妊活ストレスや痛みはマッサージのさする効果で軽減

妊活ストレスや痛みはマッサージのさする効果で軽減

さすること、皮膚と皮膚が触れ合う事で、私たちはストレスが軽減したり、痛みが和らいだりします。

妊活中は多くのストレスや痛みを経験するため、心はとても傷つきやすく

疲れてしまいますよね。

夫婦でさすりあったりマッサージし合う事で絆を深めながら

妊娠しやすい精神状態と心の健康を保っていくようにしましょう。

 

マッサージは妊活ストレスの軽減に

さすったり、なでたりといった肌の触れ合いは、体や心にとってとても良い効果があります。

研究でもマッサージによる良い効果が報告されています。(1

 

・血流やリンパの流れが良くなる

・皮膚を軽く刺激することで皮膚細胞を活性化する

・表層の筋肉をほぐす

・自律神経の調整をし、体の調子を整える

・心地よさからリラックス効果が得られる

・イライラせず精神的にも落ち着くようになる

・免疫バランスが整う

・体外受精でも妊娠率が高まる

・生まれる子供の成長が良好になる

 

特に不妊で悩むことは人生に関わる部分で、自分でコントロールできないような

無気力感にも襲われやすくうつ傾向を示す女性もとても多いです。

妊活中のストレスケアはとても妊娠していくためには重要になります。

精神的なストレスがかかると、副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」の分泌が増え、

このコルチゾールがまた悪い働きをしてしまいます。

コルチゾールはストレスの度合いを測る際に利用されるホルモンですですが、

さすったりといったマッサージを受けたり行うことでコルチゾール値が下がること

がわかっています。

また、マッサージによってセロトニンという精神の安定や睡眠に深く関わっている物質を

分泌させられるようになります。セロトニンが不足すると、ネガティブな思考になったり、

内臓の働きや代謝が低下し体は不健康になってしまいます。

心身の安定のためには不足しないように分泌させることが重要で、そのためにはマッサージ

軽く触れ合う優しいスキンシップがとても効果的になります。

 

さすると痛みが軽減する効果

皮膚の感覚から痛みが和らぐというのは科学的にも証明されていて、

メカニズムまでわかってきているのですごい事ですよね。

子どもの頃、痛いの痛いの飛んでいけ~~とお母さんにさすってもらう事で

楽になったというのはやはりあながちウソでもないという事です。

手当てという言葉があるように人の手で触れ、擦られると癒されたり痛みが軽減する

ということです。

群馬大大学院の柴崎貢志准教授(分子細胞生物学)は、打撲などによる痛む部分を

さするということで、どうして痛みが軽減するのかを発見し発表しています。

神経の再生効果につながるのは、特定のタンパク質が細胞の中にカルシウムイオンを取り込ま

せることによって、神経の再生を促すからなのです。

セルフケアの基本にもなるさするという行為。

夫婦での生活にもたくさん取り入れていきたいですね。

臨床発達心理学者の山口氏は、実際に触覚の神経伝達は、痛みの神経伝達よりも早くに

脳に到達するために、痛みを和らげるというメカニズムがある事も言っています。

また、痛みというのは安心感という事において軽減することもわかっているので、

安心感を得られるさする、マッサージするという行為によって精神的にも癒され、

さらに痛みも感じにくくなるという良い効果が得られます。(2

 

アメリカ心理学会APAが認めたマッサージの効果

アメリカ心理学会では、マッサージにはストレス解消の効果があり、さらに

衝動的な行動がへり、感情(不安・過敏症や怒り・落ち着かないそわそわ・悲しみや・抑うつ)

にも効果的で、体への変化として痛みの緩和にも効果的と証明しています。

血圧がさがり、筋肉もリラックスして、エンドルフィンの分泌が高まります。

体の自然な “良い感じ”と感じられる 化学物質である、セロトニンとドーパミンも

マッサージによって促されていきます。慢性的または習慣的なストレスだけでなく、

急性または短期的なストレスを克服するのにも役立ちます。(3)

 

妊活ストレスに グルーミングし合あうマッサージ

グルーミングとは人やペットなどと触れ合うスキンシップの事です。

グルーミングを行うと、安心や幸福を感じる「オキシトシン」という神経伝達物質が分泌されます。

オキシトシンは、セロトニンの分泌を誘発する働きがあるため、結果スキンシップをとって

触れ合う事でセロトニンが増え、妊活ストレスが軽減します。

夫婦で、信頼し合い、いたわり合う行動をとっているほど絆が深まるというのもうなずけます。

マッサージやスキンシップをとっているとオキシトシンというホルモンが分泌されますが、

ドイツのボン大学のシェーレ氏らの研究ではオキシトシンを鼻に噴霧された男性は、

パートナーをより魅力的に感じるというものがあります。

マッサージし合っていると自然とパートナーが魅力的に見え、絆を深め

しかも精神的にも落ちつくようになるってスゴイですね。

 

マイアミ大学のフィールド氏らの研究によると、マッサージを受けるとそのことによって

ストレスに反応して分泌されるコルチゾールが31%も低下すること、

さらにセロトニンは21%も増え、意欲の向上に働くドーパミンは31%も増加することが

明らかになっています。

マッサージで、ストレスが軽減し、さらに意欲的で幸せを感じ前向きに取り組みやすくなるので

妊活中のご夫婦は積極的にお互いを思いあってマッサージし合うとよいですし、

そのもっともよいスキンシップが性生活となるのでしょう。

 

マッサージはさするといった優しいスキンシップ

夜という時間帯は、ひとがもっともうつうつとしやすくなってしまう時間帯です。

不妊で悩んでいると、ネットサーフィンをしたり自分がネガティブになっていると

もっともっと検索をしてしまって同じような状況の人のネガティブな情報につい

見入ってしまう事もあるかもしれません。

 

ネガティブになるとますます落ち込みやすくなるため妊活中は最も避けたい行動です。

よる、一日の疲れを癒し合うように、グルーミングし合いましょう。

外で働いてきている男性は、そっと癒されたい、甘えたいというのもあるでしょう。

膝枕をしてあげたり背中を撫でてあげたりというのでも効果的。

お互いに、触れ合ったり、優しくなでる事を交互にするだけでも

ストレスは軽減します。

人と触れ合った体温のぬくもりはストレス度を低下させてくれます。

そして、マッサージなど、癒しあう行動によって、

心のいい状態である幸福感(ウェルビーイング)や血圧などの改善にも有効です。(4

 

セックスに直接つながらなくても、2人でスキンシップをとる事、

一緒にいると楽しいね、心地よいねという感覚を大切にしていたいですね。

 

参考文献

(1). Author manuscript; available in PMC 2017 Aug 21.Published in final edited form as:Complement Ther Clin Pract. 2016 Aug; 24: 19–31.Published online 2016 Apr 23. doi: 10.1016/j.ctcp.2016.04.005 Massage therapy research review

(2) 2014 Nov;20(4):224-9. doi: 10.1016/j.ctcp.2014.07.002. Epub 2014 Aug 1.Massage therapy research review.

(3) https://www.massageenvy.com/massage/massage-benefits/relieves-stress/

(4) 2019 May 9;17(2):1559325819840838. doi: 10.1177/1559325819840838. eCollection 2019 Apr-Jun.Improvements in Pain, Well-being, Arterial Pressure, and Lower Limb Volume Following Andullation Therapy in Healthy and Unhealthy Humans.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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