しているところがどこなのかという点を

しっかり押さえておいてほしいと思います。

女性ホルモンの分泌に問題がある、卵巣機能が低下している、排卵障害があるといった

女性は食事やライフスタイルを変える事で、不妊リスクを低下させられるという点です。

ホルモンの分泌を促すには、

たっぷりとした質の良い睡眠、適度な運動、ストレスを発散させリラックスした心理状態

が欠かせません。食事に気をつける事もそうですが、

睡眠、運動、心のバランス、そういった点からも男性の不妊対策はできるのです。

ホルモンの分泌と脳とは深い関係があります。

脳からの神経や伝達物質、ホルモンを使って命令をだし、各器官や臓器が機能するようになっています。

 

研究からわかる大豆たんぱく摂取の必要性

8年間にわたりハーバード大学が調査した17,544名の妊娠を希望する、または、妊娠した、

そして、不妊経験のない女性を対象に食生活や生活習慣のパターンを追跡調査しています。

それによると、生活や生活習慣のパターンによって、そうでない女性と比べ、

排卵障害による不妊のリスクが低下すること

その他の原因による不妊においても程度は小さいもののリスクが低下するという事が

わかりました。

この生活を取り入れた女性は66%が排卵障害による不妊になるリスクを低下させ

他の原因で不妊になる確率を27%も低下させています。この研究の中で、

動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質を多く摂取したという項目があります。

妊娠しやすさにタンパク質の摂取の重要性もうかがえますが、さらにその内訳として、

動物性のタンパク質よりは大豆製品といった植物性のタンパク質からより摂取することが

好ましいことがわかります。

 

高タンパク・低炭水化物食・質の良い脂質をたっぷりと

これは、質の良いタンパク質をたくさん摂取して、炭水化物の摂取を控えるという事です

加えて、質の良い脂質は欠かせません。

炭水化物といっても種類は様々ありますが、

なぜ、炭水化物を減らすといいのかという点がポイントになります。

そもそも、炭水化物は主食になるもので、

分解されてブドウ糖としてエネルギー源になるので、非常に重要視されているのに、

なぜ減らさなくてはいけないの?

本当に減らしても大丈夫?といった不安も出てくるでしょう。

炭水化物でも血糖値を急上昇させてしまう精製された穀物や砂糖は

控えた方がいいのです。一方で、食物繊維や水分を多く含む

玄米や、雑穀などや果物は血糖値を緩やかに上昇させていくので代謝は安定します。

カラダの細胞にとってエネルギー源として必要としているのはブドウ糖やケトン体や酸素です。

エネルギー源をブドウ糖にのみたよる食生活では、ケトン体をうまく作り出すケトン体回路が作動しません。

エネルギーにブドウ糖を使用してばかりいると、代謝の過程でビタミン群を浪費して、

さらに活性酸素も大量に産生してしまいます。

 

糖質のとり過ぎは細胞の劣化と老化に

とりすぎた糖質はインスリンというホルモンによって脂肪に置き換えられて

蓄えられるようになります。そうしてできた脂肪細胞からはサイトカインという

炎症性物質を放出されるようになってしまいます。

カラダの細胞は酸化してさびやすく、体内で目には見えない炎症を引き起こしてきます。

細胞の修復や増殖もうまくは整うはずがありません。

そして、血糖値は上昇後、下降します。

この時に、人はとてもイライラするようになり、また糖質を摂取したくなり

食べるというサイクルに陥ります。甘いものが好き、お酒が好き、食後なのにまだ何か食べたい

休んでも疲れがとれずに気だるさが残る、こいった状態は糖質の多い食事をとっているとおきてきます。

>一昔前は、糖質といっても今ほど精製された穀物ばかりを食べていたわけではありません。

玄米や精製され過ぎない穀物や果物から摂取していたのです。

長い人類の歴史をみてもこれ程糖質を多く摂取している時代はないのでは

ないかといわれるくらいです。

生殖機能を高める食事についての研究

生殖機能には「高タンパク低炭水化物食」ふさわしいことが、マウスを使った実験で確かめられています。
オーストラリアのシドニー大学の研究チームは、

生殖機能や長寿には3大栄養素をどのようなバランスで食べるのがふさわしいのかを

調べるためにマウスを使った試験を実施しています。

その結果、生殖機能には「高たんぱく低炭水化物食」が、機能にふさわしいことがわかりました。

 

今は高炭水化物・低タンパク質の食事になりがち

現代は、あなたが思う以上に炭水化物はとりすぎになっているのが

現状ではないでしょうか。

精製された穀物や砂糖をこれ程に摂取している時代は長い歴史の中で今位しかありません。

今と昔とでは3大栄養素の摂取バランスがちがいます。

昔  炭水化物:タンパク質:脂質= 5%:20%:75%

今  炭水化物:タンパク質:脂質= 60%:20%:20%

炭水化物といっても、お米は精製され過ぎない状態で玄米などを食べてきていました。

そして、砂糖もほとんどとらない食事で、

野菜が多く、卵・肉・魚・乳製品・大豆・木の実・果物なども

バランスよくとる事が出来ていました。

 

つまり、昔のように、和定食のスタイルで、

玄米ご飯に魚、野菜たっぷりの副菜にお味噌汁といった

食事が各臓器や器官の機能を高め、細胞の老化を防ぎやすい食事になります。

そして、大豆製品である豆、豆腐、納豆、あげ、高野豆腐、豆乳などの摂取も

バランスを考えながら、積極的に摂取していくとよいでしょう。

 

参考文献

. 2018; 6: 211.Published online 2018 Jul 31. doi: 10.3389/fpubh.2018.00211The Influence of Diet on Fertility and the Implications for Public Health Nutrition in the United States

 2007 Nov;110(5):1050-8.Diet and lifestyle in the prevention of ovulatory disorder infertility.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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