全粒パンやパスタでも危険?グルテン過敏が不妊リスク

全粒パンやパスタでも危険?グルテン過敏が不妊リスク

妊娠しやすさをサポートする食事として、地中海式食事ダイエットや、全粒穀物での摂取が妊娠率や産めるのにつながっていくという事も言われています。

確かに砂糖をはじめ、精製された糖のとり過ぎはインスリン抵抗性や炎症、そして糖尿病とも関連して不妊リスクになるので避けたいものです。でも不妊リスクの一つであるセリアック病などにも着目してみましょう。

 

セリアック病は不妊のリスク因子

引用 グルテン過敏症と不妊リスク

セリアック病は、麦をはじめとした小麦・大麦などの含まれるたんぱく質(グルテン)に対し自己免疫反応をおこしてしまう病気です。日本ではあまりしられていない病気でもあります。

セリアック病は生殖能力を損なってしまうものだという事が知られていますが(1)、セリアック病ではないけれどグルテンに過敏に反応するグルテン過敏症もあります。

子宮内膜症や、多嚢胞性卵巣症候群のような女性の不妊の原因になるものともつながっていますから、スルー出来ません。(2)(3

 

グルテン過敏症も妊娠しにくさに影響

セリアック病の場合は、腸からの栄養がうまく吸収されなくなってしまい、妊娠に必要な栄養も不足するような状態になってしまうのです。

ただ、セリアック病でなくてもグルテン過敏症がある場合は、妊娠に欠かせない、鉄、葉酸、ビタミンD、およびビタミンB12が不足してしまいます。(4

グルテンは小麦などに含まれているため、小麦などを使っているものには含まれていますし、調味料などにも含まれています。

 

グルテンフリー食によって妊娠報告事例

グルテンフリー食にしたことによって非セリアック病のグルテン過敏症の人の妊娠報告などもあります。(5

グルテン過敏症は検査については確立されていないため、知ることができません。

ただ、日本でもグルテン過敏症の人は増えているのではという事が言われています。

グルテンは、体の不調を引き起こすのではないかとも言われています。(6)

さらに、グルテン過敏症の人は、他の食物繊維などに対しても悪い反応を起こしてしまっているのではないかという事も言われています。(7)

本来だとよい働きをしてくれる食物繊維も、グルテン過敏症の場合はそうもいかなくなってしまうという事です。

グルテンフリーで体の炎症対策を

グルテンフリー食を続けることで体の炎症がおさまったり、腸で起きていた炎症がおさままる、リーキーガット(8)のように腸に穴が開いてしまっているのも改善するという事も報告があるので、(9)中々地中海式食事ダイエットなどで妊娠しないという場合は、グルテンにも着目してみてはいかがでしょうか。

 

健康体のように見えて、アレルギーもないけれど、グルテンには弱いというグルテン過敏症のケースもあります。全粒穀物なら大丈夫という事でもなさそうなので、

全粒パスタ、全粒パン、小麦などを使った主食やお菓子はできるだけ避けた和食中心の食事スタイルに転換してみましょう。

 

パンやパスタ全粒穀物なら妊活万全でもない

全粒穀物であるパンやパスタですら不健康に傾いてしまうかもしれないといわれています。例えば、全粒穀物を食べていた人と普通のパンだった人とで血糖値の改善、炎症、コレステロールに差が出なかったし、むしろ、全粒パンの人の方が血糖値が上がってしまっていました。(11)

それでもおいしいパンやパスタを離れる事ってちょっと難しいように感じますよね。そしてよくあるのが、グルテンフリーのパンやパスタ。

でも、実際本当にグルテンがフリーになっているのかはどうも怪しい感じです。(12)

かといって100%完璧のグルテンフリーを目指す必要性もないでしょう。あまりこだわりすぎても食生活がうまく回らないなんてこともありますよね。

できる範囲で減らしてみるといった感じで試してみてはいかがでしょうか?

また腸の炎症を起こすものに添加物などもあります。グルテンは調味料、乳化剤などにも含まれます。

妊娠しやすい食事療法と知られる地中海式食事ダイエットでも、加工食品を抜くなどはスタンダードなルールです。

加工食品にはたくさんの添加物がくあわわり、製造工程で酸化してしまう事も多いので、妊活食事を見直す際は参考にしてみてください。

そして、炎症を抑える取り組みが必要です。

 

日本では検査もなかなか難しいけれど増加傾向に

もともと小麦をよく食べる海外ではグルテン過敏症やグルテン不耐症、セリアック病などは知られていますが、日本ではほとんど知られていません。

海外では15%くらいの人がグルテン過敏症を持っているものの、その99%が知らずに過ごしてしまって不調を抱えているとも言います。(13

また、日本でも小麦などをはじめグルテンは沢山の食品をはじめ化粧品などにも使われるほどなので、触れる機会が増えている為日本でも増加する見通しです。(14

でも、セリアック病でも検査がなかなかできないという医療機関も多いようです。

セリアック病でもなく、小麦アレルギーでもなく、なんだか体調がすぐれないという場合は、非セリアック病のグルテン過敏症かもしれません。

また小麦などの摂取によって体調が不調なのかもわかりにくいぐらい取り入れてしまっているというところもありますので、まずはグルテンなどを抜いてみたりしてみるとよいでしょう。(15

 

また炎症対策なども取り入れていくことも有効な妊活になるかもしれません。

グルテン過敏症の症状とは

腹痛、下痢、便秘、逆流性食道炎、腸の不調、お腹はるなどのおなかの症状

頭痛(偏頭痛含む)、めまい、なんとなく頭がすっきりしない、

貧血、むくみ、関節の炎症、疲労感、倦怠感、

うつ症状、低血糖、じんましん、

ビタミン・ミネラル欠乏症、

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん/二の腕や背中などにできるブツブツ)など

全体にだるい、疲れやすいなど様々ですが何とも普通におこりうる症状です。(16

 

グルテンフリーの食事のポイント

・お米中心の食事にしてみましょう。麺類は100%のおそばに切り替えてみるのはいかがでしょう。

・パンなど小麦をつかったものをお米に切り替えるために、米粉由来のものに切り替えてみましょう。ビーフンやフォーなどもOK食品です。

・グルテンフリーではお菓子などもありますが、妊活の事を考えると、お菓子などよりはクルミやアーモンドなどをはじめとしたナッツ類や果物をおやつにしていきましょう。

・グルテンフリーの食品は外食やコンビニでも手に入るようになっているものの、グルテンフリーになっているかは定かではないため、シンプルな食品を選んで食べていくようにしましょう。ゆで卵、魚、肉類はOK食品になっているので、できるだけフライなどになっていないものを選び、煮る・焼く・ゆでるなど調理方法も工夫してみましょう。

 

グルテンだけでなく低FODMAP食がベストかも?

本来なら体にとってプラスにもはる食物繊維や糖質などでも、腸内環境によってはマイナスに働いてしまう人もいます。

そのため、腸の炎症をできるだけおさえ、腸のバリア機能を取り戻していくために低FODMAP食に取り組みだしてみるのも良いかもしれません。

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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