男性不妊に影響!勃起障害の種類と発症率はどれくらい?

男性不妊に影響!勃起障害の種類と発症率はどれくらい?

勃起障害は男性が抱える不妊の原因の1つにもなっており、性行為が成り立ちにくい

という事によって不妊となります。勃起障害には種類があります。

また、年齢とともに発症しやすくなるのが勃起障害です。年齢が高齢になるほど

発症率が増えていくのも特徴になります。

どういった種類があるのか、また男性の勃起障害の発症率も見ていきましょう。

 

男性の勃起障害ってどれくらいの割合で発症しているの?

泌尿器科医である白井将文氏他が2000 年に行った調査(男性2034 名、女性1820 名が回答)によると

男性回答者の29.9%が勃起障害ED を自覚しており、女性での回答者の30.1%

パートナーのEDを認識しています。そのうち医療機関に相談したのは4.8%です。

病院などを受診したり相談できている状態にはなっていないことがうかがえます。

2009年の製薬会社のファイザーが行った調査によると、45%もの人が勃起(ED)不全かも

と感じています。20歳以上の成人男性7,710人に性生活や勃起機能に関して行った調査で、

「今までにED(勃起不全)かもしれないと思ったことはあるか?」という質問に、

YESと答えた人が3,494人(45.3%)いました。さらに年齢別にみてみると、

20代では26.8% 30代では37.5% 40代では52.7% 50代では66.4%となっており

年齢とともにEDかもと思っている割合が高まっています。

アメリカマサチューセッツ州(MassachusettsMaleAging Study、MMAS)勃起不全疫学調査では

1987—1989年はマサチューセッツ州ボストン地区の1ランダムに11個の町を選んで、

1 290名の40~70代の男性にアンケート(11EF)

では40~70代の男性の勃起障害の発症率は52%であり、年齢とともに重度な勃起障害になる割合が

上昇する傾向があります。

 

多くの男性がなりうる勃起障害その種類とは

勃起障害には主に大きく分けると2種類

心因性の勃起障害と器質的な勃起障害とに分けられます。

さらには、その両方の混合性や、使用している薬の副作用によって引き起こされるものと

全部で4分類できます。

精神的な影響によってもなりますし、

また些細なことがきっかけで萎えてしまったことや、女性との性的な関りでうまく成り立たなかった

経験に傷ついた、ショックだった、トラウマ化したなども勃起障害へとつながったりします。

生活習慣などの影響によっても起こるため

高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症・痛風といった、いわゆる生活習慣病を抱えている人は、

勃起障害EDになりやすくなります。過度に疲れていた、睡眠が不足したなどをきっかけに

おこる場合もあります。

高血圧治療に使われる降圧剤、抗うつ剤や睡眠薬、男性ホルモン抑制剤など、薬の副作用面が影響して

日常常用している薬によって中折れにつながっている場合があります。薬による副作用の場合は医師に相談

してみることがよいでしょう。

 

心因性の場合は、ED治療薬も有効ですが、カウンセリングやイメージトレーニング、あるいは、

精神安定剤や精神的にリラックスできるようにする取り組みで解決できることもあります。

器質性の場合では生活習慣を整える事を重要視してきましょう。

 

原因 内容
心因性
(精神的な心のトラブル)
・ストレス
・セックス失敗のトラウマ
・うつ病などの精神疾患など
器質性
(肉体的な問題)
・事故による損傷
・加齢による男性ホルモン減少
・生活習慣病
混合性 ・心身ともに問題がある
薬剤性 ・使用している薬剤の副作用

 

 

勃起障害は自律神経と血管との問題

1922年、国際心臓協会では“健康の礎石が四つ”として

「合理的な飲食、適度な運動、禁煙とお酒を制限する、心理のバランス」

を掲げています。高血圧や糖尿病など生活習慣病をもつ男性は勃起障害を発症しやすいを

といわれているのは、勃起するメカニズムとしては神経と血管・血流に問題が

おこっているためであり、そこを改善することで適用でできる部分を持ち合わせます。

勃起のメカニズムとしては

脳からの性的刺激→副交感神経→陰茎への血液流入→勃起

といった流れで勃起という現象がおこるため、神経の伝達がうまくいかない事

血管や血流に問題がある事によっても勃起はしにくくなります。

特に勃起に関わる神経は副交感神経であるため、リラックスできること、

ものごとを考えすぎない事、体を過度に興奮させ使いすぎない事も大事な点です。

血管や血流のポイントにおいては生活習慣が大きく影響してきます。

ストレス社会、不規則な生活習慣が当たり前となってしまってきている現代では

EDの若年化というのも問題となっています。

 

