原因不明不妊 妊娠しやすさに冷え改善のポイント
妊活していても結果が出ない、検査をしても、これといった原因が見つからないという
原因不明不妊である場合、女性の卵子の質の低下・卵巣機能の低下が主な原因と言われています。
卵巣機能の低下により卵子が育ちにくくエストロゲンといった女性ホルモンの分泌が低下し
受精障害を起こしやすくなります。さらに、老化し劣化した卵子の場合受精後の胚の分割が
スムーズにすすまず着床障害を起こしやすくなっています。
原因不明不妊の原因となる卵子の質の低下や卵巣機能の低下には、
血液循環の悪さも原因となります。冷えからまずは改善し自然妊娠にむけて整えていきましょう。
原因不明不妊とは
原因不明不妊とは、妊娠のためのつの重要な条件である
卵巣・子宮・卵管・精子・抗精子抗体 は良好な状態であるにもかかわらず、
子供を授かれなくなっている場合を原因不明不妊といいます。
原因不明不妊となっている場合、一番影響してくるのは、
女性側の卵子の質・男性側の精子の質といった細胞の質の高さが影響してくるといわれています。
ただ、医学的には原因がわからない場合でも、女性側の血液循環が悪くなっている場合、
酸素の運搬が不十分、栄養の運搬が不十分といったことがおきやすくなります。
また細胞の劣化とつながるのは酸化となりますが、ストレスなどを抱えていると
活性酸素が大量に発生し劣化の原因ともなりますし、自律神経の交感神経が優位になるので
血管が収縮し血液循環が悪くなり体温も低下し、体の様々な部分で機能低下を起こしてしまうのです。
色々な事が複合的に影響し合って血液循環の悪さや細胞の劣化を招き
原因は不明だけど妊娠しにくい状態をつくってしまいます。
原因不明不妊は細胞の酸化レベルや炎症反応なども影響
精液検査は正常だけれども、不妊というカップルは、精液検査も正常で不妊ではないという
カップルの男性と比較して、血液中と精液中の炎症を示すマーカーや
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との濃度に違いがありました。
原因不明不妊の男性は、炎症マーカーの濃度が血液中も精液中も高く、
オメガ6脂肪酸の濃度が高く、オメガ3脂肪酸の濃度が低いという関係がありました。(1)
精液検査での数や運動率などではわからないDNAの損傷レベルに影響が出てくるのが
酸化ストレスと炎症反応です。これらを改善するような取り組みを
大切にまずはライフスタイルを改善していきましょう。
抗酸化作用を高め冷えを改善し卵巣機能を高める
血液循環が悪いことで細胞への栄養や酸素の運搬が滞り、老廃物の排泄もたまってしまうと、
細胞や器官は活発に活動することができずに機能が低下します。
冷えを起こす原因は、冷房や冷たい食べ物や飲み物のとり過ぎといった物理的な冷えもありますが、
自律神経の不調によって血管の収縮が過度におきていても起こります。そのため働きすぎや過活動、疲労、
ストレスをためたような状態でも同じようになってきます。
運動不足による筋力の低下などによっても冷えは起こりやすくなります。
そのため冷えは男性よりも女性の方に起こりやすいのです。
卵巣機能を高め、卵子の質をよくしていくには
栄養バランスが良い食事、適度な運動、休息、ストレスのケアといった基本的な
日常生活を送っていく上で整えていきたい習慣の部分も大きく影響してきます。
それと合わせて、効果的な冷え対策を行って、妊娠しやすい状態を作り上げていきましょう。
原因不明不妊であれば逆に大きな原因がないので、
どうしても不妊治療が必要という選択肢もありません。
細胞の酸化レベルや体の炎症反応を抑えていくためにできる生活習慣の改善ならたくさんあります。
冷え改善という点ではウォーキングなどの運動も一つですし、
睡眠の質を高めて修復するためのメラトニンホルモンの分泌を助けるという方法もあります。
冷え改善のための入浴方法
血の巡りを改善して、ぽかぽか温かいカラダにするために、入浴によって温める事ができます。
これからご紹介する入浴法は、リラックスするための入浴法とは違い、
一気に体温をあげることと、免疫力を高める事も目的とします。
ちょっと熱めで数分入浴です。38度から40度のお風呂に、
10分以内と数分入るだけというとっても簡単な入浴法です。(長湯をしない)
寝る前2時間くらい前に入っておくことがポイントで、
ちょうど寝る頃には、深部体温が下がり、深い眠りにもついていく事ができます。
熱めの温度のお湯につかる事で、免疫力を高めることが出来ます。
免疫力は、ばい菌と戦うというだけではなく、
細胞の活性化させるという、とっても大きな役割を持っています。
また、妊娠には免疫バランスの良さも必要です。他者の細胞を受け入れていく妊娠という過程において
