妊娠力を高めるメラトニンはセロトニンと関係あり
睡眠を促し、細胞の修復には欠かせないホルモンとしてメラトニンがあります。
セロトニンが多いと前向きで、自信にあふれ、適応力があり、穏やかになります。
このメラトニンは今では卵子の細胞内にもあって細胞の修復に欠かせない物質として
生殖医療の現場でも注目されています。
メラトニンはセロトニンから作られます。そんなメラトニンについてみていきましょう。
メラトニンは妊娠率に影響がある
松果体から分泌される睡眠を司るメラトニンというホルモンは、
血液中や卵胞液中にもあって、抗酸化作用を発揮して、卵子や卵子を取り巻く顆粒膜細胞を
酸化ストレスから守って細胞が受けるダメージが少なくなるようにしてくれています。
そのため、メラトニン濃度が高いと妊娠率も高まったという報告もあります。
また顆粒膜細胞はエストロゲン分泌にも関わる重要な細胞です。(1)
妊娠のサポート セロトニンという神経伝達物質
睡眠に関わるのがメラトニン、メンタルの安定に関わるのがセロトニン(2)。
どちらも大切な役割をし妊娠をサポートしてくれています。
セロトニンが不足すると気分が沈みがちになったり不安にもなってしまいます。
そのためにはセロトニンが欠かせず、トリプトファンはとても大切で、アミノ酸セラピーなんて
言葉もあるくらいです。セロトニンが不足するとイライラしやすくもなりますし、
セロトニンがもとで作られるメラトニンも減ってしまうので夜に眠れなくなる、
頭痛持ちになってしまうといった事から、つい不健康になりそうな甘いものなども食べたくなって
しまうといいます。
メラトニンは酵素の働きによってセロトニンをもとに4段階で変化して作られるホルモンであり、
セロトニンが不足することでメラトニン生成に影響が出てしまいます。(3)
セロトニンはトリプトファンから
トリプトファンという必須アミノ酸から作られます。
この必須アミノ酸はタンパク質からとればいいのです。
肉や魚や卵・乳製品・豆腐などのあなたが日頃からとっているたんぱく質です。
体内に取り込まれてから脳でセロトニンへ変化します。
日頃から偏ってタンパク質が不足しているという場合は
食事を見直してみるといいでしょう。→食事療法について
また、1日あたりトリプトファンは500~600mg摂取すると、睡眠対策には有効と言われています。
なので、朝食を抜いたりするとこの数値をクリアすることは難しくなってきます。
1日3食 食べる事は大切に
体内のセロトニンの分泌量を増やすには、午前中に太陽の光にあびる事が大切です。
冬は特に日照量が減ってきますのでセロトニンの量も減ってきがちです。
また、どんなにタンパク質をとって昼間に太陽にあびたとしても
睡眠不足になると意味がありません。
睡眠不足だとセロトニン・メラトニンは作られにくくなってしまう
メラトニンとセロトニンは反比例の関係にあります。
セロトニンの元になるトリプトファンは脳に入りにくい物質ですが、
インスリンがそれを助けてくれます。トリプトファンは普段はアルブミンとくっついていますが、
インスリンがその結合を切り離し、脳内へ入ってくる手助けをします。
睡眠不足になるとインスリンの量も減ってしまいます。
科学的根拠ありの睡眠の質を高めていくための方法なども参考にしてみてください。
特にメラトニン分泌に影響があるのは光の影響も強いため、
夜間に強い光に当たるのは避けていきたいところです。夜のスマホ検索やテレビの閲覧などは
避けて、ゆっくりと眠りましょう。
そうはいっても、妊活で悩んでいるときは、不安になったり、どうしたらいいのかと迷い込んで
しまってモヤモヤもしますよね。そんな時は一人で抱えずにご相談くださいね。
参考文献
(1)排卵過程においてメラトニンは卵胞内で活性酸素種から卵や穎粒膜細胞を保護する 2011 年度 研究成果報告書
(2)The Effects of Dietary Tryptophan on Affective Disorders April 2015Volume 29, Issue 2, Pages 102–107
(3)メラトニン研究の歴史 – 日本時間生物学会