セロトニン不足が男性不妊や勃起障害EDのリスクに!

セロトニン不足が男性不妊や勃起障害EDのリスクに!

セロトニンという愛情と幸せのホルモンとして、精神の状態をよくする

魔法のような伝達物質で心をポジティブに穏やかに立て直すのに役立っています。

このセロトニンは、精神安定とともに男性の勃起や睡眠や生殖とも関り妊娠しやすさに影響するのです。

 

セロトニンとは

セロトニンとは身体が分泌する気分を上げてくれる化学物質で、

どんなことがおきても気分のバランスを保つように助けてくれています。

セロトニンは睡眠や食欲、気分を調整してくれ、

脳から分泌される脳や臓器に存在する神経伝達物質であり、精神状態に大きく影響するといわれています。

ハーバードメディカルスクールによると、うつに悩む人はセロトニンの量が著しく少ない場合もあるそうです。

実際、うつ病の治療には、脳内のセロトニン量を増やすSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使われることもあります。

セロトニンは、腸に約90%、血液中に約5%、脳に約5%あるといわれています。

気分の安定や睡眠に影響を与えるのは主に脳に存在するセロトニンで、腸では、腸の蠕動運動を助け、

それ以外の場所に存在するセロトニンと役割が異なります。

セロトニンが不足すると、ネガティブな思考になったり、感情が不安定になったりします。

また、内臓の働きや代謝が下がったりします。

心身の健康のためには不足しないように分泌させることが重要です。

そして、このセロトニンは、妊娠しやすさにも影響を与えてきます。

 

セロトニンで精神安定に

呼吸、循環、消化などの自律機能を司る神経、歩行、姿勢、眼球運動を司る神経がある脳幹の「縫線核(ほうせんかく)」

という部分にセロトニン神経がありっます。そこから脳の広範囲にセロトニンを放出しています。

脳の中のセロトニン神経の働きによって、感情や記憶を司る大脳辺縁系にセロトニンが伝達されると、

不安や恐怖感が抑えられ、精神が落ち着いたり、痛みが和らいだりします。

セロトニンによって精神が安定するというのがあり副交感神経が優位になります。

さらに、ストレスによってこのセロトニンは消耗して減ってしまいます。

ストレスを感じると、自律神経はバランスを乱してしまいます。この乱れを整えるときに

セロトニンが消耗されていきます。セロトニンは副交感神経の修復に役立ちます。

自律神経には交感神経と副交感神経とがありますが、緊張したりストレスを受けると

交感神経が優位になります。逆にリラックスできれば副交感神経が優位になっていきます。

このバランスを整えるのにも役だつセロトニンは自律神経を整えることで

生殖にも関わっていきます。

 

男性勃起のメカニズム

男性の生殖に関わる、勃起のメカニズムを見てみましょう。

男性が性的に興奮すると、オキシトシンという物質が脳内から分泌されます。

オキシトシンは視床下部に作用し、視床下部からの命令が脊髄の仙骨へと届き、

仙骨からでる副交感神経が男性の性器の海綿体につながっています。

海綿体は細い糸のような血管が無数に集まったスポンジ状で、周りを分厚い「白膜」が覆っています。

男性の性器には副交感神経が優位になる事で、すると体内では一酸化窒素が放出され、

これが勃起を起こすサインとなります。海綿体の部分に一気に血液が流れ込んでいきます。

無数の糸のような血管に血液が流れ込み、血液の圧力によって、

海綿体は硬くなります。これが勃起という現象ということです。

勃起すると、海綿体を覆う白膜がパンパンに膨れた状態となり、運ばれてきた血液が心臓へと

戻る方の静脈が圧迫されます。これによって陰茎の内圧が上がり、

一度流れ込んだ血液が簡単に出て行くことないため、勃起が維持されます。

 

勃起を維持するために大事な副交感神経

「副交感神経が性的刺激を勃起中枢へ伝わる」

→「一酸化窒素(NO)が大量分泌」

→「血管が拡張し血液が流れ込む」

 

このメカニズムによって勃起が維持されていくため、

リラックスしたような副交感神経が優位な状態というのが男性の勃起には

いかに重要なのかがお分かりいただけるかと思います。

 

そのため、ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)も簡単に言うと、

血管を拡張し勃起を促しているお薬なのです。

 

セロトニン不足が男性不妊の原因勃起障害(ED)にも影響!