ある程度の免疫は働いているものの、受精卵に対し攻撃しないという免疫寛容を起こすことで
妊娠していかれます。そのため免疫場バランスが乱れている場合、
炎症反応が起きやすい炎症体質の人も子供ができにくくなります。
冷えの改善や免疫バランスの改善にも入浴は効果的です。
副交感神経を高め冷え改善の入浴方法
リラックス不足で交感神経ばかりが優位になっていても冷えは助長されてしまいます。
そのため、体をあたためながらリラックス効果も得られる入浴法をご紹介します。
38度と体温よりはやや高めですが、ちょっとぬるめかなという温度ですが
5分~長くても10分程度で済ませるとよいでしょう。
ぬるめだからと言って半身浴で30分から1時間と長く入る事は日々の入浴では
好ましくはありません。
好きな入浴剤やアロマバスなどを楽しむのもよいですし、心地よいリラックスできる程度の
入浴を心がけていきましょう。
体の血流を改善する水のみ
インド・スリランカの伝統的な予防医学であるアーユルヴェーダでは
病気になる前に不調を未然に防ぐことを大切に考えています。
そこでは、白湯を飲むことを推奨しています。
氷で冷やしたような水分のがぶ飲みは好ましくありませんが、白湯などから1日2リットルくらいの摂取が理想的です。
血流の改善が代謝の改善にもつながっていきます。
寝る前や朝起きてすぐに白湯を飲むことで体の胃腸が活性化し消化吸収や排泄が良好になります。
また温かい飲み物を飲むことで代謝も高まります。
沸かしたお湯をポットなどに入れておき、適度にあたたかい白湯を飲むようにしているのも
冷え改善のための良い習慣となるでしょう。
冷房や冬の冷えから衣類で冷え改善
夏は暑いため冷房によって、冬は寒さからの冷気によって物理的に体は冷えます。
そのために服を着るとか腹巻などを使ってお腹周りが冷えすぎるのを防いでいきましょう。
スカートなどを履く場合は掛物などを用意して足先からの冷えから
まもってあげるのもよいですね。
冷えが良くないからと言って無理に厚着をしすぎる事も必要はないので、
妊娠しやすくしたいとばかりに何重にも服を着たり、
夏で暑いのに無理して腹巻をまき続けたりといったことは避けましょう。
かえって自律神経が不調になり冷えが悪化したり、生殖機能が悪化する危険性すらあります。
冷え改善での注意点
冷えがよくないというのは、血液の循環のわるさから様々な病気にもつながりやすく、
医師の間でも冷え改善は指摘されています。
そのための有効な手段としては適度な運動といった部分がおススメにはなるのですが、
冷え改善のためにあたためることが良いことだという情報が広まりすぎて、
妊活中の女性が冷えはよくないからと、ホッカイロをずっとお腹にあてていたり、
よもぎ蒸しパッドや膣の温罨法などをされていることをよく伺います。
医師の間でも冷え改善については意見はさまざま。
ただ、外部からの直接的なあたためすぎは生殖機能を逆に低下させるという説はあります。
もともと生殖医療は家畜の生産技術から生まれてきたものであり、
人間と牛とでは随分違いがあるものの、妊娠においては類似する部分もあり、
一概にすべて当てはまるとは言えませんが、気をつけておくのには越したことはないといえます。
乳牛においては、暑熱ストレス(熱さに対するストレス)が卵巣機能を低下させるという実験の結果が、
農水産業温暖化研究センターにより発表されています。
夏場の暑い時期には妊娠率が下がるといった点や、暑熱ストレスが高いと受胎率が下がるといった報告です。
逆に温度のコントロールを行った場合は妊娠率が高まるといわれています。
参考サイト
http://www.pref.toyama.jp/branches/1661/chikusan/h19seisekiseika/heat.pdf
あたためすぎは、逆効果
お風呂の場合では長くても何時間も入り続けるという事はできませんが、
ホッカイロを当て続け、しかもその温度が高温の場合は50度近くなります。
それだけの高温に長時間さらされ続けることは、正しい冷え対策にはなりません。
むしろ危険です。ショーツから膣や子宮をあっためてあげようとしてしまう方もいるようですので
冷え対策には気をつけて欲しいですね。詳しくはこちら
冷えがうまれるのは、ストレスなどによる自律神経の不調、筋力の低下、栄養不足などからです。
まずは、血液循環をよくしていくために生活の改善や、
適度な入浴や、水分をしっかり摂取などといったことから始めていきましょう。
原因不明不妊であっても妊娠しにくくなっている部分を改善していくことで、
妊娠しいやすくなれるので取り組んでみて!
参考文献
(1)Lipid Peroxidation and its Impact on Infertility – Scient Open …