体外受精での妊娠率-信頼できる不妊治療病院の6つの特徴

体外受精での妊娠率-信頼できる不妊治療病院の6つの特徴 

不妊で悩み、子どもが欲しいそのためには、妊娠率がよい

医療機関での不妊治療の方がよいのかなと思われるのではないでしょうか。

不妊治療のクリニック・病院などの提示している情報や、

ホームページにでている妊娠率や実績で判断されると思いますが

実は、この妊娠率はほとんどといっていいほど信頼性がありません。

医療機関が提示している妊娠率をどう見たらいいのか、

また、どういった医療機関を選んでいくとよいのかご紹介していきます。

 

病院が提示する妊娠率とは

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病院が提示する不妊治療・体外受精における妊娠率には大きな差があります。

不妊治療を受けるご夫婦にとって、最も気になる数字化と思いますが、

最も謎が多いのも妊娠率です。

高度生殖医療における医療機関ごとの技術水準には大きな開きがあります。

その技術や実績を表に出てこない現実があります。

厳密に、妊娠率を定義づけるものもかなりあいまいです。

定義がないに等しいのが不妊治療における妊娠率だといえます。

妊娠率というからには分母と分子があります。

しかし、その分母と分子の定義の違いによって、この妊娠率は全く異なるからです。

分母とする母集団を採卵あたりとするのか、移植あたりとするのかでも

妊娠率は大きく変わります。

採卵を行っても、移植までの段階において、数多くの卵子が脱落するからです。

また、不妊治療を受ける側からすると、排卵誘発を受けたところから

不妊治療を受けている感覚があるかと思いますが、

排卵誘発を受けたからと言って採卵に至らないケースもあります。

不妊治療を受ける側と医療機関側とでは違いもでききます。

 

さらに、妊娠率の分子の定義です。

分子に、移植する胚の数があります。移植する胚の数を多くすれば妊娠率自体は

高くなりますが、妊娠を維持して、出産までいかれる数とは違いがあり、

母体にとってよい治療法なのかどうか判断がしにくいと考えられます。

さらに、妊娠と定義するのを、化学的妊娠(妊娠反応陽性)の時点で判断するのか、

臨床的妊娠(超音波検査で胎嚢を確認した)時点で判断するのかの

違いもあります。

 

化学的妊娠の場合は、妊娠していなくても、陽性とでる、

妊娠反応の偽陽性でも妊娠反応は陽性にでます。

子宮外妊娠の場合もあります。

 

なので、医療機関ごとまったく統一されていない状態ででているのが妊娠率です。

インターネット上のHPでの数字は全くあてにならないことが分かります。

 

妊娠率をどう見たらいいのか

一般的に、体外受精での妊娠率は、23%程度です。

年齢によってその値は全く異なります。

 

40歳 体外受精 凍結胚移植で8%程度

45歳 体外受精 凍結胚移植で 2%

 

こちらは医療機関ごとの違いや、技術などの違いもあります。

しかし、決して高い値とは言えません。

それが、体外受精です。

 

 

もっと注意が必要なのは累積妊娠率

累積妊娠率という言葉があります。

累積妊娠率とは妊娠した人を分母として、妊娠した人を積み上げていって

何回目で妊娠したかというのを表すものです。

 

これは、本当に要注意です。

例えば、体外受精6回で妊娠率100%

1回目 40%

2回目 70%

3回目 85%

4回目 90%

5回目 95%

6回目 100%

 

そんなグラフを見たとしたら、あなただったら、体外受精を6回受けたらみんな

妊娠している。そう判断してしまいませんか?

そうでなくても、3・4回でかなりの確率で妊娠できるはず・・・。

 

でも、実際は、体外受精を受けて妊娠した人が、

何回目で妊娠したのかを示しているだけのグラフです。

ほんの数%に入った人が、そのうち、何回で妊娠に至ったのかを示しているだけで、

残念ながら妊娠に至らなかったたくさんの母数は一切考慮されていない数字だと

いう事を知っておいてください。

 

 

妊娠率と出生率は全く違う

さらに、妊娠できたからと言って、必ず無事出産まで行かれるかというと

そうではありません。40代では妊娠しにくかった場合、さらに不育症や

流産で悩む方が少なくありません。

受精が成功しても着床する確率はその半分以下となります。

そして、着床後妊娠継続する確率はなんと、10〜20%となります。

受精はできても、妊娠までたどり着くことも数字としてはかなり低くなってしまいます。

 

40代での流産率を見てみましょう。

40歳での 流産率 40%

45歳での 流産率 50%

卵子自体の老化は、流産率とも密接に関係してきます。

加齢・老化による卵子の染色体異常や卵子そのものの生命力の低下が原因となります。

(その他には精子の異常や遺伝子因子要因があります)

 

 

妊娠率だけでは本当にあなたにとって、よい医療機関なのかどうかの判断はできません。

さらに、体外受精における出生率も、若い人でも積極的に体外受精を進めている

病院と、高齢になってから体外受精を進める病院とでも

明らかな差が出ることは歴然です。

病院が提示する体外受精における出生率もあてにはなりません。

 

では、いったい何なら信頼できるのでしょうか。

そのための、良い医療機関の見分け方をお伝えします。

 

 