セロトニンは交感神経が優位になりすぎるのを整えてくれる、

副交感神経が優位になるようにしてくれ、心に穏やかさをもたらしてくれるホルモンです。

そのセロトニンが不足することが

男性不妊の原因ともなりうる、勃起障害にも影響してくるのです。

 

睡眠不足と不妊・男性ホルモン低下の関係

睡眠不足が不妊リスクを高めていくという事が言われています。

実際に、平成29年度国民健康・栄養調査によると、

30代40代の男女の半数弱が1日の睡眠時間が6時間未満、そして、

3人に1人が睡眠で休養が十分にとれていないと感じています。

また、OECDの調査では、日本人の平均睡眠時間は男女とも、先進国の中で最も短かったとのこと。

日本は睡眠不足大国なのかもしれません。

睡眠不足が男性ホルモンの分泌や精子の質に影響しているといった報告があります。

男性の睡眠不足は男性ホルモンを低下させる可能性として、

カナダのマニトバ大学の研究者らの報告では、

2011-2012年の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)の

データから男性の生活習慣と男性ホルモン値との関係を調べた結果、

男性ホルモン値は年齢や睡眠時間、BMI(体格指数)、アルコール摂取量と関連していて

男性ホルモン値は、年齢が1歳高くなるほど0.49ng/dL、

睡眠時間が1時間短くなるほど5.85ng/dL、BMIの単位が高くなるほど6.18ng/dL、

アルコール摂取量が増えるほど2.99ng/dL、それぞれ、低くなることがわかっています

男性ホルモンの低下から判断すると、睡眠時間が1時間短くなるのは約12歳も

年をとり老化することに相当してしまうという事です。

 

睡眠不足と不妊リスク 精子の質低下

2013年に中国の重慶市の男子大学生796名を対象に睡眠時間と精子の質との関連を調べた研究では、

1日の睡眠時間が7-7.5時間より長くても、短くても、未成熟な精子の割合が高かったという報告もあります。

男性の精子をつくる働きにとって睡眠時間は7-7.5時間が適切だったという内容です。

こうしてみてみると

男性にとっても不妊リスクを回避し、精子の質を高めていくには睡眠は

とっても大事だという事がわかります。特に睡眠時間を確保できないというのは

睡眠不足となっている日本の男性の課題かもしれません。

 

セロトニンと睡眠との関係

セロトニンは睡眠ともとても関係が深いホルモンです。

日中に分泌されたセロトニンは、夜になると睡眠ホルモン・メラトニンになります。

セロトニンの分泌が十分だと、そのぶんメラトニンもスムーズに生成されて、

快眠につながるということです。

セロトニンは朝起きたときから分泌が始まり、日が沈む夕方まで分泌され続けます。

暗くなって夜には分泌が抑制されていきます。昼間に分泌された

セロトニンを材料にして「メラトニン」という睡眠を促すホルモンが夕方から夜12時ごろにかけて作られ

分泌されます。そして、夜12時を過ぎると、だんだんとメラトニンの分泌量が減っていきます。

朝になると分泌が停止して、メラトニンに代わりセロトニンが分泌されるというサイクルを繰り返していきます。

このメラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、入眠を促す作用があります。

睡眠は、体を修復し私たち人間が心身ともに健やかに暮らせるようにするには欠かせない

ものです。そして、セロトニンが不足することで、夜の寝つきが悪くなる、

昼間の精神が不安定になる、ストレスの影響を受けやすくなる、

自律神経が乱れ交感神経が優位になってしまうという状態になっていってしまいます。

 

セロトニンを増やす方法

セロトニンを増やす方法について脳生理学者の有田秀穂(ありた ひでほ)は

太陽の光を浴び、ウォーキングなどのリズム運動、グルーミングなどの

3つの行動が重要としています。

セロトニンを増やすには規則正しい生活、バランスの良い食事、よく噛んで食べる、

一定のリズムを繰り返すような運動(ウォーキングなど)を行い、

人と人がいたわり合うようにマッサージしたりスキンシップをとるという事。

よく考えてみれば、これって生活習慣病の予防とも重なり、いかに健康的な生活が

妊娠しいやすく生殖能力を高めるために重要かがうかがえますね。

 

勃起メカニズムからみる副交感神経を優位にする重要性

妊活をしていると、性生活そのものに苦痛を感じる様になったり、

子作りにプレッシャーを感じたり、ストレスになったり。

タイミングを合わせる事にも義務感を感じる方が増えています。

こういったことによっても男性は心の作用によって交感神経が優位になります。

そうすればタイミングEDや妻けEDといったプレッシャーを感じるセックスでは

勃起しなくなってしまうという事がおきます。

子どもを授かるのと、男女の関りセックスとが一緒に問題になるため不妊についての

トラブルは複雑です。女性との関りによって起こるEDもあります。

心のトラブルにはカウンセリングなども効果的です。

また生活において、セロトニン不足や睡眠不足があれば、男性は生殖能力が低下してしまうのです。

副交感神経を優位にできるような生活がとても大切といえますね。

 

 

参考文献

セロトニンの効果と増やし方|分泌を促す食べ物とは!?  https://fuminners.jp/kaimin/item/9366/

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修  勃起の仕組み https://www.hama1-cl.jp/ed_dictionary/about_ed/about_erection.html

睡眠と妊娠しやすさの関係 https://www.akanbou.com/mailmagazine/20181014.html

アンチエイジングとED https://www.chuoh-clinic-osaka.com/ed/antiaging_ed.html

なぜEDに?主な3つの原因とタイプ https://ed-netclinic.com/about_ed/type/

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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