妊娠しやすい精子とは?男性の生殖能力の高め方 |

妊娠しやすい精子とは?男性の生殖能力の高め方

妊娠しやすさに関わる1つに、男性の精子の生殖能力という部分があります。

精子細胞の質の良さ、運動率のよさ、奇形の少なさ、損傷がすくないDNAなど高めておきたい

部分はたくさんあります。そんな男性の生殖能力とその高め方についてお伝えしていきます。

 

受精までに選び抜かれていく細胞

射精後、精子は卵子との出会いを目指して子宮内を進入していきます。

一回の射精に含まれる精子の数は、約三億個と言われています!!

スタート時点では数えきれないくらいたくさんいるのに、

卵管膨大部まで到着するのはたったの200個、さらに、受精できるのは一個です。

競争し合った末に一番にたどり着ける細胞と出会うというのもなんだかすごい奇跡ですね。

 

受精までの精子の道のり

射精された精子には、数多くの試練が待ち受けていて、

試練を乗り越えてたどり着くために進んでいく環境は精子にとっては過酷な環境です。

通常膣内は、細菌の繁殖を防ぐためにやや酸性になっており、

中を泳ぎすすみ、子宮口という狭い入り口を通り抜けることができるのは、10万個程度になってきます。

子宮内に入り込んだわずかな精子には、更に過酷な試練が待っています。

子宮の内部は長さ約7センチあります。

0.06ミリメートルしかない精子にとっては、途方もない距離です。

しかも、そこは暑くてネバネバしていて、とても泳ぎにくいのです。

ここでほとんどの精子が力つきてしまいます。

卵子が待っている卵管膨大部までたどり着ける精子は、200個と言われています。

 

精子細胞は自ら修復できない細胞

精子のDNAにおいても、精子の質を左右するのは精子が守られている精液の質によって

左右されてもいます。精子だけをよくするという事は難しく、

それを取り巻く環境を整えていってあげることがとっても大事になります。

精子という細胞は他の細胞と違い、精子の頭部はほとんどが核でできていて、細胞が酸化ストレスにさらされやすく

修復されにくいというポイントがあります。

精子数や運動率が正常範囲でもDNAに損傷を負っているという、

DNA断片化が進んだ場合があり、精子数や運動率だけでは精子の質を判断することはできないとされています。

また、精子細胞は普通の細胞のようにDNAを自分で修復する機能を持っていないのです。

パートナーに異常がなく、精子数・運動率が正常値であってもなかなか妊娠しないというのはこのためですが、

精子の質に精液が影響しているのも事実。

そのため、精液中の抗酸化作用を高めておくことはもちろんの事、

精子という細胞は生まれ変わってまた作られる細胞である点から、禁欲をせず

射精回数をある程度多くしておくという事も欠かせないという事になります。

 

精子の質は精液検査だけではわからない

一般精液検査は精液や精子の量的性状を示しているだけであり、

必ずしも精子の質的性状(受精能力)を直接反映するものではないことに留意するとしています。

日本産科婦人科学会雑誌 Vol 61,No.6, N-189, 2009

 

精液所見だけでは、妊娠できるのか、妊娠しやすいのかどうかという事は

わからないといわれています。そのため、精液検査の結果が大丈夫なら安心としてしまうのは

実は危険もあります。男性側の不摂生も本当は妊娠しにくさ、流産のしやすさに

影響が大きく出ています。でも、精液検査が問題なければ大丈夫なんでしょ?という誤解を

生んでしまっているかもしれません。

精子DNAフラグメント(SDF)が受精卵(培養成績や妊娠成績)に及ぼす影響について調べた

研究では、(1)(2)精子DNAフラグメントが30%以上の場合は、

通常の精液検査では必ずしも体外受精や顕微授精の培養成績や妊娠成績と関連してこないといわれています。

通常の精液検査ではわからない、もっと隠された異常があるのではないかと

されています。でもその正体は明らかになっているわけではありません。

精子DNAフラグメントSDFが受精卵に及ぼす影響を検討していて、

隠された異常所見としてSDFが重要ではないかと考えています。

精子DNAフラグメント30%以上では、胚発生率と着床率が低下し流産率が有意に増加してしまったのです。

 

DNA損傷レベルが高いと体外受精すら意味がなくなってしまう?

