残留農薬の野菜や果物と精子の質低下や不妊との関係

残留農薬の野菜や果物と精子の質低下や不妊との関係

妊娠しやすい体作りには、ビタミンやミネラル、食物繊維などたくさんの栄養素を含む

野菜や果物をふんだんに毎日食べる事ってとても大事です。

でも、そんな野菜と果物が今は作られる過程で農薬をつかってつくられることもあり、

その残留農薬が多い場合には不妊にも影響がでてきてしまっているのです。

安心して新鮮で安全な食というのが守られていればよいのですが、現代はそうもいかないみたい。

妊活中も妊娠後、そして子育て中にも気をつけた方がよい残留農薬についてです。

 

残留農薬が少ない野菜果物で妊娠率アップ

不妊治療開始前にpro-fertility-エビデンスに基づい食事パターンは、

ART女性患者の良好な治療成績に関連したことがわかったという研究からです。

他研究などでも、地中海式の食事療法は妊娠率を高めるとされていますが、

アメリカで不妊治療・体外受精を受ける女性にとって必ずしも最も適切であるとは限らないこともわかりました。

というのも、エビデンスにもとづく方法を取り入れたら、地中海式食事療法だけよりもっと妊娠率が

高まったという結果が出ました。

アメリカで実施された研究357名の女性(18-46歳)の608周期を対象にした前向き研究。(1

過去のART成績に基づいて新たに提唱した根拠に基づく食事療法のようで、

この食事の主な点としては、

地中海式の食事療法、全粒穀物、乳製品、シーフード、大豆製品、サプリメントによる食事内容に加え、

葉酸・ビタミンD、ビタミンB12のサプリメント摂取と

残留農薬レベルが低い野菜・果物を多く摂取し、肉を少なくする食べ方がポイントになっています。

妊娠しやすさに影響がある野菜や果物については、以下の点がポイントになっていたようです。

残留農薬が少ない野菜や果物をできるだけ多くし、残留農薬が多い野菜や果物を減らしたほどスコアが

高い方がよい傾向がでています。

地中海式食事療法ではふんだんな野菜や果物などを摂取していいきますが、特に

残留農薬の部分にも着目して農薬が少ないものを選んだり、農薬を減らす工夫は大事という事です。

 

残留農薬で男性の妊孕性・精子にも影響が

農薬工場で働く男性に男性不妊という割合が多く農薬に男性不妊の原因となる

事が明らかになってそこからの研究です。(2)男性も農薬を多く含む食事を

精液所見が悪くなり妊娠能力が低下していってしまっています。

農薬量についてはアメリカ農薬データベースから算出し、農薬量が多い野菜や果物を

とっているほど精液所見が悪い傾向がでて、農薬を最も多くとってしまっていた(1.5人前/日)

グループでは49%の精子数の減少と32%の正常形態精子数が減ってしまっていました。

 

農薬の多い野菜や果物の摂取は怖いですね・・・。

農薬は実際目で見てすぐについているかどうかはわからないため、

外食など加工食品ではどんな野菜や果物などが使われているかが全く分からないですしね。

かといって過敏になりすぎてもいけないので農薬の多い食品などを知って

できるだけ残留農薬が少ない野菜や果物を選んだり、農薬を減らせるようにして食べるように

して対処していきましょう。

 

農薬の影響は生殖だけでなく子育てにも影響あり

親子

有害な化学物質には環境ホルモンのように働いて生殖能力を低下させてしまったり、

また農薬によっては精巣に働きかけて精子のアポトーシス(細胞死)を招く作用が

あるものもあります。どんな農薬なら安心でどれならダメという事が

ハッキリとはわかりません。時代とともに農薬が使われるようになり

何か影響が出ては研究され、新たに見つかり、規制されを繰り返していて、

まだ見つかってひないけれど後には影響が出たという事がわかるものも多々出てくることでしょう。

できるだけ今食べるものが安全ばかりではないかもしれないという意識をもって

安心できる食べ物を自分で探し選び食べていくという必要性も出てきます。

売られていれば安心という考えだとかなり危険です。

売られているけれど体にとって有害というものは山ほどあります。

更に農薬の影響は、それだけにとどまらず、子どもの運動系や神経の発達障害などにも

影響がでています。(3

 

残留農薬を少しでも落とすには?

もっとも手軽にできる農薬への対処としては、水でよく洗うという事です。

またちょっとぬるま湯などで洗ったり、重曹などを用いて洗う事で

農薬用洗剤などを用いるよりも安全に農薬の量を減らすことが可能です。

あとは、できるだけ家庭菜園などで自分で野菜を作ってみたり、

オーガニックなどの野菜を手に入れられると理想です。(4

しかし、あまり神経質になりすぎてもいけないので、

本当日本の食の安全が守られるような社会があったらいいなぁってつくづく思います。

食事は、妊活中から、妊娠中、出産後、子育てとずっと影響していくものですよね。

みんなのためにも未来のためにも、

安心して安全で新鮮な野菜や果物を手に入れられるような環境があったらいいな。

虫がついていると食べるのはイヤって思ってしまいますが、虫が食べるくらい安心な食べ物だと思って

家庭菜園で作った野菜は洗って食べる様にしてみています。

 

まとめ

農薬をはじめ化学物質にはまだまだ知られてはいないけれど体にとって有害であったり

妊活中から妊娠中、そして子育てにとって向いていないものも多々あります。

安心だと思えるものに囲まれて生活できたらよいのですが現代では便利な生活とともに

化学物質などに触れる機会も増えています。

できるだけ気をつけていきたいですね。まずは農薬が少ない野菜や果物を取り入れていきましょう。

 

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参考文献

(1)Dietary patterns and outcomes of assisted reproduction June 2019Volume 220, Issue 6, Pages 567.e1–567.e18

(2) 2015 Jun;30(6):1342-51. doi: 10.1093/humrep/dev064. Epub 2015 Mar 30. Fruit and vegetable intake and their pesticide residues in relation to semen quality among men from a fertility clinic.

(3)Fetal exposure to propoxur and abnormal child neurodevelopment at 2 years of age Published in final edited form as:Neurotoxicology. 2012 Aug; 33(4): 669–675.

(4) 2019 Oct;112(4):613-621. doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.08.001.Before the beginning: environmental exposures and reproductive and obstetrical outcomes.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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