信頼できる病院の6つの特徴

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1.常勤の医師が必ずいる医療機関

採卵においての手技は非常に簡単にできるように医療の進歩がありますが、

局所麻酔や、静脈麻酔が用いられる場合もあります。

厳密にいえば、手術にあたります。

その採卵において、責任をもって体を管理してくれる医師が

常勤で数人常駐していることがとても大切です。

常に採卵を担当し、麻酔は麻酔でもう一人担当の医師がいるように、

必ずその医療機関に常勤でいる医師が複数人いてくれる医療機関を選んでいくことです。

病院によっては、他の病院とを掛け持ちするアルバイトの医師、

第1線を退いている医師もいます。

 

医師一人でできる不妊治療は人工授精までといわれるほどです。

体外受精を視野に入れているのであれば、

常勤の医師が複数人いてくれる病院を選んでいくことがおススメです。

 

 

2.成功報酬制度を取り入れている病院

体外受精では1つ1つのステップごとに、脱落しなくてはないない状況が出てきます。

卵巣刺激をすれば必ず採卵できるわけではなく、

採卵しても、受精に適している卵子が必ず採取できるわけでもありません。

採取した卵子が精子と受精し、きれいな分割ができなければ

移植もできません。受精卵を胚盤胞になるまで培養できるまでに

全てを育て上げられるわけでもありません。

全て、1つ1つ階段を上るように上りつめ、最後移植そして妊娠、

胎児の心音を確認するところまでというと、

かなり難しくなるわけです。

そこで、達成された手技に対してのみ課金されるという制度です。

それが、成功報酬制度であり、一律に何十万かかるという治療ではなく、

成功した手技にのみ課金されるという、治療を受ける側にとっては

非常にうれしい制度であり、逆に技術に自信がなくてはできないため、

信頼できる病院選びの特徴になります。

 

 

3.ステップアップを取り入れていない病院

ステップアップの治療制度を設けいている医療機関では、

無駄な検査や、やる必要のない治療に時間とお金をかけ、その間に卵巣刺激や

ストレスによって女性はますます不妊体質になってしまうリスクが高まります。

不妊治療を始めたとたん、セックスレスになっていってしまったり、

本末転倒になってしまったりとなります。

本当に必要な検査と、治療を提示してくれる医療機関、

状況に合わせて、選択肢を用意してくれる医療機関であることが大切になってきます。

ステップアップではなく、ジャンプアップ、

場合によってはそこからステップダウン。

 

そのためには、医師とコミュニケーションを取りやすい

相談しやすい病院であることは絶対的に必要な条件です。

 

 

4.無刺激・低刺激で採卵する病院

卵巣刺激によって、排卵を誘発させていきますが、

たくさん取れるほどよいと思ってはいませんか?

自然な排卵であっても、1周期で通常1個の排卵です。

たくさん刺激して、たくさん育てて、たくさん採卵したとしたら、

何ができあがるのでしょうか・・・。

それは卵子1つ1つの質の低下と、その後の妊娠しにくい体質です。

だからこそ、無刺激、もしくは低刺激で体外受精を行っている病院は、

採卵できる数は少ないのでしょうが、その少ない数でも授精させ、移植させるまでに

持っていかれる腕と自信がある病院という事になります。

同時に、女性のからだのことも思いやってくれている病院ともいえます。

 

 

5.急速凍結法を取り入れている病院

ステップアップの最終段階に位置する、凍結胚移植。

体外受精では受精させた卵をすべて子宮に戻すわけではなく、

必要に応じて、受精卵を液体窒素で凍結させます。

凍結させて保存できれば、次の生理周期や、2人目、3人目の時など、

希望するタイミングで子宮に戻してあげられます。

その時の、凍結させる方法には凍結緩慢法と急速凍結法と2種類あります。

凍結緩慢法は機会をつかい、ゆっくりと凍結させる方法であり、

方、培養士の手によって、おこなう急速凍結法を取り入れている

病院は少ないのですが、腕のよい培養士でしかできない方法であり、

この方法を取り入れている病院は、よい培養士がいることが期待できます。

 

 

6.移植する胚の数が少ない病院

妊娠して出産までは、通常、子宮の大きさは、1人を育てるのに適した大きさです。

多胎になればなるほど、妊娠中、出産時のリスクも高まります。

産んでからの子育てにおいても、多胎ではかかる負担は肉体的にも、精神的にも、経済的にも

かなり大きくなります。

女性が、妊娠し安心して子育てをしていくにあたっては、多胎でない方がいいのは

わかりきっています。

妊娠率を上げるためだけに複数個の胚を移植することは病院にとっては

妊娠率を上げるメリットはありますが、女性にとっては必ずしも良いことばかりではありません。

また、複数の胚を移植しなくても高い妊娠率を維持できる医療機関ほど、

移植する胚の数を少なくしています。

妊娠は始まりでしかありません。

着床し、その後も順調な経過をたどれてこそ、本当に幸せな家族設計があります。

 

ホルモン療法で卵巣も卵子もボロボロに!!

不妊治療は効果的なケースもありますが、

長期にわたる治療は卵巣も卵子もボロボロになっていきます。

ホルモン補充によるリスクをしり、

治療回数を何回まで受けるのかご夫婦でよく話し合っておくことも

とても大切です。

不妊治療をやめても妊娠される方はたくさんいらっしゃいます。

 

http://umiwakeseikou.com/huninn/ninnshinnsuru-jysei-horumonbarannsu-midare-kaiznn/horumonnhojyuu-huninn/4321.html

 

 

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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