低温期長い排卵障害に 不妊改善のための食事とは?

低温期長い排卵障害に 不妊改善のための食事

低温期が長く、排卵日までに時間がかかる月経周期の方は

月経周期も長く伸びて排卵時期がズレる傾向にあり、妊娠のチャンスが減りがちです。

卵巣機能低下によっておきてくる低温期が長くなる排卵障害のトラブルについてと

それを改善して不妊を改善していくための食事についてお伝えしていきます。

妊娠できるように整えるために必用な部分をみていきましょう。

 

排卵障害の改善に食事との関係

 

妊娠しやすい食生活について、日本経済新聞出版社刊という本では、

食生活と妊娠の関係を裏付ける結果を出しています。

ここには、ハーバード大学による女性看護師を対象にした大規模な疫学調査の結果が示されています。

「適切な食事をとると、不妊の原因で最も多い排卵障害を改善できる」いうことです。

ただ、排卵しないというだけなら、排卵誘発で対処することもできます。

しかし、生殖医療の現場で一番頭こまった壁となるのが「年齢にともなう卵子の減少」と

「卵の質の低下」といわれています。

人間の体細胞は常に新しいものと入れ替わるのに対し、卵子の素となる細胞は胎児のときに一生分が作られています。

その卵子は初潮までは卵巣の中で眠っています。

初潮を迎えてからは年齢とともにどんどん減少していきます。数が減れば減るほど卵子の質も低下

していきます。そこに対し、コレステロールが高い女性ほどAMHが高いという研究結果も

でてきています。女性の妊娠において栄養が影響し関係しているのです。

 

 

低温期が長い稀発月経と不妊

低温期が長い場合は、以下の特徴があります。

通常はおおよそ、14日前後ある低温期ですが、

基礎体温における低温期が長いために、生理周期が長くなるという特徴があります。

それでも、多少長い程度なら問題はありませんが、

生理周期が40日を越えるなど、長すぎると稀発月経となります。

低温期が長いということは、排卵の機会が少なくなるという事になるので、

妊娠を望む方にとってはチャンスが少なくなりがちです。

また、排卵のタイミングをつかみにくくなる、排卵したとしても卵子がなかなか育ちにくいため

細胞の質が悪いことも多く、妊娠しにくくなってしまうという不妊に関わる影響があります。

なので、低温期を通常の14日くらいで排卵へと進み、生理の周期を28日前後へ

戻せるように整えてあげる必要性があります。

 

卵巣機能低下と低温期が長くなる理由

冷えや自律神経の乱れなどによって、血行が悪くなると、

子宮や卵巣の血流も低下し、卵巣の機能が低下し、卵胞の発育が遅くなることが

考えられます。

卵胞の発育が遅いと、低温期が長くなります。

なので、生理開始日から排卵するまでに時間がかかるようになっていってしまいます。

そのため子宮や卵巣といった生殖器周りの血流の改善や卵巣機能を高められるように

体質改善をし、月経周期に関わる女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンなどが

バランスよく分泌されるように変えていってあげることが大事になります。

 

卵巣機能が低下する原因とは

冷えや自律神経がバランスを崩していると、血行がわるくなり、細胞に酸素や栄養が充分に

届かない、老廃物が排泄されないといったことがおきてきます。

そのため、細胞が活性化せず、器官である卵巣の機能も低下してしまいます。

また、女性ホルモンは血液によって運ばれるという事もあるので、

血流が悪い事でホルモンの運搬が悪くなり、ホルモンバランスが乱れるといったことから

低温期を伸ばしてしまう原因にもつながります。

血行を促進して血液や体液の循環が良い状態をつくっていってあげることで

女性ホルモンのバランスを整え、細胞の活性化につながりますので、

冷えを改善して血流をよくするためのあったか習慣を取り入れていきましょう。

今までは、自然妊娠しにくくても、改善することで、チャンスも増えますし、

妊娠しやすくなっていきます。

 

糖質制限習慣で食べ物からの不妊体質を改善

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糖質が多い食事では、血糖値が上がったり、下がったり乱高下します。

そのためイライラしやすくなり、自律神経を過敏に刺激して血流を悪くさせ

冷えを招きます。

血糖値が高く、インスリンの過剰な分泌がある場合、卵子に限らず、全身の体の細胞も、

男性でしたら、精巣・精子といった生殖に大きくかかわる器官や細胞も老化が進みます。

 

どれだけ排卵をおこせたとしても、妊娠を維持して、

元気で健康な赤ちゃんを産むには、血糖値を安定させていく事、気持ちを安定させ、

女性ホルモンが整ったカラダつくりがかかせません。

これが妊娠力・妊娠維持力につながります。

 

