男性不妊検査には意識低く、不妊の原因はストレスと精子の質劣化
男性不妊は不妊の原因のうちの約半分を占めるといわれています。
しかし、男性側の治療への意識の低さは問題にもなっています。
女性からすると、協力的ではない、治療に対する思いの温度差となって
孤独感を感じやすくもなっています。
男性の意識は、不妊治療とは妻のサポート
男性側にも原因がるということがわかってきていますが、実際に治療をうけはじめていても
男性側が精液検査をまだ受けていないという割合も以外と多く、
男性が検査や治療に消極的である事もう抱えます。
不妊外来を訪れる男性は、検査をするまでは、まさか自分の精子の方に
原因があるとは思っていなかったという認識をもっている人が多いということも
報告されています。
また、男性の精液検査は、泌尿器科などで知らばている割合もすくなく、
女性が不妊治療をはじめ検査を始めたのがきっかけで不妊治療クリニックで受けている
という割合が増えています。
厚労省研究班の調査では、不妊治療を経験した男女333人のうち本人かパートナーが
精液検査を受けたことがあると答えた人は約9割にのぼっているものの、
その検査を受けた医療機関では割合に随分違いがあるようです。
男性72%、女性81%が「産科・婦人科」で受けていると回答していて、
「泌尿器科」は男性21%、女性10%にとどまっています。
男性からすると、精液検査そのものに強いストレスを感じていて、
泌尿器科の受診自体に抵抗があったという回答も多いのです。
待ち時間には、周囲の視線が気になって、精液検査で悪い結果が出ると、
男を否定されてしまうかのような感覚になるため、「男らしくない」という言葉に敏感になるという
こともあるようです。
男性不妊の原因の80%は造成機能障害
男性不妊の原因といってもその大半は、精子を作り出すという機能に問題があるというものです。
この造精機能障害それが80%をしめています。男性不妊の原因から見ると、
質の良い精子を作りだせていないという事が大きく影響しているという事です。
精巣の中で運動性が良好な精子をつくる機能が低下してしまっていると考えられています。
ではその原因を検査すればわかるのかというと、そうでもなく、
男性不妊の半数以上は原因不明といわれています。
造精機能障害の原因は中でも特にストレスに注意
近年の研究から、喫煙、加齢、アルコール摂取、
心理的ストレスなどが男性不妊のリスク因子として関わっていることが明らかになってきました。
ほかにも肥満、高温環境、スマートフォンなどの電磁波なども、
精子の質を低下させる要因として報告されているものがあります。
なかでも心理的ストレスによる男性不妊についての重要性が強調されることもあります。
心理的ストレスによる負荷が大きくなると、体の内分泌系の機能に異常をきたし、
下垂体からのテストステロンの分泌が低下しするようになります。
そのため精子の形成に影響を及ぼし、結果として造精機能の低下に至ると考えられています。
近年は研究でも精子の質を決めているのは、生活習慣の影響が大きいという事が
分かってきています。男性の年齢・高齢化という事ももちろんですが、
精巣で作られる際に大きな影響を受けるのが生活習慣という事になります。
その中でもストレスは睡眠にも影響しやすくかなりテストステロンの分泌を低下させ、
性欲減退や、勃起障害、射精障害、精子の質低下につながりやすくなっているといえます。
様々な研究の中でも精神的なメンタルケアの重要性が強調されてきています。
男性も不妊には精子の質改善という意識をもって
男性は精子の質が悪い、自分の力で妊娠させられないという事で
自信を失ったり、ストレスに感じたり、かなりプレッシャーになったり
トラウマにもなりかねません。そのため、ムリに検査や治療を推し進める事も
難しいところもあります。
生殖能力には精神的なストレスが大きく影響するため、過度に負荷をかけるのは
避けたいですよね。でも作られる精子そのものは日常の生活習慣や
メンタルケアがとても大事になり取り組んでおく必要性だけは知識としてもち
理解しておくことは精子の質改善にはつながっていくことでしょう。
不妊ストレスが射精障害や勃起障害に影響
不妊治療には、妊娠の確率が高くなる女性の排卵日付近を狙って、
性交渉を指導するというタイミング法があります。
その治療法に対して、義務的な状況にストレスを感じたり、絶対に失敗できないというプレッシャーを抱え込み、
EDや腟内射精障害で悩んだりする患者さんが一部にはいらっしゃいます。
男性不妊の原因にもなる射精障害や勃起障害。これらは不妊治療を受ける男性の5人に1人が
抱えている問題でもあります。
男性不妊症外来において勃起障害や射精障害(無精液症/精液減少症・逆行性射精)を訴える症例はすくなくなく、
平成10年に行われた旧厚生省厚生科学研究白井将文班によって行われた
初の男性不妊症実態調査にによると、男性不妊症829例中勃起障害は172例(20.7%)を占め
5人に1人ということになりなり男性不妊の原因として重要な位置を占めると報告されています。
こういった射精障害や勃起障害にもストレスやプレッシャーが影響していて、
不妊ストレスがかなり良くないのです。
ストレスからくる勃起障害や射精障害を予防するには
子どもを授かっていくためには何が何でも頑張る!治療も検査も耐える、続けると
意気込める女性に対し、あくまでも妻のサポートという認識でいる男性側。
女性はその温度差にやきもきもしてしまいますが、
イライラして当たったり、子づくるばかりを強調してしまう事も
結果不妊リスクを高めてしまうばかりです。
セックス回数が減ってしまえばそれだけ妊娠確率は低下してしまいます。
これは不妊治療をしていても同じことが言えるため、セックスそのものに
妊娠しやすくさせるためのメカニズムが働いています。
それがなくなってしまうというのはやはり不妊期間を長期化させてしまうため予防したいところです。
タイミング療法などは、男性にとってもプレッシャーになります。
そのためカレンダーなどに印をつけたり排卵のタイミングがわかるようにし
関わりすぎるのもあまり良い方向には向かいにくくなります。
排卵日以外でも妊娠はするのですから、性というのを楽しむゆとりを残すことを
最優先にしていきましょう。月に1度の排卵日は何としてでも絶対に失敗できないという
プレッシャーを感じる男性もいます。もちろん妊娠できずにがっかりする妻を見たくないからですね。
男性の射精は気持ち、精神的な影響がとても大きいため、それがあだとなって、勃起障害EDや
妻の腟内では射精できないといった腟内射精障害など、
タイミング法の影響からうまくセックスができなくなってしまう男性も少なくないのです。
まとめ
不妊治療に対する意識の違いが男性と女子とでは違います。
ただ、男性の不妊の原因80%をしめる造精機能障害には生活習慣、とりわけ
精神的なストレスの影響が大きいのです。
妊娠しやすくしていくためには、男性も精子の質には生活習慣が影響することを知り
改善に取り組むことと、
女性はプレッシャーをかけすぎない関りが欠かせません。
排卵日を意識させない、タイミング療法をしない、男性にプレッシャーをかけすぎると
ストレスから精子の質そのものも低下しますし、
悪化させるとセックスそのものが成り立たなくなってしまいます。
それはなんとしでも避ける様にしていきたいですね。
参考文献
・Fertility and SterilityVolume 79, Issue 4, April 2003, Pages 909-912Sexual dysfunction in men undergoing infertility evaluation: a cohort observational study
・Berger, D.M. Impotence following the discovery of azoospermia. Fertil Steril. 1980; 34: 154–156
・Myers, M.F. Male gender-related issues in reproduction and technology. in: N.L. Stotland (Ed.) Psychiatric aspects of reproductive technology. American Psychiatric Press, Washington, DC; 1990: 25–35