フーナーテストという不妊検査の中でも重要度が高く見られている検査で、

性交渉後の子宮頸管粘液内の精子の状態を検査するものがあります。

このフーナーの結果が悪く、とっても心配される方もいるでしょう。

妊娠したくて不妊検査を受けていくと、検査結果に翻弄されることもあるでしょう。

出た結果にショックを隠し切れずに落ち込まれることもあるかと思います。

フーナーテストの結果が悪くても妊娠していかれるのか気になる部分と

どうしたら妊娠に結びついていくのかを見ていきましょう。

妊活中は不妊検査での結果がとても深刻

不妊検査の結果は夫婦にとってもいろいろ精神的なダメージが

大きいものです。（1）そのため、色々な検査をして出る結果にも

一喜一憂したり不安にもなりますよね。

フーナーテストは、1回2回で結果がはっきりといえるものではない

ものでも、受けるショックや印象はまた違うものですよね。

なので1回でも、やはり結果を深刻に受け止めて

悪かったら落ち込んでしまうのものです。

フーナーテストは変動が大きい検査

フーナーテストは、タイミングがとても重要な検査になります。

ただ、フーナーテストの難しい点は、

検査時期を正確に決めないと正しい結果が出ないのです。

排卵1～2日前でないと、頸管粘液が少なく、おりものの性状も

精子を受け入れるにはふさわしくないため、タイミングがずれると、

フーナーテストの結果が不良と出てしまいます。

排卵日近くを特定し、夫婦の性交渉のタイミングをとれるかがポイントとなります。

検査結果が不良の場合には、数回検査を行います。

また、その時のご夫婦の体調の影響も大きく出るのがこの検査です。

そのため一度の検査では確定せず、複数回行っても結果が不良の場合には、

精液検査や抗精子抗体検査を行うようになります。

フーナーテストの結果が悪い場合は、

1つ、人工授精を治療とおして妊娠していくという選択肢もありますが、

男性の生殖機能も精神的な影響を大きく受けます。

その点を考慮して、不妊治療に頼り切りになるというよりは、あくまでも

自然な夫婦の性生活を大切にして、

ご夫婦の生殖能力を高められるようにしておくことも大切でしょう。

フーナーテストの結果をどうみる？

良い結果のときはもちろん信頼性はとても高いといえます。

逆に結果が不良・悪いときですが、この場合の妊娠できないかどうかを

見極める事は難しいといわれています。

なぜなら、元気な精子は１時間とかからず卵管まで達すると言われています。

なので、もともとフーナーテストとは粘液に残っている比較的

元気のない精子で検査しているともいえます。

タイミングよく検査ができなかった可能性もあります。

フーナーの結果が良い場合悪い場合

少なくとも精子の運動性がある場合はフーナーテストでは

結果がプラスにでる傾向があります。

子宮頸管粘液で精子が観察された場合の累積妊娠率は

フーナーの結果が悪い場合と比べて、13.5％高かったのです。（P <0.01）

そして負のHTグループと比較して陽性HTグループでは、

自然妊娠の割合も（+ 19.8％）が多くなっています。（2）

なので、フーナーの結果が良い場合はそのままプラスの良い面を

でも、結果が悪かったからといって、妊娠できないわけでもなく、

体外受精や顕微授精などでは妊娠率に有意差がありません。（3）

自然妊娠でも、24か月の累積妊娠率を比べると有意差がフーナーの結果が

よくても悪くてもなかったのです。（4）

そのため不妊の予測していくための検査として推奨できる

検査といわれていません。（5）結果にがっかりしすぎないように

したいですね。

フーナー結果が悪かった場合の妊活

フーナーテストに影響するのが、子宮頸管粘液も関係しています。

そして精子の運動性自体は、ご主人のその時の精神面やストレス、

食事や睡眠不足、疲労度、運動不足などといろいろな面も影響してきます。

1回の検査で確定できるものではありません。

何度も検査しても結果が悪いと、

抗精子抗体など免疫が関わる他の原因がある場合もあり、（6）

そこへの対処ができる事で、妊娠できる治療へとつなげる事も出来ますが、

妊娠できない原因がわからないこと、先の不安もつらいものです。

夫婦そろって、体調を整えて元気な卵子と精子が出会えるように

日頃から整えるための習慣を作り続けることが、

結果妊娠には近道になります。

・精神的に夫婦でストレスケアをしていくこと、⇒こちら

・子宮頸管粘液の分泌をよくしていくこと、⇒こちら

・男性の精子の質を高めていくことを取り組んでもいきましょう。⇒こちら

フーナーは意味がない検査かも？

歴史的にみると、フーナー検査はされていたものですが、

洗練された不妊クリニックではどうも検査そのものされない

傾向になっているようです。（7）

そのテストの結果について解釈が難しく、さらに精子のことは

普通の精液検査から判断していかれます。

そして、性交後検査の結果と生殖能力の可能性との関連性は乏しいと

されています。性交後検査フーナーテストの主な問題は、

再現性が低く、観察者間の信頼性が低いことにあります。

治療をすすめていくための導く助けとなることが

確実に示されていないもので、フーナーを実施する科学的根拠がありません。（8）

驚きの検査なのですね。ただ、クロミフェンは抗エストロゲン作用が

あり（9）その影響をみるために検査を行う事はあるようです。

妊娠していくには適切な精子と子宮頸管粘液の相互作用がとても

大事になります。その部分において男性側、女性側の状態を

よくするように妊活していきましょう。

まとめ

フーナーテストは不妊検査のいつではありますが、影響されるものが多く、

その検査の結果に振り回されるのもよくはありません。

実際に結果が悪くても自然妊娠されている方もいらっしゃいます。

累積妊娠率については有意差がなく、不妊治療でなくてはいけない

という事でもありません。ただ、抗子宮抗体などがある場合は

体外受精など不妊治療によるメリットもあります。

妊娠しやすくするために、精神的なケアをしながら夫婦で支え合いながら、

子宮頸管粘液の分泌、精子の質をよくしていくこと、夫婦の性生活など

できるところの取り組みを大切にしていきましょう。

参考文献

（1）Differences in quality of life and emotional status between infertile women and their partners Human Reproduction, Volume 28, Issue 8, August 2013, Pages 2168–2176, https://doi.org/10.1093/humrep/det239

（2）The Diagnostic and Therapeutic Values of the Huhner Test: A Retrospective Study of 718 Subfertile Couples

（3）Helmerhorst FM, Van Vliet HA, Gornas T, Finken MJ, Grimes DA (2006) Intrauterine insemination versus timed intercourse for cervical hostility in　subfertile couples. Obstet Gynecol Surv 61: 402-414.

（4）BMJ. 1998 Aug 22;317(7157):502-5.Effectiveness of the postcoital test: randomised controlled trial.

（5）Helmerhorst FM, Van Vliet HA, Gornas T, Finken MJ, Grimes DA (2006) Intrauterine insemination versus timed intercourse for cervical hostility in　subfertile couples. Obstet Gynecol Surv 61: 402-414

（6）Fertil Steril. 1994 May;61(5):799-811.The role of antisperm antibodies in infertility.

（7）Postcoital Test

（8）Yen & Jaffe’s Reproductive Endocrinology (Sixth Edition)Physiology, Pathophysiology, and Clinical Management2009, Pages 517-546

（9）Int J Fertil. 1989 Mar-Apr;34(2):154-9.Effects of clomiphene citrate on cervical mucus: analysis of some influencing factors.