子宮内膜症の原因になってしまう食べ物ってあるの?
不妊の原因とも言われている子宮内膜症。
でもその原因になる食べ物ってあるの?気になりますよね。
子宮内膜症は30~40代の女性に増加傾向であると言われている疾患です。
月経がある間は悪化してしまう、この子宮内膜症。増加傾向にある要因としては、
晩婚化、晩産化のため、月経になる期間が、昔よりも長くなっているからではないかと言われています。
そんな子宮内膜症ですが、子宮内膜症になる原因はあるのでしょうか?
また、子宮内膜症の原因となる食べ物、悪化させる食べ物はあるのでしょうか?
今回は子宮内膜症と食べ物の関係についてお話ししていきます。
子宮内膜症とは?
子宮内膜とは赤ちゃんが宿る組織です。子宮内膜は毎月月経の際に剥がれて出血とともに腟から出て来る、子宮の内側にある組織です。
そして、子宮内膜症とは、子宮内膜様組織が本来の正常な位置、
すなわち子宮内膜面以外の組織や臓器などに異所的に存在し、増殖してしまう病気です。
症状としては、主に疼痛と不妊です。疼痛には月経痛、性交痛、排便痛、腰痛などを伴います。
子宮内膜症の原因とは?
とても辛い痛みを伴う子宮内膜症。その原因は何なのでしょうか?
実ははっきりとした原因が解明されていなんです。でも、有力な説が2つありますので、ご紹介していきますね。
それは、①子宮内膜移植説と②対腔皮化生説です。
① 子宮内膜移植説
本来、生理の血液は下に排泄され、膣を通って体外に排出されます。
子宮内膜移植説とは、この血液が卵管の方に逆流してしまい、お腹の中に出てしまい、
排出されることなくそのままとどまってしまうというものです。
月経血の逆流(卵管を通って腹腔内に出血する)は、75~90%の女性に見られます。
子宮と直腸の間のダグラス窩は腹腔内で一番低くなっていて、腹水なども貯留しやすい場所です。
そのため、ダグラス窩は子宮内膜症ができやすく、癒着も起こりやすい部位と言えます。
② 体腔上皮化生説
Meyerが提唱した体腔上皮化生説とは、腹膜が、何らかの原因で子宮内膜に変化して、子宮内膜症になるというものです。
現在、子宮内膜症の原因としては、子宮内膜移植説有力視されています。
しかし、まだ原因として明確になっていないのが現状です。
子宮内膜症の原因となる食べ物ってあるの?
子宮内膜症の原因となる食べ物ははっきりとはわかっていません。
逆を言うと、子宮内膜症の予防に効果がある食べ物もはっきりとは分かっていません。
しかし、日々の食事を見直したり、バランスの良い食事を心がけたり、
身体を作り出す、食事に目を向けることはとても大切なことです。
子宮内膜症の予防に良いとはっきり言われているものはありませんが、
炎症反応を高めるもの、酸化ストレスにさらされるのは避けることがベストです。
妊活中はとってはいけないNGな食べ物をチェックしておきましょう。
ホルモンバランスを整えるという意味では、効果がある食べ物についてご紹介していきます。
食物繊維をたっぷりと
食物繊維はエストロゲンの吸収をしてくれます。
エストロゲンには、女性らしい身体を作る・頸管粘液の分泌を促す役割をもっています。
またエストロゲンには、骨の形成を促し、血管収縮を抑制するなどがあります。
受精卵の着床を助けるため子宮内膜を厚くするといったものもあります。
食物繊維の多い食べ物:海藻類、乾燥きのこ、寒天、アボカド、味噌、モロヘイヤ、
ごぼう、ゆず、シソ、おから、ゆで豆など
野菜や果物、キノコ類や海藻類を積極的にとっていきましょう。
ビタミンBとビタミンEをたっぷりと
ビタミンBの多い食べ物には、
豚肉、たらこ、ナッツ類、カツオ、まぐろ、バナナ、レバー
ビタミンEの多い食べ物にはさつまいも、水菜、アセロラ、カイワレ大根、桃、パプリカ、
ニラ、パセリ、ブルーベリー、マンゴーモロヘイヤ、落花生
ほうれん草、キウイ、ブロッコリー、プルーン、ケール、あさり、ほうれん草、納豆などあります。
ビタミンBとビタミンEは肝臓の働きを良くしてくれる働きもあり、
肝臓の働きによってエストロゲンのレベルが変化すると言われています。
オメガ-3脂肪酸
オメガ3脂肪酸には、血液中の脂質濃度を下げる働きがあるといわれています。
そのため、 コレステロールを下げる(LDLコレステロールを下げる)、
中性脂肪を下げる、 脂肪肝(肝臓の病気)予防、動脈硬化・心筋梗塞予防に効果があるといわれています。
また、オメガ-3脂肪酸の摂取量の最も多いグループは、最も少ないグループよりも、
子宮内膜症になる割合が22%減少したという研究データもあるようです。
これは抗炎症作用が注目されている点です。
オメガ-3脂肪酸を多く含む食べ物として、
えごま油、シソ油、亜麻仁油(フラックスシード)くるみ、チアシード、
グリーンナッツオイル(インカインチオイル・サチャインチオイル)、
青魚(サバ・イワシ・アジ・マグロ、サーモンなど)、緑黄色野菜、豆類など
炎症反応が起きていると着床の窓にも影響がでる
子宮内膜受容能についての研究がされ始め、何かしらの炎症反応がある事で着床の妨げに
なっているのでは考えられています。
本来はある着床の窓と言われれる着床できる能力がある日が通常は3から6日あるものの、
ある種の炎症や基質疾患が存在すると短くなったり変化したりするのではないかと考えられていますが、
そのための検査については国際基準を満たしていく必要性があり、
課題は山積みのようですが、妊娠しやすさに
免疫バランスや炎症といったものが影響していることはまちがいなさそうです。
柑橘系の食事で子宮内膜症を予防できるかも?
アメリカの研究では、Nurses’ Health Study IIに登録した116,430名(25~42歳)の看護師のうち
70,835名の方を対象に食事調査を4年毎に行いフルーツや野菜の摂取状況と内膜症の罹患率を
前方視的に検討した研究から、果物の食べ物の摂取で、内膜症にかかる率が低下し、
さらに、柑橘系の果物を1日1回以上の場合は週に1回くらいのレベルの摂取のヒトと比べて
0.78倍(22%)にまで低下!柑橘類の果物だけに限らず、野菜や果物はできるだけ摂取していきたいですね。
まとめ
子宮内膜症と食べ物の関係についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
子宮内膜症の原因も良いとされる食事も、はっきりとしたものは解明されてはいません。
身体を作る食事に目を向け、バランスの良い食事を心がけることは、とても大切なことです。
しかし、そのこと自体がストレスになるほど気にするのは、逆効果になってしまいますよ。
妊娠しやすい食事療法として地中海式食事療法は根拠があり、エビデンスがしっかりしているので
取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考文献
子宮内膜症 原因は?|横浜市都筑区の婦人科「ひまわりレディースクリニック」
Fertil Steril 2019; 111: 611 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.02.009
Fruit and vegetable consumption and risk of endometriosis Human Reproduction, Volume 33, Issue 4, April 2018, Pages 715–727, https://doi.org/10.1093/humrep/dey014