糖化によって卵子が老化してしまう

糖化とは、タンパク質が糖と結合して変性してしまうことです。

これは血糖値が140〜160mg/dL以上になると起こると言われています。

タンパク質と糖が結合し、コゲてしまうイメージです。

卵子もタンパク質でできているため卵子が糖化してしまうと、糖化は老化と意味しますので、

卵子の質の低下に直結します。この糖化した産物をAGEと言いますが、この濃度が高いほど

妊娠率が低下するという報告があります。

実際に体内で糖化が進むと、卵巣機能の低下や、

体外受精の成績が低下してしまうという事につながっています。

糖控えて妊娠率を高める

糖質をある程度制限した食事が非常に有効です。

このある程度というのがポイントとなります。

流行りの糖質オフダイエットなどは長続きしなかったり、

リバウンドや別の病気を引き起こしかねないからです。

かといって、難しい食事療法や計量などが必要なものは、

面倒で続ける事もできません。

簡単である事、わかりやすい事、甘いものでも食べられる事、お酒も飲めること

これらが食事療法で受け入れられて、継続可能な条件でした。

 

主食はいつもの半分に、おかずはいつもの倍食べるくらいの感覚が

エネルギー不足にも陥らず、効果を期待できる糖質制限食になります。

おかずと言っても、揚げ物などは控えましょう。

糖化を予防するしAGEの吸収を抑え、血糖値の急上昇を防いで高血糖の状態が長く続かないようにすることが大切

と言われています。そのためには血糖を140mg/dl以上に上げないことです。

 

低糖質で高たんぱくが体外受精で妊娠率4倍に

アメリカ産科婦人科学会(ACOG)によると、一日の摂取カロリーのうち、

どんな栄養素から総熱量を摂取しているかによって体外受精における

妊娠率に違いがあることが報告されています。

タンパク質から熱量が25%以上・糖質からの熱量が40%以下の食事をとっているという女性は

タンパク質から熱量が25%未満・糖質からの熱量が40%以上の食事をとっている女性と比べて、

なんと体外受精における妊娠率が4倍に増加していました。

 

つまり主食となるごはんやパンや麺類などを控え、メインのおかずとなるような

タンパク質(魚や肉、卵や豆類乳製品など)の摂取量が多いということ、

血糖値が安定するように食物繊維が豊富な野菜や果物などの摂取があることがポイントになることが

伺えます。

 

排卵障害による不妊になる確率を66%低下させる食生活

8年間にわたりハーバード大学が調査した17,544名の妊娠を希望する、または、妊娠した、

そして、不妊経験のない女性を対象に食生活や生活習慣のパターンを追跡調査しています。

それによると、生活や生活習慣のパターンによって、そうでない女性と比べ、

排卵障害による不妊のリスクが低下すること

その他の原因による不妊においても程度は小さいもののリスクが低下するという事が

わかりました。

この生活を取り入れた女性は66%が排卵障害による不妊になるリスクを低下させ

他の原因で不妊になる確率を27%も低下させています。

 

不妊になりにくくさせる食事と生活習慣とは

取り組んだ妊娠する力を高める食生活の特徴としてあげられるのは以下の点です

  • トランス脂肪酸よりも一価不飽和脂肪酸の摂取が多い
  • 動物性たんぱくよりも植物性たんぱくを多く食べる
  • 精製度の低い穀物を食べている
  • 乳製品を適量食べる
  • マルチビタミン(葉酸、鉄分を含む)のサプリメントを摂取する

 

妊娠する力を高める生活習慣について気をつけるべき点は以下です。

  • カフェインやアルコールを取り過ぎないこと
  • 適度な運動をすること
  • 禁煙

 

排卵障害改善に食事で気をつけるべきポイント

トランス脂肪酸よりも一価不飽和脂肪酸の摂取を多くするために気をつけたい点としては

トランス脂肪酸が多く含まれるのは、マーガリンやショートニングや、

加工食品やファーストフードとなります。質の良い脂質をとりコレステロール値を高めていく

必要性があります。そうして逆に一価不飽和脂肪酸が多いものを摂取することが好ましいのですが、

こういった油はオリーブオイルです。

精製度の高い炭水化物の摂取は、血糖値を上げてしまいます。

そうして体の中の細胞は老化してしまいますから、食物繊維を含む低GI食品

玄米、全粒粉のパン・パスタを摂取するようにしていくこと、糖質摂取量を控えて

タンパク質や脂質からエネルギー量を確保するようにしていくとよいでしょう。

また、貧血の予防に努め鉄分の摂取も特に女性は気をつけたいところです。

鉄は子宮ではベッドメイキングに関わる役割を果たします。子宮内膜をつくる材料となるため、

貧血や隠れ貧血は改善しておきたいという事です。

そのためにはタンパク質と結合している「ヘム鉄」を摂取するようにしましょう。

吸収率が非ヘム鉄の5~10倍もあるのです。ヘム鉄は動物性食品に含まれているのが特徴ですので、

肉の赤身や魚の摂取を心がけていきましょう。

ただ、タンパク質の摂取を肉だけとか魚だけとするのではなく、

大豆製品や無調整の乳製品といったものからも摂取しバランスよい食事を

心がける事が大切だといえそうです。

 

参考文献

『卵子の老化に負けない 妊娠体質に変わる栄養セラピー』(青春出版社)
古賀文敏ウイメンズクリニック院長 古賀文敏 先生 著

はなおかIVFクリニック不妊治療、体外受精クリニックhttps://www.ivf-shinagawa.com/ippan/sapuri.html

病気や症状等の医療情報をわかりやすく 医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト|メディカルノート 不妊の原因としての排卵障害―排卵障害を改善するためには?

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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