男性不妊 約3割が勃起障害EDで精神的につらく悩んでいる

男性不妊 約3割が勃起障害EDで精神的につらく悩んでいる

男性不妊の原因ともなる勃起障害(ED)が思った以上に多く

また男性不妊で泌尿器科を受診した人のうち95%の男性がうつ症状を持っていた

点から男性にとって勃起しないという事が非常に精神的にもつらく

男性にとって「オトコ」を否定されているような感覚になってしまうという

深い悩みとそれだからこそ不妊治療に協力的にになれない消極的になってしまうといった

ところへフォーカスしていきます。

 

男性はオーガズムに達しても不満足

ひと昔前は男性の性欲は当たり前でそれに伴って性行為を持ちたくなって

射精せずにはいられない生物という考えられ方をしていました。

1980年と1981年の調査をまとめた「モア@リポート』で20歳の女性は、

「自分が欲していない時、パートナーからセックスを求め

られたらどうしていますか?」という質問に、「時によって応じます。男性って女性と違ってある程度精

液がたまるとセックスせずにはいられないでしょう。そんな時、私、イヤって一方的に断るのもかわ

いそう。生理上しかたがないもの」と答えているのです。

 

そして、排泄のために女性との関りがありそこに男性の支配欲が関わってい時代から、

女性に深い快楽を与えることこそ男性性の証明となっているといった快楽と支配欲といった関係に

シフトされてきたといわれています。

男性にとって射精は一瞬であり、男性らしさを表すことができる勃起の終焉であり

確かにオーガズムは感じるものの、その満足度は女性を満足させられたのかどうか

出された精液の量にも関係するといわれています。

 

勃起する力そのものが男性としての力

男性はただ射精できればオーガズムに達して気持ちいいのではと思うと

男性は悲しい性生活しか送れなくなってしまいます。

男性は、女性に快楽を与えるために自身の欲求充足を遅延すること自体が自らの快楽となります。

女性の支配に通じているため、勃起不全にくわえて短小や早漏、

その原因とされる包茎が問題視されるのも、すべてそれらが女性を十分に満足させないという

ところに結びついているのです。

勃起について、その角度、持続性、硬さが女性を満足させる能力と

関連づけられている点と勃起は男性の力を象徴しているという点です。

そのため、女性を満足させていくという事は女性から射精に達してもよいという

メッセージを受け取れるまで我慢する傾向に男性があり、

その後での射精になる事で女性を満足させられたと思えてもいるようなのです。

そのため、それができないという点で男性の満足度が低下してしまいます。

実際に勃起の維持と射精量との関係も示唆されており、勃起後の射精においては

射精した精液の量の多さが多いほど、男性としての力を示すものに変わっていると言います。

またその射精量が多いほど女性の満足度にもつながり合うといった相互の満足しあい

させあうといった作用もあります。

 

不妊治療に協力してと迫るのは男としてつらくなる面も

不妊治療に積極的になってくれる、協力してくれる男性を夫に持っていれば

また違うのでしょうが、不妊と勃起障害に悩んでいる男性の95%がうつ傾向にまで

あるという医師の見解もあります。

男性にとって勃起できないというのは男としてダメという事につながってしまっているため

うまく受け入れることができない、また傷つくのが怖い、さらには

勃起ができないから治療してというのは受け入れがたく精神的にストレスがかなりかかる

という点があります。女性からすると妊娠できないのは、子どもを授かれない

つらさと同時に、産めない自分は女性としてダメなのではとか

妻として、嫁としてといった役割を果たし切れていないのではと悩む側面を持つように、

男性は男としての存在を否定されたような、男としての能力のなさ=男としてのプライドが傷つき

苦しんでもいます。

 

男性の生殖能力のなさが男性性に決定的なダメージに

不妊治療に通う男性への聞き取り調査からも、初め、男性側に(自分に)原因があると思っていない

割合が95%以上と言われています。男性にとって生殖能力があるというのが前提になっていて、

検査の結果にものすごいショックを受けたりまさか自分が・・・と思う男性が大半となっています。

東京女性財団の『女性の視点からみた先端生殖技術』では、

女性42 名、男性12 名に対する聞き取り調査の報告が掲載されており、調査を受けた結果からの考察で

江原由美子氏は、男性の不妊が性的能力の文脈に位置づけられることで、

男性自身が不妊を強くスティグマとみなす点、男性が自身の不妊を強くスティグマ視することが

「男性の不妊症についての社会的認識の形成を、女性以上に困難なものにしている」点などを指摘しています。

 

勃起障害が二つの欲求を満たせない苦悩

勃起障害は、女性としての男性から求められ性生活をおくるという欲求と

母性からくる母になりたいという欲求との2つを満たすことができない苦悩につながります。

性と子どをも授かる事がつながるため、

どちらも満たすことができないことが男性にとってもつらい事であり、

また女性としてもどちらも満たされない事につらさが出てきます。

しかも、不妊は今では6組に1組は悩んでいるといわれているほど多い悩みとなっています。

その中でも男性の性機能障害というのも不妊の原因となっており

男性の20代から50代での男性への調査では45%が勃起障害なのではと言われるくらい

男性にとって多い性に関わるトラブルになっています。

勃起というのは神経と血流によって成り立つメカニズムであるため

悩むんだりストレスがかかるほど頑張ろうとするほど勃起障害は悪化してしまいます。

 

勃起障害は多い悩み そっと相談してみて

勃起障害には心因性と器質性との原因がありますが、改善できる部分も多く

取り組んでみる価値はあります。心因性の場合は精神的な問題なため

相談したりカウンセリングを受けていくのも有効ですし、

器質的な場合は生活習慣の改善から取り組むことを大切にしてみて下さい。

泌尿器科などで相談し薬などによっての治療が可能な部分もあるでしょう。

また女性は男性にとっては非協力的というとらえ方だけでなく、

男性としてのプライド、精神的に女性が思う以上につらいものになっている事

を理解する姿勢とともに夫婦で協力し合う、理解し合う、歩み寄ろうとする姿勢で

子作りばかりでなく男女の性的な関係をまずは構築することに目をむけていきましょう。

 

男性の勃起力、そしてその維持力が、射精精液の量と連動し合い、

オトコとしての満足度、プライドを保てるといったところにつながっています。

 

参考文献

田中雅一「射精する性―男性のセクシュアリティ言説をめぐって

外森憲作男と女の事典SEXのすべてがわかる』西東社、一九八九年

戦後日本の不妊男性に対するまなざし
―不妊男性の妻は自身の経験をどのように意味づけてきたか?由井 秀樹

斎藤美奈子『実録 男性誌探訪』(朝日新聞社、2003 年)

http://r-cube.ritsumei.ac.jp/repo/repository/rcube/8101/sis_16_yui3.pdf

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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