妊活では食事でたくさんたべたい魚

水銀は妊婦さんには良くないというのは結構有名ですよね。
重金属の摂取量と不妊リスクには関係があるとも言われています。
ただ、私たちは魚から水銀を摂取する傾向は強いものの、
だからといって魚を避けてしまってよいのでしょうか?
いったい魚や水銀とはどうお付き合いしたらよいのでしょうか。
みていきましょう。
水銀を気にするよりも魚摂取で着床率は高かった
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、主に魚を食べることで体の中に
入ってしまう水銀の影響を調べるための研究をしています。
体外受精を受けている女性の毛髪中の水銀濃度と治療成績の関係を
分析した結果、驚く内容でした。(1)
体外受精に臨む女性を対象に、治療に入る前に毛髪中の水銀を測定し、
年齢や卵巣刺激法などの影響を抜いたとしても、
魚を摂取していいる女性ほど着床率が高かったのです。
一部の女性には食物摂取頻度調査で魚の摂取頻度も調べていて、
水銀濃度は魚の摂取頻度の高い女性ほど高いことがわかりました。
そして、195名の女性の271治療周期で、
水銀濃度で4つのグループに分けたところ、最も高いグループは
低いグループのそれに比べて65%、その次のグループでは51%、
その次は20%、それぞれ低く、水銀の濃度の高い女性ほど、
着床率が高いことが判明したのです。
魚の摂取は、水銀での悪影響を相殺しさらに良い働きを
もたらしてくれています。
男性では魚摂取で精液・精子の質が改善
この傾向は女性の着床だけでなく、男性の精液や精子の質についても
同じように妊娠しやすさに影響が出ることがハーバード大学の研究からも
わかりました。(2)
男性でも、水銀の量が多くてもそれが魚からの摂取量が多い場合は、
精子濃度、総精子数・進行性運動性がそれぞれ50%、46%、31%高いという傾向です。
そして魚の摂取量が少なく、水銀量が多い場合は、
精子濃度、総精子数・進行性運動性が低下の傾向を見せています。
魚介類を食べる夫婦ほど性生活の回数が多い
オメガ3脂肪酸を多く含む魚は妊娠しやすさともつながっている
ともいわれています。そして、1周期ごとに8種類(8食分)の魚介類を
摂取したグループとそうでないグループとを分けた場合、
妊娠までの期間(TTP)に違いが出ました。(3)
男性、女性ともどちらも魚介類を多く摂取するグループは
そうでない場合のグループと比べると61%の繁殖率の差がでました。
男性だけでは、47% 女性だけでも、60%です。
魚介類が多い夫婦は性生活の回数が22%も多かったのです。
性生活の回数が多い事も妊娠しやすさにはつながる部分があります。
まとめ
食事からの妊娠しやすさへの影響として、魚はとても影響力が
大きい食べ物のようです。日本では以前は魚介類を中心に
動物性のタンパク質をとってきていました。
近年は食の欧米化で肉類など摂取が増えていて、魚は面倒、
美味しくない、好きではないなど倦厭されてしまっていますが、
積極的に食べていきたい食材ですね。
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参考文献
(1)Reprod Toxicol. 2015 Jan;51:125-132. doi: 10.1016/j.reprotox.2015.01.003. Epub 2015 Jan 17. Hair mercury concentrations and in vitro fertilization (IVF) outcomes among women from a fertility clinic.
(2)Int J Hyg Environ Health. 2018 Mar;221(2):174-182. doi: 10.1016/j.ijheh.2017.10.014. Epub 2017 Oct 28.Hair mercury (Hg) levels, fish consumption and semen parameters among men attending a fertility center.
(3)J Clin Endocrinol Metab. 2018 Jul 1;103(7):2680-2688. doi: 10.1210/jc.2018-00385.Seafood Intake, Sexual Activity, and Time to Pregnancy.