女性がセックスでオーガズム・きもちよくないと妊娠しにくいの?
私が妊娠しないのは、オーガズムを感じていないからかもしれない・・・。
そんなセックスにまつわるお悩みもとても多いもの。性については誰にも聞けないし、
そこに問題があると思って妊活している方も少ないです。でも
妊娠しやすさを考えれば、性生活を心地よく感じるという事もとても大切なはず。
オーガズムを感じないと妊娠しにくいのか、どうなのかという点を見ていきましょう。
オーガズムで妊娠しいやすくなるという理由
女性は心地よさを感じることで子宮からの分泌される粘液や分泌液が増します。
この分泌液は精子が子宮内に進入してくるのを助ける役割があります。
医学的にはオーガズムと妊娠しやすさは関係がないものの、
女性が心地よいと感じることで分泌される全国の産婦人科医医師の任意の集まりである
Sex Selection研究会(SS研究会)が研究結果をいろいろと発表している中では、
女性がオーガズムを感じると、酸性である膣内にアルカリ性の粘液が出やすくなり、
酸性と中和されて中性になるため精子が子宮内に進入しやすいという点はあげられています。
そのため、オーガズムでなくても心地よい感覚を得られれば良いという事になります。
オーガズムを感じられないから妊娠しないと落ち込むことはありません。
また女性が必ず毎回オーガズムを得られるわけでもないのです。
オーガズムで妊娠しやすくなるわけではない
女性がオーガズム得られる事そのものが妊娠しやすさに影響するわけではないと
いわれています。日本産科婦人科学会専門医の清水なほみ医師は、女性のオーガズムの有無と妊娠率は関係ないと
しています。しかし、苦痛を感じながらの性行為はやはり妊娠率を下げてしまうため、
女性が心地よさや満たされた気持ちを感じながら性行為を行うことは大事であるとしています。
同じく、いけした女性クリニック銀座院長池下医師も同じように、
オーガズムと妊娠率との関係はないと言っています。
オーガズムは感じることができたらそれはそれでよい効果もあるでしょうが、
どうしてもなくてはいけないものでもありません。女性も心地よさを得られるように
男性パートナーと関わるようにできる事が大切でしょう。
心地よく感じるという感覚をわかるようにしていくには、
女性は女性で自分の体のこと、性器のこと、
自分の好みの触れられ方などを自分もよく知っているという事ができないと男性と
良好な関係を築きにくいとはいえるので、自分の体のこともよく知っていて
心地よくなることをパートナーまかせにしない事です。
オーガズムがあると睡眠がよくなり精神安定効果も得られる
確かに、人工授精や体外受精ではオーガズムは関係がありませんが、
長い目でみて妊娠しやすい精神性と身体を作っていくことにおいて、オーガズムは
重要な意味合いがあるといえます。
オーガズムには夫婦間の絆を深めたり、幸せホルモンであるオキシトシンやセロトニンといった
幸せホルモンが分泌され、ストレスホルモンであるコルチゾール値を低下させる働きがあります(1)。
ストレスの軽減が妊娠しやすさにつながる、睡眠の質が妊娠のしやすさにつながるというのであれば、
できるだけセックスでオーガズムは得られた方がないよりはよいとも言えるはず。
セックスフルにはオーガズムが必要?
オーガズムは妊娠するかには直接関係しないものの、性生活が増える要素と
なるのかといった視点ではまた違い意味合いを持ちます。
オーガズムを感じられることはセックスフルになるための要素となっています。
著書がんばらないセックスではセックスフル女性の95%が指示する
パートナーとの性生活でオーガズムを感じた経験があるという事です。
毎回オーガズムに達するわけではないけれど、達したことがあるという経験が
あるという点や、パートナーとの性生活に満足しているという点が
セックスフルになり性生活を心地よいと感じる体験にしているという点が
セックスレスになるのかを分けていると言えるでしょう。
セックスフルになるためにオーガズムが絶対に必用かというとそういう事も
ないかとは思いますが、多くは何かしらの形でオーガズムを得るよう
取り組んでいるという点があります。挿入後にオーガズム得なくては
いけないという事ではなく、そのために男女で工夫し合っているのです。
そんな取り組みが性生活の満足度を上げて、回数が増えていくという流れを
産んできているのではと思わずにいられません。
性生活が少なくては、妊娠はしにくいという点は研究からも明らかになっていますので、
回数が増えるように取り組むことは妊娠しやすくなると言えるはずです。
性生活の回数が多いほど妊娠確率は高い
1週間の性生活の回数がどれくらいあれば妊娠確率が高まるのかという研究を見ると、
MACLEOD J : Fertil Steril 1953:4(1) , 10-33では仲良し回数が週何日あるかで
妊娠確率がどう違うかを428例を対象に調査しています。週に3回以上あると半年で
51%であり、4回以上の場合は83.3%と報告しています。週1回未満の場合は半年でも
16.7%となりかなり妊娠しにくい状況となっている事がわかります。
オーガズムがある事そのものは妊娠にすぐ影響しなかったとしても、
性生活の回数が増えるという事を介して妊娠確率が高まっていくのであれば
男性も女性もセックスを通じて心地よさを得られるように関わる、
オーガズムを得る体験があるという事もよいと言えるでしょう。
また、子作りばかりを意識したセックスになる事を防げるかもしれません。
性生活の多さが精子の質が高め妊娠しやすくなる
精子を生成するのを手助けするテストステロンは、精液内のテストステロン値が
高い男子程精子の質が高まります。男性の性ホルモンは年齢とともに低下してしまう
点もありますが、テストステロン値のに影響がでるのは生活習慣という点が大きいわけです。
「生活習慣が精液の質と密接に関わっており、血液や尿のように、
精液中の微量成分にも本人の健康状態が反映されていることが分かりました」と、
順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎教授は話しています。
そして、そんな習慣の中でも男性とっては射精習慣というのも大事な妊娠しやすさを作る習慣。
イスラエルのLevitas氏らが2004年にfertility and sterility誌に報告した
Relationship between the duration of sexual abstinence and semen quality: analysis of 9,489 semen samples.