どれだけ見た目には正常胚であっても、精子のDNA損傷レベルが大きいと、

受精したとしてもその後の成長が望めない、また妊娠率が低い、流産率が高いという事が

おこってしまっています。

2007〜2017年にART妊娠した方を対象に体外受精832名、顕微授精770名を

妊娠12週未満の流産と精子High DNA stainability(HDS)の関係を調べた研究(3)では

HDS15%以下の精子と比べHDS以上15%の精子の流産率は1.41倍も高く、

顕微授精の場合の流産率は1.44倍と優位に高くなっていました。この研究では後方的な研究でありますが

DNA損傷レベルが高い場合は、体外受精や顕微授精などの有効性についても

検討が必要になってしまうかもしれません。また妊娠しにくい原因や流産しやすい原因が

女性だけでなく男性側にも充分にあって、

妊活を考えた時は、夫婦の足並みをそろえて生活を整えていく必要性がありそうです。

不妊治療を受ける場合でも、やはりその効果を高めたり、流産率を低くするためにも

予め、DNAの損傷を抑えるよう、酸化ストレスにさらされる生活は整えていくように

しておきたいですね。

DNA損傷レベルが高いと、ステップアップした不妊治療の体外受精や顕微授精であっても

妊娠しにくい、流産しやすく治療の意味が薄れてしまいかねないという事になります。

 

 

妊娠しやすく生殖能力を高めるポイント

まずは、女性の酸性の傾いている環境のなかをできるだけ進めるよう、

分泌液の分泌が促されるように

心地よさを感じられる性生活を心がける事です。そのために必用なのはリラックス。

男性の精子はおよそ3ヶ月のサイクルで作られている細胞なので、

できるだけ射精をして死滅した精子をとどめておかない事です。

そのため、どれだけ夫婦仲が良く、キスやハグがあったとしても

性生活が限りなく少ないという事は生殖能力を下げてしまう事につながります。

レスの解消や性生活の見直しというのは赤ちゃんができない事だけに

目を向けて不妊治療へ進んでいってしまう前に夫婦で取り組んでおく点と言えるでしょう。

射精をしていると数は減りますが、質の高い精子になるため妊娠しやすさにはつながります。

数だけあっても質が悪ければ授かりにくくなってしまうだけですね。

 

そして、やはり細胞ができるだけ酸化ストレスにさらされない日々のセルフケアが

欠かせません。女性がさりげなく誘導したり整えるサポートをしてあげながら

すすめた方が妊活もスムーズかもしれません。

男性は精液検査の所見が問題がなければ、俺は大丈夫なんだからと安心しきって

生活習慣を変えないとなんて意識はなかなか持てない部分もあるでしょうから。

食事面からのサポートが最も関わりやすいでしょうから、いつもの食事から

酸化ストレスにさらされるのを改善していくことを始めてみませんか?

男性不妊に効果的!精液中の抗酸化力を高めるポイント

 

精子細胞は男性の分身

精子も旦那さんの分身ということを覚えていてあげて下さい。

あなたとの関わりによってあなたの旦那さんの心身の状態が大きく変化して、

細胞レベルにまで変化をもたらします。

 

先ずは、旦那さんに対して 一日1つでもいいです。

思いやりを持った行動をとってあげてみることもつづけましょう。

旦那さんに対して、本気で感謝の気持ちを言葉にして伝えてみる事など。

妊活に振り回されて、タイミング重視になっていないか、射精してもらう事を求めすぎていないかです。

お互いにリラックスした関係を築きやすくなるために、排卵期以外の期間の性生活を大切にし続けましょう。

 

夫婦関係によっても男性の精子の質は左右されるといわれています。

それくらいデリケートなのが男性です。

 

参考文献

竹島徹平 ART治療成績向上のための男性不妊治療の役割. 不妊と不育の新たな課題 産婦人科の実際 66/13 2017年12月号 1839-1844. 金原出版

Fertil Steril 2019; 112: 54 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.03.003

Hum Reprod 2012; 27: 2908 

Zhao J et al.  Whether sperm deoxyribonucleic acid fragmentation has an effect on pregnancy and miscarriage after in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection: a systematic review and meta-analysis. Fertil Steril. 2014 Oct;102(4):998-1005.

Li Y et al. Association between socio-psycho-behavioral factors and male semen quality: systematic review and meta-analyses. Fertil Steril. 2011 Jan;95(1):116-23.

(1)Fertil Steril 2019; 112: 483 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.04.029

(2)Fertil Steril 2019; 112: 466  doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.05.016

(3)Fertil Steril 2019; 112: 46 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.03.013

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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