勃起障害において男性が相談、受診できない原因

相談しない理由としては、「日常生活にさほど影響がない」「困ったことがない」

「セックスに関心がない」「恥ずかしい」「どこの病院に行ったらよいかわからない」などが、

医療機関を訪れない理由としてあげられていますが、男性が不妊治療に積極的になれない点と

同じく男性の勃起障害があるという点は性機能不全といった点と、子どもができないという

双方の問題点が混在してしまうのですが、性的に不能といった時点で

男性が男として「ダメなのではないか」「男としてのプライドが傷つく」といった点から

前向きになれない点もあって相談したり解決に向ける行動に出にくくさせてしまっているのでしょう。

 

勃起障害解消のための生活習慣の改善など

勃起障害の主な原因は神経性か血流の障害かによっておこるため、心のケア、

食事、運動、睡眠、喫煙飲酒生活といった生活習慣の改善といった

まずは取り組めるところから取り組んでみてはいかがでしょうか。

心因性の場合はカウンセリングなどが有効になります。

勃起障害は思った以上に多くの男性が経験するトラブルなのかもしれません。

特に35歳以降は男性ホルモンの分泌も低下します。それによって引き起こされる面もあれば

ストレスを感じても成り立たなくなってしまうのが勃起です。

晩婚化、第1子を授かる年齢が引きあがっている事で男性が妊活する年齢も

上昇していると同時に、直面するトラブルも増えています。

恥ずかしい事や、男性としてダメという思い込みや羞恥心や自己否定に

捕らわれずに相談しながら夫婦協力し合うという事で生殖面と子供を授かっていく面と

両方をうまく解決していくことが望ましいと言えるでしょう。

 

焦って緊張して勃起障害は悪循環

不妊で悩む女性とのヒアリングから、夫が勃起障害などを持ち合わせていて

性生活がうまく成り立たない事を自覚している場合、夫が焦っている、

緊張している、一生懸命集中しようとしている、とにかくことを早くに済ませようとしていたり

しているのを強く感じている傾向がある事がわかります。

萎えてしまう前にとにかく終わらせようとしたり、勃起した時に何とかしたがって

挿入までに時間をかけない、挿入したらすぐに射精しようとしたりと

いった傾向が強く出ています。何とか成り立たせたいといった心理がうかがえますが、

同時に緊張したりプレッシャーも強いため交感神経が優位になりやすく

かえって勃起しない、萎えてしまうで悩むという悪循環にもなっているようです。

勃起には副交感神経を優位に働かせてあげられるようにしていくことと

血管・血流のトラブルを減らずべく生活習慣の改善に努めていくことと、

女性が男性にプレッシャーを与えない関りを持つことも重要になります。

 

まとめ

男性の勃起障害には種類があるものの、男性が不妊で悩む場合の勃起障害には

精神的なストレスも大きく影響し、家庭内EDや排卵期EDといった妊活を

意識しすぎるあまり起こってくる勃起障害もあります。

男性の勃起に関わるのは副交感神経が優位になる事と血流が関わるという点ですから、

生活習慣を整え、精神的なストレスへのケアや、自律神経を整えリラックスし

副交感神経を優位にできるようにしていく事をこころがけていきましょう。

 

 

参考文献

白井將文・滝本至得・石井延久・岩本晃明「勃起障害及びその治療に関す
る一般市民意識調査」『日本泌尿器科学会雑誌』92(2)(2001 年)、666-673 頁。

岡田弘『男を維持する「精子力」』ブックマン社、2013 年

戦後日本の不妊男性に対するまなざし
―不妊男性の妻は自身の経験をどのように意味づけてきたか? 由井 秀樹

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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