(禁欲期間と精液所見の関係:9489例の精液所見から)によると
禁欲期間は0~2日が望ましいといわれています。
こういった禁欲をあまりせず、射精回数がおおいほど妊娠しやすい習慣ともいえますね。
オーガズムを感じなくても妊娠はできるけど・・・
オーガズムを感じ、女性が気持ちよくならないと妊娠できないというわけでは
ありませんが、女性もオーガズムを感じられるほど性生活の回数が増える
傾向になる事は出来るでしょう。
夫婦の性生活はマンネリ化しやすかったり、妊活をしていると子供を作るためという
行為になってしまいがちで義務感を感じてしまいます。
義務感を感じながらセックスした場合は、女性は幸せを感じると分泌されるという
セロトニン濃度が低下するといわれています。
そのため、性生活に前向きになりにくくなっていてしまうでしょう。
性生活というのは夫婦間での男女のコミュニケーションであり、学習です。
2人でどんなキャッチボールをしてお互いが心地よくなるためのやり取りをし
学習していくかという点もあります。
そのため、女性がオーガズムを得られなくても、得られるように2人で
関わっていくことは可能です。女性を満足させられたというところで
男性の満足度が高まり、その満足度が射精される精液量にも関係するといわれています。
オキシトシンが妊娠しやすさをサポートしている
心地よさを感じられるセックスや、オーガズムを感じた時は、愛情ホルモンオキシトシンが
分泌されます。このオキシトシンは子宮の収縮や卵管の収縮などを促進し、
精子が自ら運動で進めるだけでは到底たどり着けない卵管膨大部に早くにたどり着けるよう
サポートしているといいます。
精子自体の質の良さはもちろん大切だけれど、意外にも精子そのものの動きなどを
サポートしているのが女性側の子宮や卵管の収縮などによる動きです。
精子には自分で泳ぐ運動機能があり、その進行速度は3mm/分程の速度といわれています。
でも射精から卵管膨大部までの精子はわずか5〜45分で到達するという事が研究で言われています。(2)
ものすごい速さであり、精子だけの運動だけではとてもこの時間でたどり着くことができません。
動物実験などでも確認されていますが、子宮収縮、卵管収縮、卵管繊毛の働きが精子の進行を
サポートしているのではないかとされています。オキシトシンという愛情ホルモンによって
この子宮収縮、卵管収縮、卵管繊毛の働きが促進されることもわかってきています。(3)
精液所見があまりよくないのに、自然妊娠できるケースとして、女性側の子宮や卵管などの収縮などに
よって妊娠までのサポート行われ本当に奇跡のような受精につながっていくのでしょう。
女性はオキシトシンを分泌できるような生活を夫婦二人で心がけていることもとても大切でしょう。
まとめ
妊娠するためにオーガズムを感じることが絶対に必要なわけではありませんが、
取り組んでいく妊活期間の事を考えれば、少しでも女性が気持ちよくなるように関わる事、
そして、オーガズムを感じる体験から性生活の回数が増えるという事につながれば
妊娠しやすくなるといえます。 性生活を通して男性の精液からはオキシトシンが分泌され、
それを吸収することで絆が深まる体験をすることができます。
さらにそのオキシトシンは精子の進入を助ける子宮や卵管の収縮などにもつながり、
妊娠しやすさのサポートをしているのです。
子どものための行為ではなく、まずは目の前にいる相手と見つめあい2人きりの
コミュニケーションを楽しむ姿勢を大切にしていくことが結果につながる妊活になるのでは
ないでしょうか。
参考文献
【専門医に聞く】 妊娠を考えるふたりが知っておきたいSEXのこと ゼクシィ
【ヴォーグなお悩み外来】オーガズムにまつわるウソ、ホント。 VOGUE
“Can Sex Be Repositioned as a Sleep Therapy?” 1970. CQUniversity Australia. January 1, 1970.
(2)Fertil Steril 1973; 24: 655
(3)Fertil Steril 1961; 12: 151